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懐古?回想?

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#作文

となりとなりけり 

となりとなりけり 

少し 少し? 思い出してみる 思い出を
告白 告白? 君にしたっけな してないか

カーテンを閉めようとすると
聞こえて来る君の連弾
もう宿題を終えたんだなって
慌ててノートを広げる僕

壁を相手に球蹴りをすると
今度は君がカーテンを閉める

好きなものが違うのに僕らはなぜ
見つめあったんだろう
いちばん近いのが君だった
今やっと言うよ 運命にありがとうって

となり となり? 知らないよ 知って

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冬の嵐とノイズキャンセラー

昨日に比べて気温が下がらないのは、
土砂降りという言葉ですら足りないほど
激しく殴りつける冬の嵐のせいなのか。

厚着をして家を出たことを悔いながら、リュックを胸元に抱きかかえ、役に立ちそうにない傘を進行方向に大きく傾け、身を縮めて潜り込み、駅を目指す。

誕生日のプレゼントで貰ったAirPodsをポケットから取り出して耳につける。スマホに接続した途端にノイズキャンセラーが作動する仕組みだ。

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A live entertainment will changes our life while we live.

A live entertainment will changes our life while we live.

耳鳴りが酷い。

切れる前の蛍光灯のような音が右耳から聞こえ、
大きなクラクションを鳴らされた後に世界が包み込まれるような音が左耳を覆い続ける。

もう間も無く耳が聞こえなくなるのではという不安と、いっそ無音になってくれないかというストレスとが交互に脳裏でループする。

・・・。

気づくと自分は睡眠中だった。
瞼を開け、変わらぬ症状にうんざりして起き上がった。キッチンでコップ一杯の水を注ぎ一気に

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追懐ひとりたび

追懐ひとりたび

初めての一人旅を追懐しよう。

それは僅か1時間半の旅だったのだが、小学3年生の夏休み、初の一人フライト。母の故郷、別府にある従弟の家に滞在した時、私は母に駄々をこね、一人で帰ることを約束して母を先に帰らせた。毎日温泉に入り、真っ青な海で遠泳し、深い緑に覆われたダムに忍び込み魚釣りを楽しんだ。

大分空港には親戚が見送りに来てくれた。みんな笑顔だったが私だけが泣いていた。「泣かんと。乗ってしまえば

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