藤井風はいつだって、LOVE ALL SERVE ALL
2022年3月23日 藤井風 2nd ALBUM 『LOVE ALL SERVE ALL』リリース決定!のニュースと共に、風さんお気に入りのアー写が公開になった。
セカンドアルバムのタイトル”LOVE ALL SERVE ALL”ってどうい意味だろう。字面だけみると敬愛みたいな意味かな…。アルバムには『へでもねーよ』『青春病』『旅路』『きらり』『燃えよ』他6曲収録されるらしい。
でも、敬愛だとこの5曲と繋がらない…。きっと意味があるに違いない。
早速調べてみた。
んん?
分かったような分かんないような…。いやワカラン!
奉仕とそのしっとりと赤くギラついたシャツは真逆なのでは…。
『燃えよ』や『へでもねーよ』と赤いシャツは、なんとなく繋がるけど、奉仕とはどうやっても繋がらない。
" LOVE ALL SERVE ALL "の意味って…、何だ?
HELP EVER HURT NEVER
" HELP EVER HURT NEVER" は1stアルバムのタイトル。おとんの口から聴いた言葉と、風さんは言っていた。元を辿ればサイババ氏の言葉で、" LOVE ALL SERVE ALL "もそうみたい。
海外だと、看板に" HELP EVER HURT NEVER"とか" LOVE ALL SERVE ALL "とか書いてあって、それがTLでまわってきたりもするので、実は馴染みの言葉だったりするのかな?
どのみち、文化圏も違うし、元ネタがサイババ氏の言葉なら、インドで国葬までされた宗教の真理を説く者の言葉だ。神髄を理解できなければ、きっとこの言葉の意味も分からない。
と言ってもなぁ…ネットで調べてみたけど、一行目でギブ。これは難しそう…。しかも…英語ですらないのもあるやないか。
彼女 に尋ねてみようかな。
彼女が、その宗教と身近な所にいると知ったのは、Duranさんのタトゥーがきっかけ。
手前:Duran、奥:藤井風(敬称略)
わしは、Duranさんの腕のタトゥー写真を見て「マイケル・ジャクソンと音楽と芸術を司るヒンドゥー教の女神、サラスヴァティかな…」とのtweetをした。それをみかけた彼女は、
「👍 サラスヴァティだよ」
とDMでそっと教えてくれた。
彼女以外の家族は全員ヒンドゥー教を信じていて、Duranさんの腕のタトゥーをみてサラスヴァティとすぐ分かった様。でも、彼女はヒンドゥー教徒ではない。家族のことだから…とリプじゃなくてDMにしただけだよ~!と絵文字混じりで明るく話してた。
ふと、明るい絵文字とは裏腹に、誰かも知らん人の、笑っているのに、どこか悲し気な顔が頭をよぎった。…わしは、彼女に会ったことがない。
(1stアルバム" HELP EVER HURT NEVER" のリリックブックの最後には、風さんが祈る姿の写真がある。毎日祈っているという風さんの祈る姿は堂に入ってる。信念をもって行動してなければ、ここまで様にならないと思う。)
Duranさんのタトゥーのやり取りがあった、随分と後だけど、彼女は HELP EVER HURT NEVER の本来の意味合いについてtweetしていた。
地に足の着いた言葉だった。宗教がとても身近で、生活の一部である彼女だから言えることなのだな…。
LOVE ALL SERVE ALL
そんなこともあって、" LOVE ALL SERVE ALL " のニュアンスについて彼女に尋ねることに。わしは、宗教的にはどんな意味合いになるのか、を知りたかった。
「すべての人を愛し、すべての人に奉仕する。」だけでは、何ていうか、リアリティを感じないんだ…。
その返事はこう。
そういう場所に行き、野生動物に餌をあげてるから、これもseva?
風さんから食べ物もらって鹿さんの幸せが広がってるようにみえる。
「 all 」の概念を読んでとても驚いた。
日本の「皆」には、自分は含まれて無いような気がする。「自分」と「皆」と隔たりがある感じ。特に「さま」を付けて「皆さま」とすると、自分は一歩下った所にいる感じだ。
なんというか、日本人の感覚として、個より 社会(全体= all )が優先 という意識が根底になんとなくあるような気がする。個が消えているというか…。無意識のうちに、自分を 後回し にする感覚。
でも、彼女からきいた「 all 」の概念には、自分がしっかり存在している。人(自分)の中に神がいるという考え方は、自分自身を自分がリスペクトしてるという事に繋がると思う。自分を大切にしている感覚が、根底にあるように思えた。
自分を中心として、広がる。
そうする動機が「愛」ならば、広がるのは「愛」
昨年11月頃のことだけど、わしは『燃えよ』CMのナレーションを英訳しようとしてた。最初の「自分らしさって、なんだ?」を訳すとき、これは、風さんの言葉だから、風さんだったら…ていうのを踏まえて考えていた。
( ↑のYoutubeの動画 : Fujii Kaze + Google Pixel 「STEP CM」は公開期間終了で見れなくなりました…)
うまく言葉にできないけど、風さんは、風さんと風さんの周りの人に優しい世界に居るなぁと思った。
それでもって、この世の中は個の集まりだから、個人個人が自分と自分の周りに優しくなれば、そういう人がどんどん増えれば、HELP EVER HURT NEVER な世の中になるのだな…と。
それは、自分だけのことを考える自己中心でもなくて、日本人にありがちな自己犠牲でもなくて、自分と自分の周りの世界、自分を中心として広がる 感じだなぁと。
だとすると、「自分らしさって、なんだ?」の「じぶんらしさ」のニュアンスにあう言葉が見つからない…。
結局、自分なりの答えも見つけられず、英訳を考えるのはひとまずやめにした。
まさか、ここで繋がるとは。
風さんの伝える力ほんとに凄い。
風さんをみてて思ったことが、別なところで、ストンと腑に落ちることになろうとは…。
all の概念と seva をくっつけた言葉 " serve all " は 、まさに 自分を中心として広がるイメージ で、鳥肌がたった。
2021年5月21日に公開された『きらり』MV。苦悩し日々の生活に追われている?道行く様々な人々が、徐々に風さんと踊り出す。MVの為わざわざバイクの免許をとって、何かを突破して自由に走り去る。そんな様をみて、自ら動くことを選んで、解放されたんだなと思った。
解放 は" HELP EVER HURT NEVER"のテーマ。と風さんは言っていた。
普段の生活において、誰しもが苦悩するし、日々に追われてしまう事もある。学校に通う学生さんや、趣味に没頭して楽しく過ごしている人もいる。そんな普通の人達が、徐々に踊り出す。風さんと一緒に。
風さんを中心として、風さんの音楽" HELP EVER HURT NEVER"が広がっていくイメージを強く持ったのだと思う。
実行することに意味がある
続いて、彼女はこう教えてくれた。
実行することに意味があるだって?
自分らしく『燃えよ』じゃないですか…。
燃えよは英題で『MO-EH-YO (Ignite)』。Igniteには「点火する」という意味がある。燃えよは、心の灯に火を点けて、動き出せ!と伝えたい曲だと、わしは思う。つまり「行動せよ!」なので、思い描いていることを「実行せよ!=action」とも言える。
この民族衣装みたいなのは、風族の王様のイメージなんだとか。それを知った時、この『燃えよ』MVは、自分という王国の王になれ!と言いたいのかなと思った。族っていうと小っちゃい集落っぽいけど、規模が大きければ、もはや国ですよね。
何事も、バランスが大事
" 世話 "には、保護と命令の意味合いがあると、福沢諭吉先生が『学問のすゝめ』で言っていた。
保護はそのまま「護ること」だけど、命令は「相手のことを思って心の丈を尽くす」という意味合いがあるらしい。そして、どちらかが多すぎると問題がでてくるけど、よいバランスであるとすこぶる良い結果となるという主旨だったと思う。
嚙み砕いて言うと "世話" は、「護ること」と「行動すること」のバランスが大事ということですよね?
「護ること」と「行動すること」のバランスを意識して、今現在、リリース済みの、その他3曲のMVも観て見た。
『へでもねーよ』は今の苦しい状況をどうやって打破するのか?について歌っていると、わしは思ってる。怒りで身が震えてしまうような事でも、誰かに怒りをぶつけていない。とても不毛なことなのかもしれない。それでも挑み続ける原動力になってるのは、守るべき愛(大五郎?)。
2018年の藤井風。四年前の自分は自分の道を探してて、四年後の今もまだ…との言葉を添えて。撮影場所は、今はもう閉店してしまった実家の喫茶店『ミッチャム』
「秘密は隠せるけど、郷愁は隠せない。郷愁をみればその作家が分かる(要約)」とフランソワーズ・サガンの言葉があるのだけど、『青春病』も『旅路』も 郷愁 が色濃く出てると思う。郷愁は、故郷で過ごした日々のことを懐かしく思ったり、「ああ、もう一度あの頃に戻りたい…」と焦がれたりする気持ちのこと。郷愁をみれば、何を見て、何を経験して、何を思ってきたのかがなんとなく分るね・・・確かに。
『青春病』も『旅路』も、風さんが今まで生きてきた、そのまんまがでてるのだなぁ。重ねて、重ねてきた日々があるから今がある。
今まで頑張ってきたあなたを、優しく包み込むし、
今、頑張ろうとしてるあなたを、優しくいざなっている。
『旅路』については下記の記事でも書いてます。
「 世話 = seva = servev 」で、世話は「護ること」と「行動すること」、どっちかが多すぎても、どっちかが少なすぎてもダメだという。風さんの曲は、そのバランスが絶妙だなぁ・・・。
なんだか、とてつもなく深い所で " LOVE ALL SERVE ALL " とリリーズ済みの5曲が繋がった気がした。
アルバム収録の未発表6曲は、どんな曲になるのだろう…。
3月23日が待ち切れなくて、胸が張り裂けそう。
He drives your life.
彼は、あなたの人生を突き動かす(元気にさせる)。
時には護り、時には促す。
「原動力」「突き動かす」といった意味の英語を探していたら、「drive」がでてきた。「運転する」という意味ぐらいしか知らなかったけど、後ろから押し出す動作の意味で「推進する、活発にする、駆り立てる、突き動かす」にもなるのこと。
『きらり』は Honda VEZEL のCM曲だし、ドライブにぴったりだし。そう思うと『きらり』はドライブ曲でもあり、人を元気にさせる「drive」なのだな。
He drives your life.と添えて、イラスト↓をtweetした。
風さんのデビュー2周年の日、2022年1月24日に。
本来なら、お祝いっぽい絵が相応しいのだと思うのだけど、ちょっと変なのがいても大丈夫やろ・・・と。
風さんの誕生日の3日前、2022年1月21日に ”LOVE ALL SERVE ALL”の2ndアルバムタイトルを知った。新しいアルバムがでる!と喜びもつかの間、赤いシャツの写真と、その日に描き終わったばかりの自分の絵との印象が違い過ぎて…「どうしよう、真逆じゃないか。」と困惑する気持ちでいっぱいだった。
描きなおそうか…。とも思ったけど、今、感じていることは今しか描けないと思って描いた絵だ。本当に真逆なんだろうか。
彼女に" LOVE ALL SERVE ALL "の意味を教えてもらって、自分なりに納得できた。
真逆というより表裏一体?対というか。どっちもわしにとっては風さん。
それに、大事なのはバランスなんだもの。
自分が、絶対こうだ!と思っていても、
自分と真逆の考えを持っている人は 必ずいる。
それは、ファン同士の考えの違いであったり、
悪意を感じるような人からの言葉だったりする。
もしかしたら、今までとても仲良くしてた身近な誰かからの「あなたのことを思って心の丈を尽くした」言動なのかもしれない。
そんな時、心の内にあるのは
怒りや不安、混乱であるよりも
愛 であって欲しいなぁ…と思う。
自分と真逆の意見が 必ずある と分かっていれば、それは 備え になる。備えがあれば、 憂いはない。(と思いたい)
怒りで身が震えてしまうようなことがあったとしても、
言葉に惑わされ、不安や焦りを感じてしまっても、
今まで普通に話していたのに、なぜ、突然そんなことを言うのか?と混乱で頭がいっぱいになってしまったとしても、
「余計なお世話だわ!」と
(世話がこうなっちゃうのはバランスが偏てるってことだと思う。相手へ伝えたいという自分の気持ちがが大きすぎて、相手への配慮が少ない言動だったのかもしれないし、その逆で、その人を擁護しすぎで「私は絶対に間違っていない」と めくら にさせてしまっているのかもしれないね…。)
その感情に身を任せて、行動してしまうより先に、
どうか、心を落ち着かせてほしい。
どうか、どうか。
守って。守りすぎないで。
風さんを、みんなを、
みんなが、みんなで。
できることなら、もうこれ以上、誰も傷つくことがありませんように…。
" HELP EVER HURT NEVER"
自分から 誰かを許して
自分から 誰かの幸せ祈って
自分から 誰かを愛して
自分から 幸せの輪を広げて
風さんは、いつだって、
" LOVE ALL SERVE ALL "
いつも 自分から。
あとがき
2022年2月18日。アルバムのジャケ写が公開になった。
3/11 記事へのリンクを追加しました。
2/19 アルバムジャケット写真と曲名のtweet、本人コメントを追記しました。
2/2 最後の辺りの文章を部分的に加筆しました。
1/31 郷愁についての文章を一部加筆しました。
1/28 内容を大幅に加筆し、構成等を変更しました。
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