空からのメッセージ?【一人のオーボエ奏者の旅立ち】
私と麻理子の国際遠距離コミュニケーションツールには、かなり早い段階からSNSも加わった。
写真も送れるしチャットも出来る。おまけにビデオ通話も出来るなんて、それまでの苦労はなんだったの、という、私たちにとって夢のような時代がやってきたのだ。
SNS以前に私たちが利用していたのは、Skype。
それより前は、【格安国際電話サービス】各社だった。
その日一番低価格で通話料金を提供する格安国際電話サービスを調べ、いかにリーズナブルに電話できるかも私たちの重要な話題だった。
でもSNSの出現と発展により、私たちから電話代の心配は一気になくなったのだ。
私たちは、時代と共にSNSのプラットフォームも変え、その都度一緒にお引越しを繰り返したけれど、Facebookは今まで存続させてきた。
麻理子も今年の1月の半ばあたりまでは、自分で操作してFacebookや Instagramを眺めることが出来たはずだ。
今朝、起きると、私のFacebookのウォールに、何故か【思い出】の過去投稿が表示されていた。
「え?何故?」
ちょっと驚いた。
Facebookには【思い出】という機能があって、Facebookが勝手に過去の投稿を引っ張り出して見せてくれるのだが、私はお知らせをオフにしてあったはず。
設定を確認してみると、確かに【思い出】の通知は【なし】に設定されていた。
にもかかわらず、こんな【過去投稿】が、今朝、私に表示されていたのである。
2014年の今日、麻理子が南海電車の駅で見つけ、撮って送ってくれたポスターの写真だった。
麻理子はいつも私を笑わせてくれ、私が笑うと満足そうにしていた。
私はユーモアは理解出来るし、ヨーロッパテイストなジョークも結構言うんだけれど、ボケとツッコミという会話テクは持っていない。
なので私たちの会話では、麻理子がいつも一人でボケとツッコミの両役をやってくれていた。
麻理子との会話では、私はただ笑っていれば良かった。
今日表示されたこの過去投稿は、なんとなく、麻理子からのメッセージのような気がした。
「しんみりしてたらあかんよ。暗い、暗い〜!」
この「暗い、暗い〜!」の関西弁のイントネーションが、「みんみん(中華レストラン)」のイントネーションと同じく、私には一生かかっても正しく言えないんだよね、なんて思いながら、コーヒーを淹れることにした。
更に遡って見てみると、2013年、同じ日の【思い出】はこんな投稿だった。
4月5日頃って、私は毎年、落ち込んでいたんだろうか?
毎年、彼女が私を笑顔にさせていたんだなぁと、改めて知った。
麻理子、重ね重ね、どうもありがとう。
でもね、今年はあと数日でイースター(復活祭)なんだよ。
だから、私はその日まではしんみりさせてもらうことに決めてるから。
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