詩 「答えは風の吹くまゝに」
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晩秋の並木道を歩く
出会いと別れの物語に想いを馳せる
すっかりと落葉した
黄色い落葉のじゅうたんを踏みしめる
この世の行き交う人々の数だけ
それぞれの胸の内に秘めた
ロマンスがあるならば
二つに割れた銀杏の葉を眺め
物語の結末を問うてみる
二人の胸の高鳴りよ
その鼓動がシンクロする時
一枚の葉同士が重なり合う姿だとしたら
一心同体であったはずの想い人よ
望むことなく別れを選んだ
一枚の葉が引き裂かれた姿だとしたら
銀杏の落葉する姿に
どちらともない答えに考えを巡らしていた頃
行幸通りに東風が吹いた__
風に舞う銀杏の葉は
ルルルとつむじを描いて
私の前から立ち去っていった
冷たい風が身に染みる晩秋に
心温まる風のいたずらか
銀杏の葉が織りなすアートは
私のもと居た場所に
ハートの形を残していった
答えは風の吹くまゝに__
その答えに少し可笑しみを感じて
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" 銀杏の葉~Gingo Biloba "
『ゲーテ詩集』より
" Blowin' in the wind "
『ボブ・ディラン〜風に吹かれて』より
両作品からのインスパイアです。
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