「具体と抽象」の概念を仕事に生かそう
みなさんこんにちは。Product divのUIデザイナーの佐藤です。
暑くなったと思ったらまだまだ気温が上がり切らず、梅雨前の気候を感じますね。
最近、こちらの本を読みました。
「具体と抽象」というその名の通り、「具体」と「抽象」という言葉を取り扱い、その概念を整理するような内容でした。
読んでみると、仕事上でこれらの概念を意識することで、やりやすくなったりモヤモヤがクリアになることがあるな〜と感じたので、シェアします。
具体と抽象について
「具体」と「抽象」は、それぞれ以下の特徴がある相反する概念です。
(ぼんやりした言葉なのでわかりづらいかもしれませんが、気になった人は本を読んでみてください)
今回本を読んで、仕事において「抽象と具体」を意識すると良いなと思うポイント3つに気付くことができました。
① 「抽象」と「具体」の尺度は相対的(人による)であることを念頭におく
あらゆる判断・事象・場合に「具体性・抽象性」が設定できますが、そのレベル感・スケール感は人によって感覚が異なります。
「絶対的な抽象」や「絶対的な具体」は存在しません。
例えば、上司と部下で、仕事の目的やアウトプットの認識がズレていた経験はありませんでしょうか。
部下は「仕様書のレビュー」が目的だと思っていたけど、上司はあくまでもそれは手段だと思っていて、本当の目的は「投資の意思決定をするため」だと考えていた、などです。
目的と手段の関係も相対的に捉えることができ、これは仕事の捉え方の「抽象度(具体度)」が異なるために起こる認識相違であると説明できます。
他にも、「議論が噛み合わない」という状況に遭遇するかと思います。
この理由は様々考えられますが、おおよそは話し手同士の「その議論の抽象度認識(および具体度)の不一致」が原因です。
物事に対する「抽象度・具体度」の捉え方が異なる、という前提を意識下に置いておくと、他者とのコミュニケーション上のズレの原因を考えやすくなりそうだなと感じました。
②「抽象と具体の行き来」で話が上手くなる
最初に挙げていますが、抽象化の特徴として「パターン認識をする」というものがあります。
私は話があまり上手くない自覚があるのですが、話の上手い人は「たとえ話」が上手い人が多いと感じます。
よく、スッと同じカテゴリの事象を脳内検索できるな〜と関心することが多いです。
たとえ話が上手い人は、世の中の具体事象同士の共通点および相違点を見つけ出すのが上手いです。
そしてこの力は、「抽象と具体を行き来することが上手い」と言い換えられます。
私と同じように話下手な人は、物事を捉える時に、共通点や相違点を整理する癖や訓練をすることで、もしかしたら話が上手い人になれるかも?
③ 仕事の価値観と自分の適性を「抽象・具体」の観点で把握する
世の中のおおよその仕事は、「抽象から具体への変換作業」であるといえます。
おおよその企画や戦略がまず立てられ、それが詳細な計画になり、最後は具体的に実行されたりものが作られたりします。
そして、世の中の多くの職種は、「抽象」寄り、または「具体」寄りのどちらかの仕事を主に担当するものが多いのではないでしょうか。
「抽象」寄りだとマーケター、コンサルタント、ストラテジストなどで、
「具体」寄りだとエンジニア、イラストレーター、イベントの実行者、製造責任者などが当てはまるでしょう。
それぞれの職種は、「創造的な企画を立案できる」や「効率的に質の高いモノが生み出せる」など、「抽象が得意」「具体が得意」がそれぞれのスペシャリティであり、特徴なのだと思います。
みなさんはそもそも、「抽象的概念」と「具体的概念」のどちらを扱うのが得意でしょうか?
ほとんどの人は後天的な訓練でいずれの概念も扱うことはできますが、得手不得手があると思います。
ちなみに私は、昔からよく細かいところが気になる質でしたので、「具体が得意」なのだと思っています。
個人的にデザイナーは「抽象と具体を行き来する」ようなポジションだと捉えていますが、UIデザインやグラフィックなどのアウトプットはまさに「具体」の仕事なので、それなりに適性の高い仕事に就けていると感じています。
仕事が「抽象・具体」のどちらの概念を主に扱うのか、そしてご自分の「抽象・具体」に対する得手不得手を把握すると、自身の仕事に対する適性を判断できるかもしれません。
最後に
以上、「抽象」と「具体」の概念を仕事に生かすポイントをご紹介しました。
この「抽象と具体」という概念自体は「抽象的」なレイヤー=汎用性の高い話だと思います。
仕事以外にも「こんなところにも抽象と具体の概念が!」と考えること自体が、「抽象と具体を行き来する」訓練になりそうだななんて思います。笑
ぜひみなさんも意識してみてはいかがでしょうか。
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