No more Spiritual(9)−見える世界と見えない世界のはざまで−
(前回あらすじ)もうひとつの「声」はずっとメッセージを送っていた。その正体が判明し、私はようやく「悪」の呪縛から解かれ、見えない世界と和解する。
第9回 見えない世界と迷い
分かったことは、ふたつ。
私が対話していた「声」は、宇宙からのメッセージだということ。
そして、
私が生かされている意味は、そのメッセージを必要な人に届けること。
私は机の前で、腕組みをしていました。
怖い。
これを、公にするのが、怖い。
夫は、なんと言うだろう。
これからセッションに来てくれる人は、なんと言うだろう。
みんな、どう思うだろう。
怖い。
何日もこの恐怖から抜け出すことができませんでした。
そんな私の背中をゆっくり押してくれたのは、YouTubeで知った「先人たち」でした。
先人たちとは、目に見える現実世界とスピリチュアル世界の二つを深く理解し、その両輪を駆使して実績を残している方々です。
私は彼らの足元にも及ばないけれど、彼らが言っていることは分かる。分かるということは、私が行き着いた2つの結論を理解してくれる人はいる、ということだ。
私の頭がおかしくなったわけでは、ない。
よね?
なかなか人にメッセージを伝えることに踏み切れない中、私は「声」が本当に自分が作り上げた幻想ではないことを、何度も実験していました。
例えば、「本当に宇宙の声だということを、私に知らせてほしい」と聞きます。
数日の間に、4時44分というゾロ目を3回も目にしました。偶然だろうと思いながら、車を運転していると、前の車のナンバープレートが
444 4444
なのです。
私は、ギャッ!と言って、息を飲みました。
これは、偶然?
私が意識しているから、ゾロ目に気づくだけ?
またある日は、ネックレスとピアスをネットでオーダーしました。
その時から何度も、あるお店の絵が頭に浮かぶようになります。その店は、たまたま数ヶ月前に立ち寄っただけの、小さなセレクトショップ。
でも、もうネットで頼んでるしなぁ。
ところが、待てど暮らせどジュエリーは届きません。
トラッキングしようと調べてみると、オーダーしたはずの商品はカートに入ったまま。支払いが終わっておらず、注文されていなかったのです。
私は、そのカートからあらためて注文しようとしました。でも、何回やっても、
Oops! Sorry, not found !
ページが見つからない、と出てきて買えないのです。
そもそも、なぜジュエリーを買おうとしたかというと、おしゃれに疎い自分に悩み、「洗練された自分になりたい」と相談したイメージコンサルタントの方のアドバイスがきっかけです。
その方の「シルバーのシンプルなジュエリーをつけると良いですよ」という言葉を、大切に実行しようとしていたのです。
また頭に、あの小さなお店が浮かびました。
明日、行ってみるか。
翌日、車を走らせてそのお店のドアを開けました。
カウンターには、右のレンズが丸、左のレンズが四角という不思議なメガネをかけた店主がいます。
「探しているものがあったら、何でも言ってくださいね。」
そう声をかけられたので、
「シルバーのネックレスとピアスを探しています。」
と答えました。
「私は、小柄なので、シンプルなものを。」
店主はニッコリとうなずくと、ガラスのショーケースからいくつかジュエリーをカウンターの上に並べました。
それは、私が想像していたよりも、ずっと素敵なデザインのものでした。
鏡で合わせながら、それもいい、あれもいいね、と楽しい会話が続き、
「これにします。」
満足のいくジュエリーが、そのお店で手に入ったのです。
しかも、ネットで買うはずだったものよりも、安く。
素敵なジュエリーが買えた以上に、私はあの小さなお店で、心から接客を楽しんでいる店主と同じ時間を過ごせたことが、何よりも嬉しく、心が温かくなりました。
これも、ただの偶然?
私がただ、頭に浮かんだ絵に、気づいただけ?
その時、ハッとしたのです。
気づいた、だけ?
そうか。
私は「気づいた」だけなんだ。
宇宙はみんなにメッセージを送っていて、
私はその声に
「気づいただけ」なんだ!
肩の荷が、すっと降りた気がしました。
第10回 見えない世界との終着駅 に続く
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