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お願いだから、もう少しだけ。

「真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた」

フジファブリックが歌うこの曲が、9月に入ってから頭を離れない。

先週の土曜日の最高気温は33℃。去ったと思った夏は、意外としぶとく居座っている。まだまだ終わりたくないらしい。

この日のみなとみらいは、アカペラを歌う大学生や、よさこいの衣装を身にまとった人たちがたくさんいて、にぎやかだった。先月来たときは、ピカチュウがたくさんいた。月に一度来るだけだけど、この街はいつも楽しそうだ。

いつも通り崎陽軒の炒飯弁当を買い、BUKATSUDOへと向かう。地下へと降りる階段で同じ企画生の姿を見つけて、ちょっとほっとした。

さて、あと残り2回。挑むような気持ちで扉を開けた。

◆ ◆ ◆

5回目の言葉の企画は「つくり方からつくる」というテーマ。

それにあたり、事前に出された課題は「映画をテーマに自分なりのやり方でNaverまとめを作る」というものだった。

わたしはNaverまとめという媒体が苦手だった。
ごちゃごちゃしていて見にくいし、誰でも作れちゃうし、信ぴょう性もあやしい。

特に普段、仕事で比較サイトを運営していることもあり、一次情報や記事におけるEAT(専門性・権威性・信頼性)の観点がめちゃくちゃ重要だと言われているぶん、かき集めた情報の切り貼りでしかないNaverまとめを敬遠すらしていた。

だから、正直なところ今回の課題はちょっと気が重かった。しかも、「あなたなりのやり方で」と言われている。うわあ、どうしよう。しばらく頭を抱えていた。

ただ、映画は好きだった。学生の頃は、家にいたくないときや暇ができたときにしょっちゅう一人で映画館に行っていた。今でもミニシアターで二本立てをだらだらと観たり、友だちや恋人と気になった映画を観に行く。

好きなぶん、何をどうまとめるべきかもとても悩んだ。

Naverまとめで「映画」と検索し、出てきた膨大な数のまとめの見出しを一通り見た。人気のまとめを見ていると、なんとなくNaverまとめユーザーが求めているものがわかる。

でもわたしは、いったい誰に届けたいのだろう。
膨大な情報に疲れてふと立ち止まったとき、頭に浮かんだのは自分と同じような女の子だった。

自分に自信がなかったり、不器用だったり、ちょっと生きづらさを感じているような誰かに届けたいなと素直に思った。それは、わたし自身が映画のなかでもがいて葛藤する女の子たちの姿に救われてきたからだ。

Naverまとめでうけるものと、自分がまとめたいものは違う。
でも自分が書いてうれしいこと、相手が読んでうれしいことを書けばいいと、この講座で教えてもらった。

だから、その気持ちを尊重した。
そのまとめがこちら。

すべて自分の目で観て心を震わせたり、泣いたり、力をもらった映画たちだ。

結果的に、71人分の課題を見て伝わったと思う人に投票をする「伝わりました選手権」で、全体で2番目に多い票数をもらった。びっくりしてちょっと震えた。

講師の阿部広太郎さんからいただいた好評を貼らせてもらう。

ああ、間違ってなかったんだな。ちゃんと伝わったんだな。
これを読んだとき本当にうれしくて、ちょっと泣きそうになった。

書きたいことがたくさんあって、冗長になりがちなところはずっと課題だから、ちょうどいいを模索していきたい。とかいって、今言っているこの文章も結局長くなってしまっている。まだまだだな。

でも、少しだけ手ごたえを感じることができたような気がした。この感覚を忘れずに、増やしていきたいと思う。

Naverまとめを敬遠していたけれど、結局何をどうまとめるかでいくらでも独自性のあるコンテンツになる。とにかくバズることに重きを置いたような量産型のまとめはやっぱり好きになれないけれど、書き手の思いが伝わるまとめは見ていてたのしい。

自分で作ってみて、阿部さんや他の企画生のまとめを見て、ようやくわかった。

作り手のプロになりたいなら、
これは良い!から学び、自分ならこうするを重ねていくこと
自分なりのやり方で
自分らしさを浮き彫りにしていく

阿部さんがおっしゃったこの言葉の核の部分を、今、もう少しで掴めそうな気がしている。

◆ ◆ ◆

ここからは少し余談だけど、講座が終わったあとに同じ企画生たちに「まとめよかったよ」と声をかけてもらった。

そして「あきちゃんの感性が好き」とも。

感性が好きと言ってもらえることが、実はとてもうれしい。
うれしくてちょっと泣きそうになる。

わたしにとって、自分の感受性は厄介で、面倒くさくて、時に首を絞められて息を吸えなくなるようなものだから、それを好きだと言ってくれる人がいることは、とてもしあわせだと思った。

言葉の企画には、こんなふうに愛ある言葉をまっすぐに届けてくれる人たちばかりだから、わたしも普段だったら言えないようなことを言ってしまう。

わたしは、少しずつ変われているのかもしれない。

気づけばもう残り1回。
月に1回BUKATSUDOに行くのも、講義のあとみんなと食べるお弁当(崎陽軒の炒飯弁当)もこれで最後だ。

さみしいな。でも待ち遠しいな。

最後の日にはもう、秋のにおいがしているのかな。もうすでにここ2日くらいでぐっと、確実に秋めいた。

わたしは夏がきらいだけど、今年の夏はまだまだ終わってほしくないような、そんな気もしている。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
最後の日、どうかまたこの場所で。

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