地域に価値をつくりだそう By Leaps

農業コンサルティング会社を起業して来年で20年。北海道で農産物や地域のブランディングを…

地域に価値をつくりだそう By Leaps

農業コンサルティング会社を起業して来年で20年。北海道で農産物や地域のブランディングを中心に仕事をしています。 他にロボットベンチャーや非営利法人の経営をしています。趣味はゴルフ。技術士(農業部門/農芸化学・土壌) 株式会社リープス:https://leaps.jp/

最近の記事

農業技術の進化が食糧増産をもたらした。

世界の科学技術の発展は、18世紀後半から19世紀の産業革命以降、急速に進みました。産業革命では蒸気機関が発明され、その動力を用いて機械を動かすことができるようになったことで、これまで自宅の工房で職人さんが手作業でものづくりをしていた「家内制手工業」から、資本家が工場を建設し、そこに作業者を集め、機械を使って、製品を安価に大量に生産することができる「工場制機械工業」が急速に発達しました。その結果、経済が発展し人々が豊かになりました。都市部や工業地帯で人手不足が起こり、農村部から

    • 価値観に寄り添い共感すること

      札幌もこのところ急に温度が上がり、ランチに事務所の外に出るとコートを脱いで、真新しいスーツを着た新入社員らしき若者たちを多く見かけるようになりました。 希望と不安で胸を膨らませて入社した会社も、2週間も過ごせば不安の方が大きく感じる時期だと思います。今は何もわからず、上司や先輩の言うことを聞いて仕事に取り組もうとするも、失敗ばかりで自信を失い、不安に感じているのではないでしょうか? 自分では精一杯やっていても失敗してしまうのは、仕事に対する「価値観」が自分と組織、あるいは

      • 一次産業と地域ブランド

        地方では農業や漁業などの一次産業が基幹産業のところが多く、一次産業に関連する事業、産業に従事する人も当然多くなります。地域の人口を維持して地域の経済を維持するためには、一次産業と地域が一体となったブランディングが必ず必要になります。 特に最近ではふるさと納税などの制度で全国から寄付が集まり、その資金を元手に行政も地域の福祉や教育、新たな事業作りをすることができます。ブランディングは地域のふるさと納税を集めるための仕掛けでもあります。 僕は農協や役場の勉強会などで講師として

        • 新年度を迎え、リープスは22期目に入りました。

          2024年度(令和6年度)が始まりました。 株式会社リープスも22期目が始まりました。起業して21年目の春です。 当たり前ですが、起業した時は30歳代半ば、体力も気力も有り余っていました。引き合いがあればすぐにどこにでも行ってました。経験や知識は今から思えば全く足りていなかったのですが、行動力は今の10倍はありました。 それから20年ちょっとの時間が経って、50歳も後半、いわゆるアラカンの年代になりました。起業当時は赤ちゃんだった子供もすっかり大人になりました。コロナ禍で

        農業技術の進化が食糧増産をもたらした。

          農家戸数の減少への対応

          日本の農業者人口は1960年ごろには600万人もいました。60年経って2020 年には最近の数字では174万人と1/3以下に減少しました。農研機構の予測によれば2035年には、さらに1/3の64万人にまで減少するとしています。 今回は、農家戸数が減少する中で日本の農業がどうなっていくのか考えてみたいと思います。 いうまでもなく農業は国民の食を保障するための重要な産業です。国が主導して農業という産業を管理し、国民の生命をまもるために計画的な食料生産を実行していかなければなり

          過去記事の掘り起こしについて

          【お知らせ】 僕が起業した2003年ごろは、ようやくインターネットへの常時接続が始まった頃で、NTTがADSL回線を売り出していた頃だったと思う。それまでは、電話回線経由でインターネットに接続するので、ダイヤルアップといって、そのたびにアクセスポイントに電話をかけていました。パソコンのスピーカーから"ピーヒョロヒョロ〜"という音がして、しばらくしてからパソコンの画面にゆっくりとテキストや画像が表示されていました。 その頃になると「ブログ」というのが普及しだして、プロバイダ

          過去記事の掘り起こしについて

          農業基本法改正

          政府は昨日(2月27日)改正農業基本法を閣議決定した。その内容は下記の通り。背景に書かれている通り、「世界の食料需給の変動」、つまりロシアとウクライナの戦争やイスラエル紛争など世界各地で戦争が始まったり、中国が日本産の水産物を輸入停止にしたり、台湾あたりで有事の可能性が高まったりして、食料の多くを輸入に頼っている日本は食料を外国から調達できなくなるかもしれない。ということである。 加えて、近年の気候変動で、これまでとれていたものが不作になったり、洪水などの甚大な被害を受ける

          定年クライシスのおじさまたちへ

          1989年の大納会につけた日経平均の最高値を、この2月22日に34年ぶりに更新した。この30年間は「失われた30年」と言われていて、日本全体がデフレに喘いでいた。ロスジェネ世代は景気が良い時代を経験したことがなく、景気が良いということがわからないのかもしれない。 かくいう私は、バブルの絶頂期の1990年に大学を卒業し、何の苦労もない就活を経てゼネコンに入社した。当時の大卒初任給は18万円だった。最近まで、ほとんど変わっていない。地方の中小企業だと、大卒に18万円も払えないと

          定年クライシスのおじさまたちへ

          サモアのプロジェクトが完了しました。

          2019年から一般社団法人 The Earth Cafe で実施していたJICA草の根技術協力事業によるサモアで活動が今月で完了しました。 事前の調査などを経て、事業を開始したのは2020年の春でした。 しかし、その頃はちょうど新型コロナが世界的なパンデミックとなり、海外渡航ができなくなりました。スタートダッシュで出鼻を挫かれた格好になりました。 そこで、オンラインを中心に事業を進めましたが、技術を伝えるのはオンラインでは難しいところがあります。 じっとコロナ禍が去り行くの

          サモアのプロジェクトが完了しました。

          スタートアップへの投資が盛んに行われていますが・・・

          新興企業は、かつては「ベンチャー」と呼ばれていましたが、いつしか「スタートアップ」と呼称が変わりました。スタートアップはベンチャーよりもイノベーティブであって、短期的に成長してIPOを目指すという内容で、ベンチャー企業の一形態という定義とのことです。 僕も、以前から起業していたこの会社(リープス)の開発案件であった、農作業用アシストスーツを新たなマーケットに投入しようと、新たにスマートサポートという会社を2008年に立ち上げました。 アシストスーツ、開発した商品はスマート

          スタートアップへの投資が盛んに行われていますが・・・

          農業コンサルティング会社を起業して20年、関係者の皆様には深く感謝いたします。

          株式会社リープスの決算は3月末、今日から新年度の営業がスタートしました。 会社の設立日は4月22日なので、もう少し先なのですが、今日から第21期です。 まだ、もう少し仕事は続けていくつもりですが、クライアントや関係者、経営者仲間の皆さんには感謝申し上げます。 20年前の会社設立時には、農業関係でモノを売らないコンサルティング業は、獣医さんなどの専門家以外はほとんどいませんでした。土壌分析は肥料会社、家畜の栄養計算は飼料会社のサービスの一環としていました。 モノを売らずに農

          農業コンサルティング会社を起業して20年、関係者の皆様には深く感謝いたします。

          DXで農業革命は起きるか?

          DX(デジタルトランスフォーメーション) という略語を数年前から聞くようになりました。これはデジタル技術を用いて、業務、仕事などを変革しようという意味であり、いわば、デジタル革命といえます。 デジタル革命を起こすためには、事前のデジタルインフラが必要になります。全てをデジタル化することを、デジタライゼーションといいます。これは、フィルムに焼き付けて撮影するアナログ写真から、デジタルカメラ(デジカメ)に移行したことで理解できるでしょう。 合わせて過去のアナログデータを全てデ

          DXで農業革命は起きるか?

          有機か無機か・・・(1)

          ブログもずいぶん長く続けていますが、反響がありそうな話題というのがあって、そのひとつが「有機か無機」かというテーマです。 有機農業とか有機農産物といったパワーワードへの反応が多いように思います。 そもそも農業における有機とか無機って誰のため、なんのためのものなのでしょう。多くの人は、なんとなく、有機の方が良さそうというイメージ先行ではないでしょうか? 農業、とりわけ施肥技術的に考えた場合、有機の反対は無機ではなく、慣行となります。普通に化成肥料も農薬も使う農業です。堆肥な

          有機か無機か・・・(1)

          年頭に想う

          すでに新しい年となって1週間も経ちましたが、みなさま、明けましておめでとうございます。 ところで、2023年は当社(リープス)の設立20周年の年です。 自分でも驚きの社歴です。 今から20年前、起業した当時、勤めていた会社を辞めたのが2002年の7月、それから10ヶ月ほどブラブラしてから起業を決意し、2003年4月に会社を設立しました。 「起業を決意」と書いたものの、それほど大袈裟な感じではなく、大学卒業後に大企業(当時)に就職し、その後、地方の中小企業に転職してみたも

          今年も1年お世話になりました。

          noteを書き始めて1ヶ月程度ですが、年末のご挨拶の時期になりました。まずは、今年1年、皆様にはたいへんお世話になりました。 ブログは2005年ぐらいからワードプレスで構築しているオフィシャル・ウェブページに書いていますが、どうやらnoteの方が使いやすい。というか、更新頻度も上がるのではないかと思い、まず、noteの方に記事をアップしています。同じ内容のものをオフィシャル・ウェブページの方にも上げるようにしていますが、場合によってはnoteだけの記事もあるかもしれません。

          今年も1年お世話になりました。

          地域ブランドは既に存在している。

          地域ブランドや地域共通の産品のブランド化には、利害関係者が複数存在することになります。地域であれば、役場や事業者、観光協会や農協、住民などです。産品だと生産者や農協、小売店、レストランなどがあるでしょう。 利害関係者はそれぞれ立場が異なるため、ブランド化によって地域や産品に付加価値をつけることについては大筋での合意はできますが、ブランドの運用方法を細かく決めていくところで利害関係がぶつかり、合意形成には時間がかかります。 例えば、ブランドの立ち上げ時には産品の商品名や地域

          地域ブランドは既に存在している。