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「怒り」はそもそも感情ではない!?メンタルを安定させるために必要な技術と思想

皆さん、週末の2日間はいかがだったでしょうか?

筆者は、「存分に作業に没頭したい」という思いも消化できましたし、行きたかった場所にも行くことができました😊

皆さんの休日も幸せな時間であったことを願っています✨

ここで、貴重な日曜日の残りの一時を味わっていただければと思います🎵

共育LIBRARYへよくぞおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


とある企業の面接では、以下のような質問をするという話があります。

「あなたが怒りを感じた時はどのような時でしたか?」

「そして、それをどのような手段で乗り越えてきましたか?」

「怒り」は、その人の価値観が最も顕著に現れる瞬間です。

人を見る目がある経営者や採用担当者は、

「怒りの対処法」

に目を向けます。

「怒り」の感情をそのままにして、お酒や愚痴で気を逸らす。

それは、対処しているとは言い難い。

「なぜ自分は怒りを覚えたのか?」

「その怒りを覚える問題を解決するためにどのような建設的行動をとるのか?」

その一点に、人間の本性が現れると言ってもいいかもしれません。

建設的に考えられる人は、パートナーや家族、友人、同僚ともよりよい関係を築いていくことができるでしょう。

見て見ぬふりをする人は、一時の辛さから目を背けていても、別の形でその問題は自身に降りかかってきます。

私たちは、なぜか「感情」という一生付き合っていくべきものについて、学校教育を受けてきません。

しかし、感情というものの役割や捉え方を勉強すれば、間違いなく人生をより豊かにすることができるのは確かです。

今回は、そんな内容を記事にしていきたいと思います。

「感情」というものを理解すれば、きっと「よくなるこれから」を迎えることができるはず。

是非、最後までご覧ください。



怒りは二次感情

近年、アンガーマネジメントという概念が大分認知されるようになってきました。

アンガーというのは「怒り」のこと。

つまり、自分の「怒り」の感情をマネジメントするということ。

そもそも、

「怒りやイライラというものは、一次感情ではなく、二次感情である」

ということをよく言われます。

どういうことか。

怒りやイライラというものは、

「心の奥に本当に自分が伝えたい感情がある」

という知らせをする役割を担っているという捉え方です。

「なんで分かってくれないんだ!」

という怒りの感情は、

「分かってほしいが、それが手に入らなかった失望感」

を表している可能性があります。

「これぐらいの仕事ぐらい責任もってやりなよ!」

という怒りの感情が沸いてきたら、

「俺自身は疲れているんだ。これ以上重荷を背負わせないでほしい」

という気持ちの現れとして、怒りで表現をしているのかもしれない。

そのような、

心配
空腹
疲労
不安
寂しさ
傷つき
落胆
虚しさ
自分をないがしろにされた失望

などを、「怒り」として表現していて、

その奥に、「本当の自分の気持ち」である一次感情が隠れているのです。


マイナス感情を放置するとどうなるか

自分の感情のままに怒りが沸いてきて、人を言葉で攻撃してしまったとします。

感情で言ってはいけないけれど、つい子どもに感情的に注意をしてしまうこともよくあることです。

「怒り」を表現した後は、どのような気持ちになるのでしょうか。

きっと、後味の悪い、自責の思いが浮かんでくる人が多いのではないでしょうか。

わずか5分間、怒りの攻撃をしただけで、6時間も免疫力が低下をしたという調査があります。

他にも、マイナス感情が自分の中にあっても、見て見ぬふりを続けるとどうなるのか。それは、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶病気を引き起こしやすくなる
❷感情のセンサーが鈍くなる
❸自分を生きられなくなる

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

という結果をもたらします。

ストレスを抱え込んでしまう人が病気を起こしやすくなるということは周知の事実。

怒りは興奮状態による「過剰なノルアドレナリンを分泌する毒性」があると考えるのが妥当でしょう。

それが頻繁に続けば病気になるでしょうし、日常の何気ないことに幸せを感じにくくなります。

脳内ホルモンが過剰に分泌され続けることにより、脳の麻痺が起きるのでしょう。

結果として、自分の感情をないがしろにして、「どこか他人事のような感覚」の自分の人生を送ってしまうことになります。

では、どうしていけばよいのか。

まずは、マイナスの感情から目を背けず、味わい尽くすことが大切です。


マイナスの感情を味わい尽くす

マイナスの感情を抱くことは決していけないことではありません。

むしろ良いことです。

マイナスの感情が沸き起こった時に、

「なぜその感情が出てきたのか」

を考える。

すると、自分が今まで気づかなかった自分の

「満たされない思い」

を見つけることができます。

見つけたならば、その思いを理解してあげればよい。

そのように、自分のマイナスの感情を注意深く観察し、理解していくことは、

「自分を大切にしていること」

に直結するのです。

マイナスの感情を味わい尽くすとプラスに転化する。

ここからは、その「味わい尽くす方法」をお伝えします。


マイナスの感情を味わい尽くす手順

マイナスの感情を味わい尽くすためには、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶自分の中のマイナスな感情の自覚・認識
❷なぜその感情を抱いたかの理由
❸はじめに出てきた感情の裏に隠された本当の自分の思い
❹自分の言えなかった思い
❺自分にかけてあげたい言葉

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

という順番で、自分と対話をし、書き出していくことが大切です。

例があった方が分かりやすいと思うので、例を挙げておきます。

❶自分の中のマイナスな感情の自覚・認識
自分は今、怒りを感じている。

❷なぜその感情を抱いたかの理由
上司に「あなたの仕事は不十分だ」と言われたから。

❸はじめに出てきた感情の裏に隠された本当の自分の思い
自分のことを不当に評価された気がした。
自分の価値を否定された気がした。
自分が費やした時間や思いをないがしろにされたと思った。

❹自分の言えなかった思い
どこをどう直せばよいのか具体的に言ってほしかった。
「あなたがいつも皆のためを思って仕事をしていることは知っているよ。その上で伝えるね。」のように、自分がやっている仕事に対しての理解を示してほしかった。

❺自分にかけてあげたい言葉
何が悪いのかも言われないで、一方的に否定されたように感じたんだよね。それは誰だって嫌な気持ちになるよ。でもそういう気持ちになるのは、あなたが自分のことを信じている証拠。あなたが勉強をして、一ヶ月前、二か月前よりも前進していることを知ってる。これからもあなたのことを信じているよ。

のような感じです。

親しい友人に相談をするのと同じことを、自分自身との対話で行うといった感じですね。

これを行うと、自然と気持ちが上向きになっていくのが分かります。

怒りを引きずって、6時間自分のことを攻撃し続けたり、周囲に嫌な気持ちを振りまいてしまうよりも、結果的に、自分も周囲も楽になる方法ではないでしょうか。


認知行動療法

マイナスの感情を味わい尽くすのは、一時的な対処法です。

日常的に、心が乱されることが多い人は、根底となる「認知の歪み」が原因になっていることがあります。

その「認知の歪み」を少しずつ修正していくのが「認知行動療法」です。

「認知の歪み」は、例えば以下のようなものがあります。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆一般化のしすぎ
「いつも~だ」「すべて~ない」のように1つの失敗や嫌な出来事を根拠に物事を決めつけてしまいがち。

(何かを試して失敗→どうせ私は何をやってもうまくいかない)

◆自分への関連付け
自分に関係のないことでも、良くないことが起こったときは自分の責任だと思ったり、罪悪感を抱いたりする。

(向いの席の同僚が怒っている。私、何か悪いことしたかな?)

◆根拠のない推論
はっきりとした根拠がないのに結論を急ぎ、否定的にあれこれ考え、マイナスの妄想で自分を苦しめる。

(メールの返信が遅い。ひょっとして嫌われているのかも・・・)

◆全か無か/0か100か思考
物事を白か黒かで考える。完璧主義。グレーゾーンがなく、人にも厳しい。

(あの人は「仕事ができる人」。あの人は「仕事ができない人」。)

◆すべき思考
「~すべきだ」「~しなければならない」と考えてしまいがち。

(飲み会に誘われたら行くべき。人に嫌われてはならない。)

◆過大評価と過小評価
自分の欠点やミスは実際よりも大きく捉え、長所や良い面を過小評価する一方、他人の成功を過大評価し、欠点を見逃す。

(あの人は何でもできる。それに比べて自分は何もできない・・・)

◆感情による決めつけ
客観的事実ではなく、自分がどのように感じているかを手がかりにして状況を判断している。

(とにかく嫌な人だから言っていることも間違っている。)

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

この「認知の歪み」は、学校でもスクールカウンセラーの先生が特別授業として、子どもたちに伝えていました。

子どもに伝えるには、以下の書籍にあるようなかわいいキャラクターになっているものがおススメです。

シロクロン(全か無か思考)、ベッキー(すべき思考)のようにです。

最後に、実際に認知の歪みを少しずつ修正していく方法を紹介します。


認知行動療法の実際

認知行動療法は、繰り返し怒りや不安を覚えるなど、心の乱れを覚えがちな人がやってみると、自分の認知の歪みが分かり、少しずつ認知を変えることができます。

実際の方法の一例は以下。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶何を考えたか
❷感情をどの程度感じたか
❸その感情が出てきた理由と引き起こしている自分の考え方や思い込み
❹どの思考パターンに当てはまるか
❺自分の考えの根拠となる事実
❻自分の考えの例外となる事実
❼自分を肯定する考え方で捉え直す
❽新しい感情

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

1つだけ例を挙げておきます。

(ある日、たまたま仕事でミスをしてしまったAさんが上司に注意され、その後、上司が部下のBさんだけを飲みに誘った場合)

❶何を考えたか
なぜこんなミスをしてしまったのか。自分は能力のない人間なのか・・・。そして、Bさんだけ飲みに誘われたということは、Bさんは仕事ができると認められていて、自分は仕事ができず、上司から嫌われているのだ・・・。

❷感情をどの程度感じたか
怒り70% 焦り80% みじめ 70% 
自責60% 傷つき90% 落ち込み80%

❸その感情が出てきた理由と引き起こしている自分の考え方や思い込み
・ミスをする=仕事ができない
・人から好かれなくてはならない
・注意される=相手に嫌われている
・飲み会に誘わない=気が合わない相手

❹どの思考パターンに当てはまるか
一般化のしすぎ
全か無か思考
すべき思考
根拠のない推論
自分への関連付け

❺自分の考えの根拠となる事実
・自分だけ飲みに誘われなかった
・仕事でミスをしてしまった
・上司に注意された

❻自分の考えの例外となる事実
・以前は自分だけ飲みに誘われたこともある
・Bさんも仕事でミスをしていることがある
・注意されたが、「お前ならできる」と言われた
・仕事をミスしたからといっても、上手に仕事ができる時もあるし、注意=嫌われたわけではない

❼自分を肯定する考え方で捉え直す
確かに注意はされたが、仕事のミスを言われただけであって、「お前はいつもミスをする」「お前は駄目なやつだ」など、自身を否定されるようなことは言われていない。むしろ「お前ならできる」と信頼を示されたのかもしれない。そして、その仕事をする時間を考えて、上司はBさんだけを飲みに誘った可能性も考えられる。焦らずに仕事をしているときは、そこまでミスをしない時もあるので、スケジュール設計を見直せば、落ち着いて仕事ができ、評価されることが多くなるかもしれない。

❽新しい感情
焦り20% みじめ 10% 
傷つき20% 落ち込み20%

「感情をどの程度感じたか」
「新しい感情」

の項目は、感情リストから選択をすればよい形で進めた方がやりやすいと思います。

感情リストも掲載しておきます。

——————————————————————
怒り、焦り、傷つき、不安、心配、みじめ、
恥ずかしい、絶望、自責感、疲労感、悲しみ、
孤独感、後悔、落ち込み、見捨てられ感、不満、
悔しさ、無価値観
——————————————————————

このような認知行動療法を「怒り」という二次感情を感じた度に行っていくと、認知の歪みが修正されていきます。


まとめ

筆者自身も、自分の本当の気持ちを見て見ぬふりをし、仕事をし続けるあまり、ある日突然ベットから起き上がることができなくなった時期があります。

メンタルバランスが崩れ、非常に苦しさを味わった期間です。

やること為すこと全てがうまくいかず、自分を責め続けていた時でもあります。

その状態を何とかしようと、心理学について勉強していく内に、認知行動療法に出会いました。

そして、自分の認知を自覚し、その歪みを根気よく、1つ1つ修正していったのです。

「頼まれた仕事は断ってはいけない」
「期待には全力に応えなければならない」

という自分を苦しめていた価値観を手放してからは、心は非常に楽な状態を保てています。

自分の心が「ギュッ」と苦しくなる時も

60~70%が1~5%程度になりました。

随分、心を楽にして生きることができるようになってきたと思いますし、これからも、メンタルバランスを上手に保ってやっていける自信もつきました。

自分と向き合うことは、とてもエネルギーがいることですし、こわいことかもしれません。

それでも、その先には、

「自分の人生を生きている幸福感・充足感」

が待っています。

現状の自分を変えたい人。
一歩前に踏み出したい人。

そんな方は、試してみたり、いつかやってみたくなるその時に備えて頭の片隅に置いておいたりしてみてください。

この記事に書いてあるようなことを試しても「苦しさ」が消えないという人は、もっと根底の自己肯定感自体にアプローチする必要があります。

かなり初期の頃に書いた記事ですので、見た方は少ないかもしれませんが、こちらに詳しく解説してありますので、気になる方は、ご覧になってください。



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「コメント」も残してくださる有難いです!コメントを読んだ方々が、より教育についての知見が深めることができる図書館でありたいと思います。

いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

今週の記事は、また月曜日にお伝えできればと思います。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


📘今週のLIBRARYのラインナップ📗

(2023.11.20~11.26)

【月曜日】
3ヶ月経過。フォロワー800人・全体PV30000までのロードマップと展望
【火曜日】
PTAの不都合な真実 ウラ側だからこそ見えるPTAの現状と未来
【水曜日】
人は見た目が9割は本当か?ルッキズムの是非と限界値
【木曜日】
自己投資1000万円で解明!達成しない方が難しくなる「目標を叶える方法」(一部有料)
【金曜日】
あなたはいくつ解ける?子どもが行列をつくって挑戦する算数の「難問・良問」
【土曜日】
《元教師》自分の子どもを運動好きに育てるとしたらどうするか?
【日曜日】
「怒り」はそもそも感情ではない!?メンタルを安定させるために必要な技術と思想



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