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スポーツ指導者のためのトレーニングマガジン!野球・サッカー・バスケの現場で活躍するトレーナー(理学療法士・柔道整復師)が、各競技に特化した「怪我予防のためのストレッチやトレーニン…
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#膝関節

オスグッド・シュラッター病の予防ストレッチ・トレーニング

オスグッド・シュラッター病とは10〜15歳頃に発症する脛骨(スネ)の骨端症(骨の端の部分の障害)です。 大腿四頭筋という、ふともも前面の大きな筋肉の使いすぎによって発症するもので、成長期が終わることで症状は消失しますが、長期に及ぶ場合は改善までに2年程度の期間を要します。 痛みが強い場合はスポーツ活動に影響を及ぼすなど、症状の重さは人それぞれです。 大腿四頭筋のタイトネスによって脛骨粗面への牽引力が増大して発症する場合と動作時の骨盤後傾が原因となる場合、さらにその両者が組み

膝前の痛みの原因とは?

小中学生などに成長期に起こりやすいオスグッドや成人であればジャンパー膝など呼ばれる膝関節の前側に起こる痛みを一度は経験したことはないでしょうか? 膝関節は、太股の骨である大腿骨と脛の骨の脛骨による脛骨大腿関節と、大腿骨とお皿の骨である膝蓋骨による膝蓋大腿関節の二つの関節よって構成されています。 膝の前側の主な原因として膝蓋大腿関節や膝の前にある靭帯や筋肉が付いている骨に対する負荷が積み重なった結果として、痛みが発生している可能性があります。 以前のnoteでも膝関節

膝を守るために必要なトレーニングとは?

膝関節の怪我には相手選手と衝突などによって発生する接触型と、ジャンプからの着地などに失敗して発生する非接触型の2種類に分けられ、非接触型ではトレーニングによって再発予防することが非常に重要になります。 では膝関節を怪我から守るために必要なトレーニングはどういったものをイメージすることができるでしょうか? 膝関節が安定する仕組みについては以前のnoteで解説させていただきました。 前回もお話させていただきましたが、膝関節は曲げ伸ばしの動きには適した構造となっています。しか

膝を怪我から守る膝関節のしくみ

スポーツにおいて膝の怪我は多く、手術などをした場合などは復帰まで長い時間を要してしまいます。 膝の怪我は靭帯損傷などは突発的なものから、育成年代に多い膝の痛みのオスグッドなどのように慢性的なものまで広範囲に及びます。 ではなぜ膝の怪我が多いのでしょうか? 膝は膝関節と呼ばれ、曲げ伸ばしの縦方向の動きには適した構造をしています。 一方、片脚立ちのような状態では左右への重心がブレないようにコントロールすることが求められます。 しかし膝関節はこの左右の横方向の動きには弱い

オスグッドは安静だけじゃ足りない!-大事なことは鍛えて治すということ -

オスグッドになる選手の身体機能面の特徴自分はジュニアユース世代のサッカーチームでフィジカルコーチ兼トレーナーとしてトレーニング指導や治療も行っていますが、オスグッドによる膝の痛みを訴える選手のカラダの特徴は共通しているところが多々あります。 以前のnoteではオスグッドにつながるカラダの硬さについて指摘しました。 オスグッドになる選手はカラダの硬さだけでなく、筋力も共通して弱くなっているところが多々あると感じています。 以前にもお話ししたように、オスグッドで重要なことは

<保存版!>オスグッドの改善と予防ストレッチ

成長期のサッカー選手に多い痛みとしてオスグッドをはじめとした《膝のお皿周りの痛み》があげられると思います。 いわゆるオスグッドは、単なる成長痛と考えるのではなく、膝に負担が集中することで痛みに繋がっていきます。 そう考えるとオスグッドは予防できるものでもあります。 今回のnoteでは、このオスグッドに繋がるカラダの特徴と予防のためのケアについてお話ししていきます。 実際に痛みに悩んでいる選手やそのような選手に対する指導に困っている指導者、親御さんに読んでいたいだければ

サッカーとオスグッド

前回は、キックフォームの崩れから考えられるJr.アスリートの怪我についてお話しさせていただきました。 フォームの崩れが怪我に繋がることやキック力などのパフォーマンスに直結することはみなさんご存知のことだと思います。 しかし、選手にいくら指導をしてもあるいはコーチからいくら指導をされてもなかなかフォームが変わらないということよくあると思います。 このような場合は、身体の柔軟性や筋力など変えていかないとなかなかフォームの修正まで結びつかないことが多いです。 これからは、な

肉離れを知る

上のリンクはサッカー日本代表DF富安健洋選手が、10月10日行われたW杯アジア2次予選モンゴル戦でハムストリングス(太もも裏)の肉離れを発症し、代表を離脱したというニュースです。 トップアスリートが怪我をしたニュースはよく目にすると思いますが、このようなニュースでは必ずと言っていいほど復帰までの期間も記載されていますよね。 実際には、MRI検査をして確定診断が下されますが、現場レベルでもどの程度の怪我なのか目星をつけることができ、早急に専門の医療機関へ受診すべきかどうか判

ひざを鍛えてもひざは守れない!?

前回の股関節の話はたくさんの方々に見ていただけたようで、 多くの方が股関節の柔軟性に対して何かしらの関心や悩みを持っているんだなと感じました。 (読んでくださった皆様、ありがとうございました。まだ読んでいないという方は、こちらからご覧ください!) 今回からは、股関節の動きも密接に関係していると言われている 【ひざの痛み】 について話していきたいと思います。 その中でも、 【前十字靭帯(ACL)損傷】 にフォーカスしていきます。 意外と認知されていなかったAC

オスグッドの予防 -姿勢・フォームの修正 編-

今回はオスグッドの原因となる姿勢・フォームについてお話しさせていただきます!! 成長期になると骨が急激に重く・長くなることで身体がアンバランスとなり、姿勢やフォームが崩れることが多々あります。 また中学生から本格的にスポーツを始める子も少なくないため、怪我の予防に良い姿勢や正しいフォームの獲得はとても重要となります!! 「姿勢・フォームを改善する」というと難しく考えてしまいがちですが、 「固いところを伸ばす」 「動かないところを動かす」 というシンプルな考えで良い

オスグッドの予防ー前ももを柔らかくする方法—

前回の話で、オスグッドの原因は大腿四頭筋(前もも)の硬さと不良姿勢であることがわかりました。 今回は、大腿四頭筋の柔軟性を改善するためのポイントをお伝えし、日々のケアや予防トレーニングのメニューとして参考にしていただければと思います。 前回のおさらいです。 大腿四頭筋(前もも)の柔軟性テスト 方法:①お尻が動かないように抑える    ②反対の手で足首を持ち膝を曲げる    ③前面に伸長感が出たら計測    ④踵とお尻の距離を測る 踵とお尻の距離が5cm以

オスグッド・シュラッター病について

はじめまして! 千葉県内の整形クリニックで理学療法士 都内大学バスケットボール部でトレーナー活動をしている 岡野良介と申します。 私は、バスケットボールが好きで、バスケットボールに関わりたいと思い、現在までスポーツ現場で活動をしてきました。 微力ではありますが、スポーツ指導者や選手の方々にとって為になる情報をお伝えできればと思います!! 今回は成長期で起こりやすい、オスグッドについてお伝えします。 オスグッド・シュラッター病(以下|オスグッド)は成長期のスポーツ