人脈はお金を奪っていく「負債」となる【お金について考える本】
これまで数々のマネー本を読んできましたが、最近読んだ中でも突出して印象に残ったのが与沢翼さんの『お金の心理』。その中でもとくにインパクトの強かった「人脈」について考えてみようと思います。
与沢翼さんは、実業家、投資家、作家としてビジネス界では有名な存在です。与沢さんは株式投資で成功し、一躍注目を浴びるようになりました。私が与沢さんのことを知ったのは、2018年頃で、その頃は注目されると同時に、株やセミナーのことでいろいろ言われていたこともあり、与沢さんの本を読んだことはありませんでした。
今回、与沢さんの本を読むことになったきっかけは、TwitterでEnglishおさるさんが紹介していたからですが、読んだらかなり印象が変わりました。
書籍『お金の心理』の中で、与沢さんは過去の「成功と失敗」について、都時の心境を交えて語っています。その話を読む限りでは、与沢さんの振る舞いは、世間一般から見られていた印象と同じようなところがあったのかなと思います。
そんな与沢さんの体験を経て書かれたこの本では、1回成功を手に入れ、さらに一度手放したからこそ見えてきた真理が語られていたのが印象的でした。
特に「人脈」に関する考え方が強烈で、その中で『人脈はお金を奪っていく「負債」となる』という部分が印象的でした。
成功を求める人のなかには、「人脈を築くことこそ成功への要因」と考え、積極的に行動している人たちもいます。たしかに、仕事もプライベートも、いろんな人との付き合いがあったほうが、物事がスムーズに進むし、自分にとって必要な情報をどこよりも早く取得できることも多いです。
人とのつながりは仕事の幅を広げる一方、その維持にはコストやリスクが伴うこともあります。たとえば、人と会う場合、レストランに行ったら食事代やコーヒー代がかかります。「Zoomでの打ち合わせだから食事代はかからない」と思うかもしれませんが、時間的コストも発生しています。
さらにいうと、その人脈から広がった「本当は行きたくないお付き合い」が発生することも。私自身も経験がありますが、セミナーや講演会などで知り合った人からSNSを交換しましょうといわれ、交換したら「○○で××の講演会があるので来ませんか?」と誘われる。
まったく興味がなかったら行かないものの、「この人と付き合っておけば、さらにいい人脈が広がりそう」と思うと、多少興味がない講演会などにも参加することになります。それでどんどん人間関係が広がっていくプラスの面もありつつ、あとで考えてみると、実は大半は必要なかったということもあります。
与沢さんの考えによれば、人脈を広げることはプラスどころかマイナスになるので注意すべき。長期的に考えれば、負債でしかない、と。
社会人になって仕事をすると、どうしても「お互いにメリットがある相手」と付き合うことが多くなるので、ここは気を付けたいところです。逆に言うと、メリット・デメリットが発生しないところでの人間関係を大事にしていきたいと思いました。与沢さんの本を通じて、人脈の重要性や築き方について新たな視点を得ることができました。