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第6回 「山下達郎 - LOVELAND, ISLAND」の思ひ出

 山下達郎といえば……
 



 楳図かずおだ!!!!!!!!!




 どういうことか?




 こういうことだ!!!!!!!!!

 『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』とは、楳図かずおの漫画『漂流教室』を原作とし、2002年1月9日から3月20日にかけて放映された日本の連続ドラマである。で、その主題歌が山下達郎の「LOVELAND, ISLAND」だった。なので、おれの中では、「山下達郎=漂流教室の人」である。

 父は楳図かずおのリアルタイムのファンで、母もその存在は当然知っていたから、『ロング・ラブレター』は第一話からお茶の間で流れていた。
「環境汚染で未来は不毛な砂漠の世界になるのかァ、大変だなァ」
 と、ほげーっと見ていると、
「これはもともとは漫画で、原作はもっと怖いのよ~」
 と、母が『漂流教室』の原作を全巻 (すべて初版!)手渡してくれた。
「へえ、漫画とかあるんだ! 漫画大好き(*^-^*)」
 と、手に取ってみると

 ギャーッ!!!

 当時、小学3年生で9歳だったおれは、家族が『もののけ姫』の鑑賞会をしている中、怖くて見ることができず、寝室で一人ポケモンをしていたくらいの小心者だったので、『漂流教室』などは当然トラウマになってしまった。

 『漂流教室』によって植え付けられた、環境破壊により到来する未来世界の恐怖は凄まじく、おれは中学生になるとエコ・テロリストへと変貌した。「人類は地球の環境を破壊する悪しき存在である! このまま環境破壊を続ければ『漂流教室』の世界が到来するのだぞ! 分かっているのか! 人類よ、今すぐに文明の進歩を止め、狩猟採集社会へと回帰するのだ!」
「あ、友人Aよ、貴様今ポイ捨てをしたな! 雄大なる自然の恵みを踏みにじる忘恩の徒め! 天誅!!! (蹴りを食らわせる)」
 といった具合の中学生だったのだが、これは十中八九『漂流教室』の影響である。

 このように、原作の印象があまりに強烈だったため、原作の恐怖を限界まで希釈した、薄いカルピスのようなドラマ版の印象などはさっさと抹消された。しかし、山下達郎の主題歌の印象だけは残っていたので、
「山下達郎の『LOVELAND, ISLAND』は『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』の主題歌である」
 という記憶は、
「山下達郎といえば楳図かずおの『漂流教室』である」
 へと短絡されたのであった。

 クリスマスが近づくと、街中で山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れ始める。みなさんは「クリスマス・イブ」を聴いて何を思うだろうか?
「わあい、クリスマスだ! 今年もサンタさんが来ますように(*^-^*)」
 だろうか? それとも
「クリスマス? おセックス様の季節!!!」
 だろうか?
 おれが「クリスマス・イブ」を聴いて思い浮かべるのは、荒廃した未来世界に佇む、未来人類の恐ろしい容貌である。

 ギャーッ!!!


 おわり

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