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シニアライフに関わる専門家が触れた人生の物語

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#人生設計

試される家族の絆(司法書士目線)

試される家族の絆(司法書士目線)

近頃、司法書士として相続のご相談をお受けしていると、「相続放棄をしたい」とおっしゃる方が増えてきた様に思います。

亡くなった方(被相続人)が多くの借金などを残していた時に、そのマイナス財産を相続したくない、という理由で、相続放棄をするのが、その典型です。

家庭裁判所で適法に相続放棄の手続きをすれば、法律上、相続人ではなくなりますから、亡くなった方の財産は、プラスもマイナスも相続しないから、です

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贈与税のしくみが変わるかも、というウワサ

贈与税のしくみが変わるかも、というウワサ

60代の元気な女性の方(相談者 以下、相)から税理士(以下、税)へのご相談

相「1年間で110万円以内の贈与だったら贈与税がかからないってことは知っているんだが、この制度は無くなるの?」

税「そういうウワサはあるんだけれども、まだこの点は何も決まってはいないよ」

相「どうしてそういうウワサになったの?」

税「それは、政府が毎年作成する『税制改正大綱』と呼ばれるものに、『現行の贈与税制度につ

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介護や福祉的支援のある暮らし   『身体だけじゃない               こころと暮らしの健康』

介護や福祉的支援のある暮らし   『身体だけじゃない               こころと暮らしの健康』

 その方(Bさん)は、当時70代の女性。旦那さんとの老老世帯です。癌のステージⅣで、総合病院に入院中です。既に、ご本人とご家族には担当医より余命半年の宣告がされました。同居する夫も同世代です。夫にも持病がありますが日常生活は一人で行えますし、家事も手伝ってくれます。

離れて暮らす未婚の一人息子さんは、IT会社にお勤めの働き盛りの40代。会社の許可を取り自宅で仕事ができるようにして、ご自分の家とご

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お金、「貯めるもの」?「遣うもの」?

お金、「貯めるもの」?「遣うもの」?

あるお金もちのご老人のこと。

■ お宅を訪ねる 
 あるお金もちのご老人のお宅を訪れたときのことです。
 何となく、お宅の造りを拝見。お元気なうちは構わない。けれども、高齢のうえにも高齢となる日々に向かうことは避けられぬ。この状態では何かにつけて今までどおりでは暮らせそうもありません。
 「ベッドで寝起きできるようお部屋を改造されたらどうですか」「お風呂やトイレももう少し安全な構造に改良されて

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