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最近の記事

第16回 「B'z - 衝動」の思ひ出

 先日、帰省したときの母との会話である。 「岸田さんは本当にダメね~」 「もう日本は終わってるね。平均賃金なんてとっくに韓国に抜かれてるし」 「でも賃金を上げるのが嫌だから、技能実習生って名目で外国人労働者をこき使ってるわけでしょう。本当にひどい話ね~」 「まあ、そのうち他の国のほうが賃金が高くなって、頼んでも誰も来なくなるんじゃないかな」 「一方で、ジャニーズ問題とかも酷いじゃない?」 「所属集団の暗黙のルールに適応できない人間はパージされるのが日本だからね。みんな自分の

    • 第15回 「Red Hot Chili Peppers - Dani California」の思ひ出

       2006年とは、どのような年であったか?    正解は……    『DEATH NOTE』の年であるッ!!!!!  2003年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した本作も、物語はいよいよ佳境に入り、おれの通っていた学習塾では、 「今週のデスノート読んだか!?」 「読んだぜェ……マジヤベェよな……」  と、いつもデスノートの話題で持ち切りであった。そんな話題の漫画も5月には2年半に及ぶ連載を終え、ブームは収束するかに思えたが、6月には実写映画の前編が公開され、む

      • 第14回 「YO-KING - 遠い匂い」の思ひ出

        「兄者、なんやそれは」 「MDプレイヤーや」 「はあ、なんじゃそら。そんで、そこから伸びてるその紐はなんや?」 「これはな、イヤホンいうてな、耳につけたら音楽が聴けるねん」 「はあ、そらご苦労なこって」 「つけてみるか?」 「へえへえ……こんな感じでええか?」 「せや、ほな流すで」 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」  サブスク時代を生きるナウでヤングな若者たちに教えよう。その昔、日本にはMDプレイヤーというものがあった。MD(MiniDisc)とは、1992年にソ

        • 第13回 「BEAT CRUSADERS - TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT」の思ひ出

          「突然託された死神の力……その日から俺の世界が変わった。死神代行・黒崎一護。大切な仲間を守るため、強き思いを爆発させて⸺今、魂の刃を振り下ろす!」  2005年10月4日の夜、新アニメ『BLEACH』が始まった。新アニメとはいっても、もともと夕方に放映していたアニメがゴールデンタイムに昇格したものらしく、すでに52話目ということだった。なので、話の内容はまったく意味不明であったが、なんだかオサレでカッコよかったので、意味不明ながらも視聴を続けることにした。 「やあ、日番谷

        第16回 「B'z - 衝動」の思ひ出

          雑感5「夫不要社会」

          悪魔の遊園地  北米にはアーミッシュと呼ばれるキリスト教の宗派が存在する。この宗派の特徴の一つは、現代文明の徹底的な否定である。テレビやラジオなどの現代的なテクノロジーは、悪しき個人主義を助長し、競争心や虚栄心を駆り立てるものとして排除される。「Amish」で画像検索していただければ、簡素な服を着た馬車で生活する人々の姿がご確認いただけるだろう。つまり、 「テレビも無え、ラジオも無え、車もそれほど走って無え」  というリアル吉幾三の世界で、俗世から切り離された質素な生活

          雑感5「夫不要社会」

          第12回 「湘南乃風 - 純恋歌」の思ひ出

           煉獄杏寿郎の母君は、次のように宣った。  まったくその通りである。自分に才能があるのは、自分だけの手柄ではない。サンデルの言う通り、能力主義は勝者に驕りを、敗者に屈辱と怒りを与えるだけだ。己の才能や幸運の偶然性に思いを巡らすことで、連帯の可能性を探ることこそ肝要である。  では、おれの持つ特別な能力とはなんであろうか。弱き者を助けるため、天より賜った才能とはなんであろうか。  それは歌の才能である。  或る日、小学校へ向かう道中、なんの気なしにアニメの主題歌を口ずさん

          第12回 「湘南乃風 - 純恋歌」の思ひ出

          第11回 「THE BLUE HEARTS - 1001のバイオリン」の思ひ出

           『腐女子のつづ井さん』という漫画に、以下のようなやり取りがある。  2006年、おれは中学2年に進級したが、やはり一向に音楽に目覚める気配はなかった。相変わらず、おれの音楽に対する意識は、唾棄すべきブルジョワジーの堕落した趣味という偏見にまみれており、ギターとベースの区別さえつかない体たらくであった。  腐女子たちにとって「オタクへの目覚め≒自我の芽生え」であるように、おれにとっては「音楽への目覚め≒自我の芽生え」であったので、音楽に未だ目覚めていないこの時期の記憶は、す

          第11回 「THE BLUE HEARTS - 1001のバイオリン」の思ひ出

          第10回 「サンボマスター - 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の思ひ出

          「なんかゲームが好きな人たち? のドラマが始まるらしいわよ!」 「ゲーム? ポ、ポケモンとか?」 「うーん、よく分かんないけど、とにかくあんたゲーム好きでしょ。見なさい!!!」 「∩(´;ヮ;`)∩ンヒィ~」  2005年7月7日、こうしてドラマ『電車男』の放送が始まった。中森明夫がコミケに集まるような人々を「おたく」と呼称したのは1983年のことであり、また「おたく」という存在が或る事件を通じて人口に膾炙したのは1989年のことであるが、それでも2005年時点での一般家庭

          第10回 「サンボマスター - 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の思ひ出

          雑感4「家事という贈与」

          実力も運のうち  大谷翔平が天才であるためには、大前提として、大谷翔平が持つ技能が評価される社会が必要である。球体を速く正確に投げることができ、飛んできた球体を木の棒で上手に打ち返せるという技術は、野球が人々に愛されている社会だからこそ高く評価される。もし大谷翔平が百年に一度の腕相撲の天才であったり、そもそも野球の存在しない時代に生まれていれば、これほどまでに称賛されることはなかっただろう……。  これはマイケル・サンデルの議論だが、家事についても同様のことが言える。おれ

          雑感4「家事という贈与」

          雑感3「ロマンティック・ラヴの狂信者」

          ASD  近年では、「ADHD」や「ASD」といった言葉も人口に膾炙し、徐々にではあるが発達障害に対する社会の理解も深まってきている。書店には発達障害に関する書物が山のように積まれ、SNSでは発達障害の日常を積極的に発信する者たちも増えてきている。  さて、そのような世相に敏感な意識高い系左翼であるおれは、意識高い系左翼たるもの常に最新の状態へアップデートしておかねばならんということで、さっそくADHDとASDに関する簡単な概説書を手に取った。発達障害などおれとは無縁な事柄

          雑感3「ロマンティック・ラヴの狂信者」

          第9回 「ケツメイシ - さくら」の思ひ出

           風呂に入っていたときのことである。湯船に浸かり、はァ極楽極楽と、慣れぬ中学生活の疲れを癒していると、陰嚢に髪の毛が付着していることに気づいた。 「ハハハ、まるで陰毛のようではないか」  と、笑いながら髪の毛を掴んで引っ張ってみると、毛の動きに連動して陰嚢も隆起し、毛と陰嚢の接点に痛みが走った。まるで陰毛のようではなく、果たしてそれは本物の陰毛であった。二次性徴の始まりである。  こうしておれは性に目覚めてゆくわけだが、音楽に目覚める気配は一向になかった。おれは根が反知

          第9回 「ケツメイシ - さくら」の思ひ出

          雑感2「風間くんとマチズモ」

          ま・ほー少女もえP 風間くんとは、アニメ『クレヨンしんちゃん』に登場する幼稚園児である。どのような幼稚園児かというと、  要するに、クソ野郎である。しかし、そんなクソ野郎の彼にも弱点が一つある。  もちろん、「少女向けアニメ」を男児が見ているからといって、なにも悪いことはないのだが、知的で硬派な男として己を顕示したい彼にとって、「女子供やオタクが喜ぶような軟弱な趣味」を持っているなどということは、許しがたきことであり、絶対に隠し通さねばならぬことなのである。  本アニメ

          雑感2「風間くんとマチズモ」

          第8回 「サンボマスター - 青春狂騒曲」の思ひ出

           昨年、実家に帰省したときのことである。家族で歌番組を見ていたら、むかし流行した歌手が久方ぶりに登場し、往年の名曲の披露と相成った。  はあ、こんな曲もあったなあと見ていると、 「あらまあ、随分と太っちゃったわねえ。こりゃヒドい」 「こんなん、テレビに出したらアカンやろ」  と、両親がナチュラルにルッキズムをかまし始めて、たまげてしまった。太ったなあという感想を吐露する程度ならまだしも、ヒドいとか、テレビに出してはいけないは言い過ぎだろうとたしなめると、 「いや、もとから太っ

          第8回 「サンボマスター - 青春狂騒曲」の思ひ出

          第7回 「ガガガSP - はじめて君としゃべった」の思ひ出

           本連載の主人公である山根少年は、未だ小学6年生。一向にロックに目覚める気配もなく、音楽との関わり合いはアニメソングだけという体たらくである。  今回取り上げるのは、テレビ東京系アニメ『NARUTO -ナルト-』のタイアップ曲で、2005年1月~3月のエンディングテーマを飾った、ガガガSPの「はじめて君としゃべった」である。  これはガガガSPの中でも、かなりシンプルでストレートな曲なので、音楽的に感動するということはなかったが、その歌詞にはえらく感動してしまった。おそらく

          第7回 「ガガガSP - はじめて君としゃべった」の思ひ出

          雑感1「結婚して姓を変えた理由」

          序文  結婚して妻の姓にしたと言うと、必ず 「なんで?」  と、訊かれる。なんでと言われても、現行の民法では「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」ことになっているので、色々と勘案したうえで妻の氏を称することにしたとしか答えようがない。まあ、96%が夫の姓を選択する我が国においては、夫の姓を選択することが「当たり前」となっており、妻の姓にすることは「あえて」する変わった選択と見なされるので、「わざわざ」妻の姓にするからにはなにか特別な考えがあるに違いな

          雑感1「結婚して姓を変えた理由」

          第6回 「山下達郎 - LOVELAND, ISLAND」の思ひ出

           山下達郎といえば……    楳図かずおだ!!!!!!!!!  どういうことか?  こういうことだ!!!!!!!!!  『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』とは、楳図かずおの漫画『漂流教室』を原作とし、2002年1月9日から3月20日にかけて放映された日本の連続ドラマである。で、その主題歌が山下達郎の「LOVELAND, ISLAND」だった。なので、おれの中では、「山下達郎=漂流教室の人」である。  父は楳図かずおのリアルタイムのファンで、母もその存在は当然知ってい

          第6回 「山下達郎 - LOVELAND, ISLAND」の思ひ出