オスグッド・シュラッター病の予防ストレッチ・トレーニング
オスグッド・シュラッター病とは
10〜15歳頃に発症する脛骨(スネ)の骨端症(骨の端の部分の障害)です。
大腿四頭筋という、ふともも前面の大きな筋肉の使いすぎによって発症するもので、成長期が終わることで症状は消失しますが、長期に及ぶ場合は改善までに2年程度の期間を要します。
痛みが強い場合はスポーツ活動に影響を及ぼすなど、症状の重さは人それぞれです。
大腿四頭筋のタイトネスによって脛骨粗面への牽引力が増大して発症する場合と動作時の骨盤後傾が原因となる場合、さらにその両者が組み合わさって発症する場合がある。
引用|「ジュニアアスリートをサポートするスポーツ医科学ガイドブック」
脛骨粗面の脆弱性に加えて急激な身長増加による筋柔軟性低下が背景にあり、動作不良や運動量の急激な増加によって発症する。
引用|「スポーツリハビリテーションの臨床」
なぜオスグッドになるのか?
小学生高学年から中学生の時期(11-14歳)は骨の発育が早く、筋肉の柔軟性が追いつかず、筋肉が緊張する状態が続きます。
成長期の骨は靭帯や腱よりも脆弱であるため、大きい筋肉がついている部分の骨は筋肉の強さに負けてしまいます。
また、身体の骨-筋肉のアンバランスにより動かしづらさやぎこちなさ、姿勢の変化が現れます。この状態で、スポーツによる過剰な負荷が膝に加わりオスグッドへと進行していきます。
point
✔︎骨の急成長の時期
✔︎大腿四頭筋が硬い
✔︎不良フォーム
大腿四頭筋の柔軟性テストと不良フォーム
✔︎柔軟性テスト
-お尻とかかとが着くか確認しましょう。
-目標|10cm以内
✔︎不良フォーム
-背中が丸まっている
-骨盤が後ろに倒れている
以上の不良フォームは重心が後方に移動し、後ろに倒れる力が働きます。
大腿四頭筋は後ろに倒れる力に抵抗して硬くなってしまいます。
そのため、大腿四頭筋のストレッチとともにフォームの修正が必要になります。
運動中止基準
✔︎圧痛や膨隆などの症状が強い
✔︎安静時痛(何もしなくても痛い)がある
✔︎膝がしっかりと曲がらない
✔︎スポーツによって症状が悪化する
以上の項目が一つでもある場合はスポーツ活動を中止し、医療機関に受診しましょう。
引用|平野篤・芋生祥之 スポーツ外傷・障害の理学診断 理学療法ガイドーOsgood -Schlatter病.文光堂
上記運動中止基準に当てはまらない場合でも、運動の翌日に痛みが強くなるのは運動の負荷が高い可能性があります。
強度の高いトレーニングを減らすか、硬い地面でのジャンプ動作は避ける様にしてください。
運動の負荷を減らすことで痛みが生じにくくなります。
予防ストレッチとトレーニング
●大腿四頭筋ストレッチ
最初にお尻の下を意識し、お尻の下を前に出すように股関節前面の大腿四頭筋をストレッチします。
膝を曲げることでさらに伸ばすことができます。
※ストレッチで痛い場合
膝を曲げてから股関節前面を伸ばすようにストレッチをします。
●背中を伸ばすストレッチ・トレーニング
●骨盤を起こすための大殿筋・ハムストリングスストレッチ
以上、オスグッドについて病態と予防法についてお伝えしました。
成長痛だからと無理させず、病院受診するとともに予防ストレッチ・トレーニングでセルフコンディショニングすることで無理なくスポーツを楽しめるのではないでしょうか。
参考にしていただけたら幸いです。
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