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趣味としての人工生命づくり

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趣味としての人工生命づくり 第6回 ホタルの同時明滅モデル<制作時間30分程度>

趣味としての人工生命づくり 第6回 ホタルの同時明滅モデル<制作時間30分程度>

前回、生命現象の中で不思議に思われることをいくつか紹介しました。その中で、今回はホタルの同時明滅の現象を取り上げたいと思います。実際にNetLogoでシミュレーションを作成しながら様々な条件を試してみましょう。

ネットロゴのインストールについては、第1回を御覧ください。

ホタルは種類や生息場所によって発光のリズムをもっています。それぞれの個体が、それぞれのタイミングで発光するのですが、ホタルの

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趣味としての人工生命づくり 第一回

趣味としての人工生命づくり 第一回

●人工生命って?人工生命ってちょっとSFチックな感じがする言葉ですね。なんだか未来的なイメージがある反面うさんくさい気もします。
人工生命(Artificial life)という言葉が使われるようになったのは、1980年代の後半のことです。だいたいパソコンの普及と同じ頃です。
そもそも、人工生命ということを提唱したアメリカのC.ラングトンは、大きなスーパーコンピュータではなくapple Ⅱという小

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趣味としての人工生命づくり 第2回

趣味としての人工生命づくり 第2回

世界を創造する
  第一回→

前回で幼虫集めシミュレーションの大まかな方向がみえてきたので、実際にNetLogoの中に世界を創造して行きましょう。

今回のシミュレーションでは、動きまわる事が必要なのでタートルをつかってハチと幼虫をつくります。はじめはちょっと使い方を解説するのでちょっと退屈かも知れません。

分かる人はざっと読んで貰えれば大丈夫です。

タートルの作り方

NetLogoを起動

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趣味としての人工生命づくり 第3回

前回の投稿からかなり間が空いてしまったが続きを書くことにします。

その前に、筑波大学大学院の倉橋研究室による日本語のNetLogoテキストが充実してきているので紹介したいと思います。

NetLogo日本語マニュアル

このスローペースのnoteに飽き足らない人はぜひ活用してもらえたらと思います。

前回を振り返ると、ハチの幼虫集めのシミュレーションをしようということで、下のような設定を考えると

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趣味としての人工生命づくり第4回〜ハチの幼虫集め〜

趣味としての人工生命づくり第4回〜ハチの幼虫集め〜

かなり久しぶりになりますが、NetLogoを使った人工生命づくりの続きです。前回考えていたのは、目隠しをした状態で広い空間にあるボールを一箇所に集めるというミッションでした。

NetLogoのダウンロードや基本的な使い方などは、これまでの内容は↓こちらをみてください。

作ってみよう前回の内容を元に実装してみましょう。

NetLogoを起動したら初期設定ボタンを作ります。

名前は「setup

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趣味としての人工生命づくり 第5回 生物の謎3つ

趣味としての人工生命づくり 第5回 生物の謎3つ

高校の時に生物部に入り、生物の授業を聞く中で生物学に興味を持ったのですが、学んでいく中で、本当に知りたいことは、なかなかわからないという思いが溜まってきました。

僕の生物への興味は、自分がこうして意思を持って存在しているということへの強烈な疑問と不安に基づいています。それは、小学生の頃や思春期の頃に宇宙の始まりや終わり、死を想像した時の胸が締め付けられるような不安と不思議さへの畏怖のような気持ち

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感染シミュレーション

感染シミュレーション

人工生命は生命現象を再現することなので広い意味では感染のシミュレーションも人工生命かなと思い取り組んでみました。

netlogoのモデルライブラリーに入っていたvilsというプログラムを改造してみました。

以下のリンクからブラウザ上で条件を変えてシミュレーションができます。

http://art-ificial.life/

setupボタン リセット
goボタン 動かす
infectボタン

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アラン・チューリングの知られざる業績

アラン・チューリングの知られざる業績

高校の頃は、生物部にいてイモリを使って尻尾や肢などが切れてもまた生えてくる再生という現象を調べていました。

その時から卵から生物の形ができてくることの不思議さに捉えられるようになりました。

生き物の形は外から誰かが削ったり、変形させて造られるのではなく細胞が性質を自分で変えることで出来上がります。

細胞は、全体を知ることはできないのに、自分はどこにいて、どうすれば良いのかを知っています。

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