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治療家の為の世界の見聞

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海外の論文や記事をもとに考察も含めて世界の今を伝える記事を投稿しています。
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記事一覧

本当に姿勢はすべての元凶なのか?

本当に姿勢はすべての元凶なのか?

 治療家なら多くの人が必ず言うセリフがある。「あなたの腰痛や肩こりの原因は姿勢が悪いからですよ。」このセリフは”伝家の宝刀”だ。あらゆる症状に対して使える最も簡単で明快でクライアントが納得してくれる最高のキラーワードだ。

 例えば『腰痛 原因』とググってみると多くの理学療法士、柔道整復師、トレーナー、あるいは医師までもそのほとんどの原因は姿勢にあると言う意見が見られる。

 僕自身も多くの患者さ

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身体はつながっている

身体はつながっている

 アナトミートレインやキネティックチェーン、joint by joint など身体の繋がりについての重要性を多くの人が理解していると思う。今回はその『身体のつながり』についてのお話しだ。今回参考にするのは”足の筋群のアクティベーションと股関節外転筋群の関わり”についての研究だ。これは股関節の筋力と片脚立ち時の足の機能の関係性について記載している。
#アクティベーションとは ? よく目にすることもあ

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『痛み』についての考察(2/2)

『痛み』についての考察(2/2)

4、脳はたびたび身体が危険だと”思い込む” これは極端な例だが、幻肢痛は聞いた事あるだろう。四肢のいずれかが欠損した状態で痛覚シグナルを送れないにもかかわらず欠損部位に痛みを感じるものだ。これは脳マップの感知領域(ペンフィードのホムンクルスの図)にまだ欠損部分の感覚野があり近くの神経活動と混同して痛みを誘発する。そしてこの幻肢痛、四肢が欠損しているにも関わらず患者は驚くほど鮮明な痛みを感じる。

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『痛み』についての考察(1/2)

『痛み』についての考察(1/2)

 今回は『痛み』について少し詳しく考えようと思う。我々治療家はクライアントの痛みを取り除く事を生業にしている。フィジカルトレーナーは選手が強く、ハイパフォーマンスを出しなおかつケガをしないようプログラムを構築しサポートする。

 我々は『痛み』のスペシャリストにならなければならない。以前『こり』について簡単な記事を書いた。

 これは非常に簡単な日本で一般的に知られている痛みのメカニズムを書いてい

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筋肉が張っている、とは?

筋肉が張っている、とは?

 『張り感』とは何か? この問いに答えるのは難しい。

 それは、可動域が足りないことなのか?

 それは、動くときに余計な力が必要なのか?

 それは、筋肉が硬くなって全く緩んでくれない状態なのか?

 それは、緩んでいるのにはっきりしない違和感なのか?

 それは、痛みまで行かない不快感なのか?

クライアントにこんな人はいないだろうか

例えば・・・ハムストリングの張り感

* 床に手が付く

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全集中の呼吸

全集中の呼吸

 最近爆発的人気の『鬼滅の刃』。若い子から大人まで多くの方に支持されている大人気漫画だ。

 そして今世間を最も騒がせているコロナウイルス。呼吸器疾患のパンデミックで大事になってくるのが呼吸をしっかり行えるか、である。

 今回は『呼吸』についてお話ししよう。

 作中で主人公の少年は鬼👹と闘うために自分の身体能力を飛躍的に向上させるために使う技、全集中の呼吸。

 これ実は一般の人やアスリート

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肩こりの"こり"って何?

肩こりの"こり"って何?

 今回は『こり』について。皆さんは『こり』って何か説明できるだろうか。

 そして、なぜ『こり』は出てくるのか。

 
 我々は筋肉の硬さを取る事でメシを食っているのだ。メシを食って行けるために『こり』についてしっかり学んで貰いたい。

 よく見かけるメカニズム的な物は下図の様なものだろう。

 大雑把に分かりやすいとこの図さえ覚えれば完璧だ。ただ、我々はこの『痛み』や『こり』でメシを食う。ここは

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