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【本紹介】イスラム理解の入門書!!現役史学科大学生のオススメ本とは?

8月に入り、いよいよ私たち学生は夏休みを迎えましたね。
夏休みは時間がたくさんあるので、本紹介などの記事も増やしていこうかな…と考えています。
ということで今回は、久しぶりに私のオススメの本を紹介させていただきます!

今回私が紹介したい本は・・・
「となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代」という本です。

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本のタイトルにもある通り、これから世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代が到来すると言われています。
人口的に言うと、世界約77億人のうちの15~16億人の人がイスラム教徒になる…ということですね!

しかし時代の進化とともに、イスラム過激派組織のようなテロ集団が出てきたり、それをアメリカがチカラで押さえつけようとして政治が荒れてしまったり・・・
イスラム教徒が増えている世の中だからこそ私たちは地球人として共存していかなければならないのに、お互いを理解出来ていないことが原因で多くの弊害が生まれてしまっているのです。

せっかくの長期休みなのでこういった、「少し難しそう・・・」と食わず嫌いしてしまいそうな本にチャレンジしてみませんか?
とっても読みやすい文章でまとまっているので、スラスラ読み進めることができます。
今回の記事では、この本の注目していただきたい魅力について書き記していきますので、しばしお付き合いください!

1.日本人が気になる疑問をピンポイント解決!

この本には、「日本人が気になる12の疑問」という章があるのですが、このパートが驚くほどわかりやすいんです。
主に、日本には無いがイスラム圏では当たり前とされている文化の違いについて書いてあるります。

例えば・・・

一夫多妻制は本当なの?
同性愛は禁止なの?
モスクって教会みたいなもの?
ヴェールはなぜするの?

といった感じで、これらが項目として小分けされ、スッキリまとまった説明が書かれているのです。
試しに「一夫多妻制は本当なの?」の項目を引用してご紹介します。

一夫多妻制。これはイスラムの象徴のように語られるもののひとつですが、たしかに『コーラン』ではこの一夫多妻制が認められています。/162ページ

しかしこれには条件があるようで・・・

現実には、『コーラン』の章句でさえ、自分に都合よく解釈するイスラム教徒がいるのです。
重要なのは、妻を複数もつなら「平等に扱え」というところです。
/164ぺージ

ということで、「イスラムの一夫多妻制は本当」ですが、その場合「妻を平等に扱わなくてはならない」という謎多きイスラムの一夫多妻制をいとも簡単に知ることができるわけです。
引用されれている該当ページを見てみても、数ページでまとまっているのがわかるのではないでしょうか?

先ほどあげたいくつかの疑問の中に自分が気になる疑問がありましたら、それだけでもうこの本を手に取る価値があると思いますよ。

2.政治から文化まで、幅広い内容を簡単理解!

コチラの本は、本の最初と最後で政治の話があり、その真ん中に文化などの内容が易しめなわくわくする話を挟むという構成で書かれています。

なのでまずはイスラム初心者が楽しみながら理解しやすいであろう、文化の話から紹介したいと思います。

少なくとも、ヴェールをかぶっているひとをじろじろ見てはいけません。ですから、異性には「にこっ」もなしですよ。
日本人や欧米の人たちと違って、夫婦の絆はうまくいっているかぎり、おそろしく強いですから、ほかの男が微笑んだだけで、性的に誘ったと受け取られます。
/93ページ

…目からうろこの新情報ですよね。
この本を読んでいると、本当に発見がたくさんあります。
今の日本に欠けている部分や、イスラムに欠けている部分も見つめなおすことができるんです。

次に政治についてですが、これを引用するとかなり長くなってしまうので、簡単に紹介させてください。

簡単な内容ですと、「なぜ宗教の話をするのがタブーなのか」「なぜここまでイスラム教徒が増えたのか」などを政治に絡めながら書いてあるのです。

難しめの内容ですと、「サイクス=ピコ協定について」「カリフがいないとどういう問題があるのか」などについて書いてあります。

私は個人的に、イスラム初心者の方は、頭から順番に読んでいくよりも、まず文化の話を読み、イスラムについて理解を深めてから政治の話を読んでみるという進め方が良いと思います。
なにはともあれ、ご紹介させていただいたように、内容の幅がひろいので多方面からイスラムを勉強することができますよ。

3.共存していくために詰め込まれた知恵が満載!

最後に、コチラの本のとっておきの魅力を紹介してこの記事を終わりたいと思いますので、あと少しだけお付き合いください。

とっておきの魅力・・・それは、「私たちの身の回りの場面を取り上げて、イスラム教徒と共存するヒントやアイデアをたくさんプレゼントしてくれる」という点です。

ここでひとつ、同志社大学が、イスラムの人々のためにメディテーションルームというお祈りの場所を作った例をご紹介します。

このお祈りのための場所が大学内に設置されたにも関わらず、イスラム教徒たちが困ったのは、「お祈りの前にしなくてはならない体(手や足、開口部など)の清めを行う場所がない」ということだったのです。

そこで同志社大学がどのように対応したのか・・・それは引用して紹介します。

当時の国際連携担当副学長に相談すると、多目的トイレの低い位置に、マンションのベランダなどにあるガーデニング用のシンクをつけることにしてくれました。そのシンクに足を突っ込んで洗えばいいわけです。
/127-128ページ

なんとイスラムに寄り添った解決策なんだ、と私は最初に読んだときに感動しました。
この後さらに、シンクの周りが水浸しになる問題が起きるなどしたのですが、次はイスラム教徒側がこの問題に対応していくなどして、相互に理解を深めていくという内容が書かれています。

大事なのはイスラムに対する完全理解ではなく、「素直に相手に向き合うこと」なのだと気づかされますね。


いかがでしたか?
この記事だけでも少し、イスラムという異文化を理解することに興味が湧いたのではないでしょうか?

私は大学の専攻学科で、「異文化が衝突しないで共存していくにはどうした良いか」についていつも考えています。
こういった本を読むと、さらにイスラムのことだけでなく、ヨーロッパのことや自国のことについても理解しなくては、と思わされます。

このような本や、そうでない本でも、またオススメしたい本を見つけることができたら、こちらのマガジンに更新していく予定ですのでこれからもよろしくお願いいたします。

最後までよんでいただき、ありがとうございました!

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