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藤井風“Free” Live 2021の『音』を聴いて思った。あの時のあの場所はFujiiKazeそのものだった。


とてつもなく大きなスタジアムの、ちょうど真ん中。
センターサークルのど真ん中。
そこに、藤井風はいた。1台のグランドピアノと共に。


このnoteには、”Free”Liveの音を聴いて、思ったことを書いてます。
セトリやライブで歌った曲については、ほぼ書いていないちょっと変わったライブレポと思っていただけると幸いです。ライブレポを書き終えて感じ取ったもの、見えてきた世界を4枚のイラストにし、お話のような詩を添えました。それは絵本のように思えました。(ラストにあります)

その全てに意味があるんだなぁ…。

by らう♪


メロディー、リズム、ハーモニー。音楽の3要素。
ピアノがあれば、これらを1人で奏でることができる。

ピアノと藤井風だけ。そう銘打たれた“Free” Liveは、ただの弾き語りライブではなかった。

最初このライブを知った時は、特に気にもかけなかった。
『うんいいね。ピアノと風さんとか素敵。』どちらかというとRomanticにとらえてた。

ライブを見終えた今、

あのピアノは、

あの場は、

あの空気感は、

藤井風そのものだ。

と、そう思った。

間も、ピッチも全て風さんから生み出されるもの、そのもの。

誰にリードされているわけでもなく、誰とあわせるのでもない。

あの時、あの場所で、藤井風が感じたGrooveで
指先は、ピアノの弦を震わす。
歌声は、その喉を震わす。

作詞・作曲した曲でさえ、自らアレンジし、
そのアレンジに2度目はなく、
その時でないと聴けないのだ。

弾き語りというより
藤井風という楽器が、ピアノとセッションしていた。


”ただ、ただ、ひたすらに戯れてた。”
藤井風でなければできない光景を、目の当たりにしてしまった。

「藤井風は音楽そのものなんだな。」

目にした光景が、音が、心に響き渡る。



FujiiKaze “Free” Live 2021

動画:藤井風公式Youtubeより『Free”Live』アーカイブ
(2021.09.04 約7万2千人収容の日産スタジアムで行われた1時間だけのピアノと風さんのワンマンライブ。Youtubeでのライブ配信は同接約18万人。本来ならば、皆に「元気になってもらいたい」との気持ちからの招待無料のライブ予定だった。このかつてない状況下で「今年も大会が無くなった…」といった、あるはずだったものが無くなってしまう、理不尽な生活を送らざるおえない子供達を招いての。
オリンピックも開催されたそのスタジアムは、それ同様、無観客での開催となってしまう。晴れを誰もが望む中、天候は雨。「(視聴者に)雨でさえ好きにさせちゃう」と言い切ったそのライブは…。)

動画:藤井風公式Youtubeより『Free”Liveドキュメント』使用曲:燃えよ
武道館ライブドキュメンタリー映像を制作した山田健人監督と、映像作家のエリザベス宮地氏の強力ダッグが再び。このお二人は風さんの実家にもいったし、誕生日もサプライズで一緒にお祝いしてる。(詳細は藤井風公式アプリのStaff Daiary「誕生日の延長戦。」「突然の『旅路』Music Video公開。」を読んでね!)

↑ 山田健人監督のtweet。Freeドキュメントの手持ち花火のシーン↑
 (ダチ山監督は優しさ、キリがないから、へでもねーよ、
旅路のMVも制作している。)

↑ エリザベス宮地氏のtweet ↑
(話し方が風さんみたくポヨポヨしてる。
そのせいかリラックスした、ちょっぴりダラリとした風さんの姿が。)



ライブ音源も ”普通” とは違っていた

ライブでその場にいるときはあまり感じないのだけれど、ライブ音源を音源として聴くときの良さは、やっぱり”生っぽさ”にあると思う。息遣いや会場の物音など。そういう物音がその場にいると錯覚させる。

ライブ音源というと、楽器を床に置く音、観客の話声、咳払いとかそういうその空間での、たわい無い些細な音が良かったりする。今回の“Free” Liveはそういう音はしなかった。

無観客なので当たり前なのだけど、代わりに聴こえたのは、カラスや鳥が鳴く声、ドローンが飛ぶ音、雨がしたたる音、雨に濡れた路面を車が走り去る音。それらは、人も居ず、周囲が静寂に包まれている環境でなければかき消されてしまう音だ。

これらの音は、風さんがデビュー前(11年前から)にYoutubeに投稿してきたカバー動画を彷彿とさせ、「今までの集大成として”Free”LiveをYoutubeでライブ配信した」かのように感じさせた。

観客が誰もいないスタジアムでなく、雨も降らない天気だったら、
そこまでの思いを馳せなかったと思う。



重ねて来た日々は旅路

ピアノは3歳から、高校生のあたりから”歌う人”へ。
幼い頃から、様々なジャンルの音楽と親しみ、時にはおとんと楽曲を分析し、時にはお兄さんや音楽家の皆さんとセッションし、ミュージシャンになる道を選んでからも、重ねて、重ねて、重ねてきた経験があるからこそ、今この”Free”Liveができる、というかできてしまう。深い説得力をもって。

重ねて来た11年はYoutubeで公開され、誰でも観ることができる。
”Free”で!

動画:藤井風公式Youtubeより『Oldest Video (古い順)』
(全105曲の過去投稿カバー動画プレイリスト。小6の終わり頃からの軌跡が追える。お兄さんとのチャンネルsolakaze全138曲もあるよ。)

そう、”Free”Live藤井風でなければできないライブ

今まで生きてきた全てが、今の藤井風を支えている。
その全てに意味があったのだから。


風さんのカバー動画はたくさんあるけど、
中でも今回の”Free”Liveで、思い起こされたカバーが2つある。




夏の終わりと刹那な時

”Free”Liveは夏休みが終わった最初の土曜日に行われた。それは秋というにはまだ早く、夏というには遅い時期。夏の名残をまだ嗅ぐことができる短く僅かな時。
”Free”Liveの最初の曲は『夏の香り』。後に『罪の香り』としてこの世にでた曲だけど、『夏の香り』は夏の残り香がする。

動画:藤井風公式Youtubeより『若者のすべて』カバー
セミの鳴き声は、若者という刹那い時と夏の終わりを歌うこの曲に、とても合っていると思う。花火がドーン!と打ちあがる時のような音の演出(2:12)は心を締め付けた。

動画:Fujifabric公式Youtubeより『若者のすべて』
原曲はとても切ない。同じ「せつないとき」でも刹那い時と切ない時は全く違う。原曲には打ち上げ花火のような表現でなく、もうちょっとソフトというかバンドって感じのタメに(3:43)。その一瞬のタメを、風さんは花火を打ち上げたようなアレンジに。そこにこの音をいれてしまうところが藤井風。
原曲MVではその後に、実は手持ち花火のシーンがチラッとある。



その日は雨が降っていた

動画:藤井風公式Youtubeより『Alone Again』カバー
ちょうど、濡れた路面を車が走り去るような音が入っているのは(1:08)。投稿日は2017年10月15日。当時の岡山(倉敷)の天気を調べるとお昼過ぎから夜まで雨が降っていた。


ライブ後にradikoでラジオ音源(FM802:生中継でライブを放送してた)を聴いたのだけれど、スタジアム近くを通る幹線道路からだろうか、濡れた路面を走り去る車やバイクの音が拾われていた。その音で、ふと思い出したのが『Alone Again』カバー。

『Alone Again』は、突然訪れた不幸と、その理不尽さを歌っている。
あの日の雨は、『燃えよ』や恵の雨にも繋がっているのだろうか。


Youtubeのカバー動画は、部屋の中で録音されていて、車や雨の音、セミの鳴き声などの生活音が入っていて、その生活音は、まるで、その時の心情を映し出しているよう。
蝉が鳴いていたから、雨が降っていたから、この曲を歌い、その時の心模様でアレンジをした…と。
(実際はどうだったのか、いつか本人に訊いてみたい。)


あの時、あの場所で、藤井風が感じたGrooveで
指先は、ピアノの弦を震わす。
歌声は、その喉を震わす。

あのピアノは、

あの場は、

あの空気感は、

藤井風そのものだ。

誰も居なくても、雨が降っていても、あの時のあの場所は藤井風だった。





The Rain あの雨

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If the rain falls into my heart
気持ちに雨が降ってしまう…なら



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Close my eyes, feel my beat, and set me "free".
瞳を閉じて、リズムを感じて、心を"自由"に



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Make it a Blessing rain.
恵みの雨にしちゃいましょ



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↑twitterのリプ欄にて、部分的ですが設定などについて説明してます。
宜しければご一読ください。




FujijiKaze“Free” Live 2021.09.04 at NISSAN stadium ライブレポ

【更新履歴】
2021.10.24 最終章のタイトルを変更しました。
2021.09.13 冒頭「このnoteは~意味があるんだなぁ…。」の部分を追記
2021.09.14 タイトルを修正しました。
2021.09.22 タイトル画像、タイトルを修正しました。
2021.09.22 『Free”Live』アーカイブ動画について一部修正追記。
2021.09.22 イラスト部を追加しました。

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