kyogoku oakwagata

独自のフィールドワークにより自己採取した京都市産のワイルド・オオクワガタだけに拘りブリ…

kyogoku oakwagata

独自のフィールドワークにより自己採取した京都市産のワイルド・オオクワガタだけに拘りブリード。その他の種は扱いません。 飼育実験・検証に基づいた生態観察記録です。オリジナル血統名: 京極 https://www.instagram.com/kyogoku_oakwagata/

マガジン

  • KYOGOKUオリジナル菌糸瓶開発の道

    オオクワガタ飼育用オリジナル菌糸瓶開発に関する記事まとめ。

  • KYOGOKU OAKWAGATA @ YouTube

    YouTube channelでUPしている動画です。

  • ワイルド・オオクワガタ共生酵母菌(京極株)

    ワイルド・オオクワガタ保有の共生酵母菌採集サンプルを単離培養した経緯とその経過まとめ。この培養酵母菌の今後の有効活用とその有益性を考察する。

  • 京都市台場クヌギ・アーカイブ

    オオクワガタ採集家的歴史解釈エッセイ

  • 参考資料

    参考資料引用元リンク集

最近の記事

spin-off shot

 番外編です。  産卵確認済みの産卵材は幼虫がある程度まで成長するまでは静置保管しています。しかし、湿度やその他の影響でカビや雑菌等の発生も考えられるので、定期的にチェックしているのですが、いや、雑菌ならぬ植菌したウスヒラタケの子実体が発生していたという。これは、初めての経験です。  タイトル画のこれ、小さいながらも立派なウスヒラタケの子実体です。この産卵材は今年の4月上旬に市販廃シイタケ・ホダ木にわたしがウスヒラタケ菌を植菌したものなのですが、上手く培養できて、しかも、こ

    • 暴れフェノメノン

       オオクワガタ飼育では最終ステージに差し掛かり、いよいよ一年間の仕上げという蛹化時期が迫ってくると、度々、発生がよく報告されるのが「暴れ」というやつですよね。今回はオオクワガタ飼育に於けるこのフェノメノンを取り挙げてみます。 酸素欠乏症(定説) 「暴れ」の原因論では、常に酸素欠乏症が疑われており、というか、巷のオオクワガタ・ブリーダー界隈では、もう問答無用でそのように断定されていますよね。オオクワガタの菌糸瓶飼育に於いては、トラブルが発生すれば。何かと言えば自動的に「酸欠

      • 京極流酵母発酵菌糸瓶

         さて、また開始しますよ、わたし以外には誰もやらないアヴァンギャルド飼育法。もう、ここまできたら流派ですわ。  課題は菌糸瓶をどうやって酵母菌によってシュアに発酵させるか。しかし、これまでの数々の実験から、もう、これしかないと考えるに至りました。それは、空気穴無し蓋ボトルの使用です。これは、これまでの200cc惣菜cupでの孵化幼虫管理での経験と、何本ものオリジナル菌糸培養試験で得られた結果から導き出したわたしなりの回答です。  事、ここに到達するのに時間が掛かったのにはそれ

        • フルーティな環境の実現

           今年もちゃんと孵化幼虫が摂れました。 孵化初令幼虫管理  昨年までは、基本的に卵回収個別管理からの幼虫を孵化後約24時間待ってから200cc菌糸cupに投入し、その後は3令加齢まで管理、という流れだったのですが、「成長の初速が大事」であるとか、「早期に高栄養な餌を与えないと大きくならない」であるとか、まあ、そういった通説には何の裏付けもなく、それらはブリーダー諸氏のお気持ちに大きく左右された気分的主観測でしかないというのが、わたしの実験観察による結論と相成りましたので、

        マガジン

        • KYOGOKUオリジナル菌糸瓶開発の道
          19本
        • KYOGOKU OAKWAGATA @ YouTube
          14本
        • ワイルド・オオクワガタ共生酵母菌(京極株)
          9本
        • 京都市台場クヌギ・アーカイブ
          1本
        • 参考資料
          1本
        • 菌糸瓶に足らないのは発酵
          4本

        記事

          再生

          孵化直後のオオクワガタ初令幼虫

          2004 京極血統 1st. lineage、産卵材を試し掘りし、幼虫孵化を確認できました。 いつものように地味な動画で退屈かと思い、今回はBGMをつけてみました。 めんどくさかったのでクレジットは入れませんでしたが、音源は自作自演自録のオリジナルです。

          孵化直後のオオクワガタ初令幼虫

          再生

          2024 2nd. lineage

           今年の2系統目の産卵セット、親♀をリリースしました。  こちら♀は結構早期にこのように深く産卵坑道を掘り始め、産座も確認できましたので、打ち止めとしていただきました。  この材にも酵母培養液を添加しましたので、このとおり、カビは消滅して美材となっております。  やはり、産卵材は昨年のように天然腐朽材か、植菌材の生きた腐朽菌材が安定的ですね。廃ホダ木を加水しただけというのは菌は死滅していますから、ちょっと心もとないところありますもんね。無論、わたしの場合は「バクテリア材」な

          2024 2nd. lineage

          再生

          野外天然材の白色腐朽サンプル観察

          カワラタケ単独腐朽によるリグニン分解能。

          野外天然材の白色腐朽サンプル観察

          再生

          共生酵母培養液を菌糸瓶に添加すると?

           前投稿の最後に思わせ振りな「実験」発言していたのはこれです。まあ、ウチの読者のみなさんなら「やっぱりね」だったと思います。  植菌産卵剤への添加では、幼虫への酵母菌移譲の補足効果は勿論、カビ菌除去、ホロセルロース分解に明らかに効果が認められましたので、菌糸蔓延済み、また、再発菌操作時の菌糸瓶培地への添加の実験を実施しているところです。  やはり、腐朽菌との相性は抜群のようで、発菌が促進されているようです。毎年、夏季の白色腐朽菌の発菌操作は、気温の常温帯が多種の雑菌増殖の温

          共生酵母培養液を菌糸瓶に添加すると?

          10ヶ月ものオリジナル菌床製作経過

           オリジナル菌床、菌糸瓶の製作は、ほぼわたしのライフワーク的になってますが、これ、難しいんです。難しいからチャレンジし続けられているという感じ。誰でもできる簡単なことだと力抜けちゃうし、第一、すぐに飽きてしまうでしょう? 事、腐朽菌の培養というのは、相手が生き物なので本当に先が読めないことが多くて、こちらの算段どおりにはならないのです。だから、おもしろいし、新たな発見があるし、挑戦し続けられているんだと思います。  YouTuberの言うとおりの猿真似飼育をしていたっておもし

          10ヶ月ものオリジナル菌床製作経過

          実は見過ごしてはいけないH2O発露

           画像は、先日、産卵♀をリリースして静置中の2024 Lineage-1の産卵材ですが、今回はちょっと驚きの変化があり、シャッ! と対策を講じましました。  画像からお気付きの方も居られるかも知れませんが、蓋を外して不織布に交換しました。何故かと言いますと、結露の量が尋常じゃなかったからです。「何処から出るの、この水分?!」というくらいにケースの内面、蓋に水滴が一杯だったのです。 発露はサイン  今回の産卵材はウスヒラタケの自製植菌廃ホダ木材ですので、水分量は高が知れて

          実は見過ごしてはいけないH2O発露

          再生

          YouTube初出!これがオオクワガタ共生酵母菌の実体!

          YouTube初出!これがオオクワガタ共生酵母菌の実体!

          再生

          ワイルド・オオクワガタ共生酵母菌(京極株)実用試験経過

           培養も進み、次の段階に進んでおります。様々な実用試験段階です。  と言っても、実施は簡単。飼育中のオオクワガタが接する何かしらに添加するだけのことですが。 成虫の餌に添加  考えてみれば、自然下で樹液浸出している樹の患部には泡立ちがよく見られるのですが、あれは酵母菌によるものです。酵母は発酵の際によく泡立つのが特徴なのです。つまり、あれは樹液が天然の酵母菌によって自然発酵している証拠です。実際、最近の研究報告では、樹液場が昆虫たちの酵母菌の交換収集場所になっており、ネブト

          ワイルド・オオクワガタ共生酵母菌(京極株)実用試験経過

          京都市台場クヌギ・アーカイブ - 1

           地元でも今では知る人のまず居ない、京都市内のかつてのオオクワガタ生息地をチェックしてきました。此処はその地名さえもがクヌギ由来だったりするくらい京都市内でも屈指の本数の台場クヌギが在ったところでなのですが、道路敷設と宅地造成でその殆どが失われ、今はひっそりとその数本が残存しているのみです。  他に京都市内のクヌギ古木で有名どころですと、惟喬親王所縁の地の台場クヌギが知られていましたが、其処もかなり以前から管理放棄され既に崩壊。謂わば「台場クヌギ・アーカイブ」的な林でしかあり

          京都市台場クヌギ・アーカイブ - 1

          ツインピークス型オオクワガタ成長曲線

           本年度のKYOGOKU血統の2系統め産卵材です。こちらも1st.とまったく同様の仕込みをした産卵材を使用しています。これらの廃ホダ木材の品質は、老舗販売品且つ、お値段そこそこのL size品の割にはお世辞にも良質とは言えませんでしたが、独自にウスヒラタケ菌を植菌した一手間でなんとか産卵はしてくれたみたいです。おそらく、通常の水没後の半乾燥処置での使用では上手くはいかなかったでしょう。  タイトル画像は産卵setting後、二日経過のもので、ワイルド・オオクワガタ共生酵母培養

          ツインピークス型オオクワガタ成長曲線

          2024産卵材のその後

           産卵set後、もう一ヶ月以上経過しているのですが、実は、一週間ほど前まではまったくと言っていいほど♀の産卵行動の気配がありませんでした。それで、「これはひょっとして……」と思い、♀を取り出して、再度ハンドペアリングを実施。そして再度産卵setに投入したら、一週間後に材はタイトル画像の状態に至りました。 2024 1st. lineage  一度目のハンドペアリングで数回の繰り返し交尾の目視確認はしているのですが、実際に交尾はしていても何故か受精が上手くいっていない事例が

          2024産卵材のその後

          コンタミを考察する

           オオクワガタを菌糸瓶やマット飼育をしていると100%は中々忌避できないのが、害菌、害虫類のコンタミだと思います。特に、個人での腐朽菌培養のハードルの高さの主要因はこれに尽きるでしょうか。マット製作の場合は好気発酵させる場合は腐朽と腐敗との境界域ですので、完熟後はどうしても雑虫のコンタミは防御しきれないのではないでしょうか。  また、滅菌消毒とは簡単に言いますが、エタノールであれ、塩素であれ、これも100%完全には到底処理できません。一般家庭レベルではどうしても抜け穴ができて

          コンタミを考察する