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読書記録_本

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読書(漫画以外)の記録。 名前が覚えられないため、外国の本があまり読めない。まほろ市出身。 Instagramにも載せています。 https://www.instagram.co… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

『三体』 劉慈欣

『三体』 劉慈欣

私は、いまだかつて、こんなにデカい話を読んだことがない。この話は時間、空間ともにとてつもなくデカい。SFで最も権威があるとされるヒューゴー賞受賞、オバマ大統領やマーク・ザッカーバーグが愛読した中国のSF小説。

相次ぐ科学者の自殺、文革時代に行われた関係者隔離の極秘プロジェクト、特殊なスーツを着ることにより体感までをも味わうことができるゲーム、そしてタイトルの「三体」とは。

ゲームデザイナーの小

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『ピカソは本当に偉いのか?』 西岡文彦

『ピカソは本当に偉いのか?』 西岡文彦

「ピカソは人たらしで、そのおかげで作品が評価された」というようなくだりでこの本が紹介されていたので手にとった。最近、本選びがうまく行っていなかったけれど、この本は面白かった。(マンガは豊作。)

ピカソの絵の価格をキャンバスサイズで割り、平米あたりの金額を出すと、50億円だという。日本の土地公示価格で最高の都心一等地は2500万円/平米程度なので、金額的に200倍の価値になるという。なぜそんなに高

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『3月のライオン』 1-15 羽海野チカ

『3月のライオン』 1-15 羽海野チカ

羽海野チカさんと同じ時代に生きられてよかった。連載と同じタイミングに生きられてよかった。15巻の発売をきっかけに読み始めたので、それには間に合わなかったけれど、16巻からは発売のワクワクを他の読者と一緒に味わうことができる。それってとても幸せなことだ。

私はマンガサイト『アル』のライターをしており、15巻の新刊発売を記事にした。前から気になっていたし、記事として書かせてもらったのに読まないのも何

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『熱源』 川越宗一

『熱源』 川越宗一

「早く面白くなってくれないかな…」とじりじりしながら読み始めたら、最後までその気持ちは変わらなかった。結論から言えば、私にはグッと来なかった。なぜか。

ロシア人と和人が争うサハリン島。古くから住むウィルタ、ギリヤーク、そしてアイヌの暮らしと文化が、ロシアや和人に蔑ろにされていく。そこに言葉を奪われたポーランド人の流刑囚が関わって…というお話。

ひょんなことからアイヌ刺繍を習い、アイヌの工芸や考

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