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詩集

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心のまゝに紡いだ言葉の断片 言の葉を磨き上げ羅列をして並べています。 詩のようなものをまとめています。
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2022年4月の記事一覧

詩 「神秘」

詩 「神秘」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

眠りについた夜__
胎内へと向かう宇宙船にのって
不思議な夢の世界へと意識は誘われる

メビウスの輪のような切れ目のない
らせんの吊り橋を歩いている

小さな細胞に刻まれた
はるか太古の記憶を辿る
神秘の旅路へと向かう

この世を形作っている神の御業
目を見張る美しい創造の世界に魅了され
包まれるような安らぎを覚える

その時__ 

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詩 「Lunar Grand Cross」

詩 「Lunar Grand Cross」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

父と子と聖霊の 御名によって
ゆるしの秘跡__
罪の告白

唇から吐き出された
嗚咽に混じった
懺悔の言葉が絞り出される

贖いきれない程の罪は
心の闇の中で渦巻く
霊的な紫煙となって
燻らせ続ける

全てを失った男には
帰るべき居場所はない
空っぽの器になった抜け殻だけを
この世に彷徨わせている

闇に浮かぶ真珠のように
月明

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詩  「 mademoiselle 」

詩 「 mademoiselle 」

〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜°〜

大人へと変わってゆくわたし

月が満ち欠ける度に
身籠っていた
生きているのか いないのか
半分だけのいのちが流れ出る

葡萄酒の滴のように
わたしの唇を紅く穢れさせる

Tu rigoles trop.__
お互い涙を拭きながら
笑い合っていた少女だった頃

今になっても
胸に刺さったまゝの棘が
チクリと痛むのは何故かしら?

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