kyogoku oakwagata

独自のフィールドワークにより自己採取した京都市産のワイルド・オオクワガタだけに拘りブリ…

kyogoku oakwagata

独自のフィールドワークにより自己採取した京都市産のワイルド・オオクワガタだけに拘りブリード。その他の種は扱いません。 飼育実験・検証に基づいた生態観察記録です。オリジナル血統名: 京極 https://www.instagram.com/kyogoku_oakwagata/

マガジン

  • KYOGOKUオリジナル菌糸瓶開発の道

    オオクワガタ飼育用オリジナル菌糸瓶開発に関する記事まとめ。

  • 参考資料

    参考資料引用元リンク集

  • 京都市台場クヌギ・アーカイブ

    オオクワガタ採集家的歴史解釈エッセイ

  • KYOGOKU OAKWAGATA @ YouTube

    YouTube channelでUPしている動画です。

  • ワイルド・オオクワガタ共生酵母菌(京極株)

    ワイルド・オオクワガタ保有の共生酵母菌採集サンプルを単離培養した経緯とその経過まとめ。この培養酵母菌の今後の有効活用とその有益性を考察する。

記事一覧

全頭菌糸瓶投入

 未だ初令の個体も居たのですが、食い盛りの2令も出だしたので、この際、全頭を菌糸瓶に投入することにしました。  が、頭幅が5mm以下の個体が居ないので、どうも♂だら…

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初令 - 2令幼虫管理

 現在、全頭2令化揃い踏みを待っているところです。まとめて2令幼虫を観察比較できるというのは飼育下では非常に稀なことなので、その機会を窺っているので す。  前にも…

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失敗菌糸瓶こそが最良?

 敢えて極端な表現をすれば、おそらく、そういうことです。  これまで、最良の状態を目指してオリジナル菌糸瓶製作に励んできたのですが、どうも、わたしの考え方が誤っ…

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本丸考察

 2023ラインの結果は、2024羽化分に関してはもう取り返しのつけようがないのですが、数頭、未だ蛹化していない♂個体がいます。それらが所謂「セミ化」なのか、2年化なの…

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独自視点実験検証で解ったこと(私的まとめ)

 当noteでは、だいたい以下のような内容を独自に実験検証しつつ研究してきましたので、まとめてみました。各トピックに興味を持たれた方は過去投稿をご覧いただければ、そ…

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非加水培地培養実験 - 2

 種菌は既に白色化して再発菌完了し、次に白い菌糸が培地内に伸びてきました。  連日30℃を越す猛暑の常温管理ですが、まったく問題なく、いや、むしろ活発に発菌してい…

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本年度♂蛹化第1号

 2023ラインの♂個体も1頭めが蛹化しました。小さいです。羽化後体長はおそらく50mm代でしょうか。我が家では珍しい中歯型のようです。まあ、今となっては仕方がないです…

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非加水培地培養実験 - 1

菌床培養の手法  今回は(今回も?)少々専門的な内容になり、先ずは基本的な情報を列記しておかないと平易な解説にならないので、そこから始めることとしますね。オオク…

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実験済み添加剤一覧

 今現在は飼育幼虫の餌材への添加剤は不使用ですが(天然共生酵母菌のみ使用)、これまでにわたしが独自に実験導入した添加剤について公開します。  専門店で販売されて…

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エビデンスざんす

 以前に、菌糸ブロックを崩して菌糸瓶に自詰めするとき、「白い菌体膜(厚いものでも)は一緒に崩して培地に混ぜておけばよい」、また、子実体が発生したときは、「摘み取…

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加水不要な件

 このボトル、2024ラインの初令幼虫を投入済みの1500ccウスヒラタケ菌糸瓶なのですが、通気穴はこのようにガムテープで目張りして塞いであります。  幼虫投入後に気づい…

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2023 KYOGOKUライン 今年初蛹化確認

 やっと蛹化を確認しました。やはり先発は♀でした。ただ、この個体、殆ど菌糸を食べてないんですよね。しかも、このボトルのみの1本還しなのです。この個体を投入したボ…

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孵化幼虫管理その後

 2024年KYOGOKUラインの幼虫たち、一部は菌糸瓶に投入済みなのですが、未だ未投入組が居ます。  このような採集幼虫持ち帰り用のケースに小分けして管理中。2令に加齢し…

kyogoku oakwagata
2週間前
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幼虫の加齢による代謝変化

 菌糸瓶飼育では、3令幼虫の食痕(糞)が何故に褐色化してしまうのか。その原因を今一度考察し直してみました。 加齢による変化  これはですね、今後の飼育方針と言い…

kyogoku oakwagata
4週間前
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菌糸瓶のリグニン分解には1年必要

 タイトル画は、実験用に保管していたウスヒラタケ菌糸200 cc cupで、このcupに充填して後、常温管理の1年ものです。Cup容器には一切空気穴は設けず、蓋と培地上面は密着…

kyogoku oakwagata
1か月前
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京都市台場クヌギ・アーカイヴ - 2

 わたしは基本的に夏場の山行きは純粋な山活優先で、オオクワガタは二の次です。それは、樹液木採集の成虫はダニが100%付着していますので、持ち帰ると他の個体に感染して…

kyogoku oakwagata
1か月前
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全頭菌糸瓶投入

 未だ初令の個体も居たのですが、食い盛りの2令も出だしたので、この際、全頭を菌糸瓶に投入することにしました。  が、頭幅が5mm以下の個体が居ないので、どうも♂だらけなんですよ。♀が見当たりません。昨年も♀率が低かったのですが、今年はもっと酷い。既に初令で投入済みの先行組みに♀が居てくれるかどうか。まあ、こればっかりは仕方ないですね。  そして、実験の多頭飼育、5 Litreリカーボトルに4頭投入しました。当初は♂ x 2に♀ x 3の5頭を予定していたのですが、どうも全頭♂

初令 - 2令幼虫管理

 現在、全頭2令化揃い踏みを待っているところです。まとめて2令幼虫を観察比較できるというのは飼育下では非常に稀なことなので、その機会を窺っているので す。  前にも説明したように、採集用に持っておりましたmeiho製のコマ分けケースをそのまま利用してのマンション式多頭飼育管理なのですが、空気穴は一切設けておりません。餌材は産卵材のウスヒラタケ植菌ホダ木クヌギの再利用で、砕いた材に共生酵母培養液を適時添加のみです。これで、早約一ヶ月が経過の状態です。  共生酵母培養液の添加は

失敗菌糸瓶こそが最良?

 敢えて極端な表現をすれば、おそらく、そういうことです。  これまで、最良の状態を目指してオリジナル菌糸瓶製作に励んできたのですが、どうも、わたしの考え方が誤っていたように思っています。それが今期から高C/N比培地へ振り切ることになった一因でもあるのですが、それはどういうことかと言いますと、これが少々説明が難しいのです。 判断基準の設定が問題  指標としては、C/N比なのですが、問題はですね、菌糸瓶というのは生きた腐朽菌が主体のほぼ生ものなので、培地の状態(C/N比)は常

本丸考察

 2023ラインの結果は、2024羽化分に関してはもう取り返しのつけようがないのですが、数頭、未だ蛹化していない♂個体がいます。それらが所謂「セミ化」なのか、2年化なのか、それとも、今年中に羽化する晩期羽化なのか、そのあたりが未明なのですが、もしも2年化ということであるなら、まだ最終結果はお預けということになります。  さて、このnoteでの投稿を開始するにあたっての初稿——「ごあいさつ」に書いたように、わたしのオオクワガタ研究課題の本丸は「ワイルド・オオクワガタの大型化」で

独自視点実験検証で解ったこと(私的まとめ)

 当noteでは、だいたい以下のような内容を独自に実験検証しつつ研究してきましたので、まとめてみました。各トピックに興味を持たれた方は過去投稿をご覧いただければ、その経緯から詳しく読んでいただけることと思います。 注)すべてわたし個人による実験検証と自己分析によるもです(一部仮説も含みます)。あくまで素人の検証論説でしかありませんので、ご参考程度に願います。 白色腐朽菌関連  完全密閉でない限り培養用容器に通気穴は必要ない(むしろ、発菌・蔓延に高効果)  白い菌体膜、子

非加水培地培養実験 - 2

 種菌は既に白色化して再発菌完了し、次に白い菌糸が培地内に伸びてきました。  連日30℃を越す猛暑の常温管理ですが、まったく問題なく、いや、むしろ活発に発菌している状態です。これも、巷のblogerやYouTuberたちは六に調べもせずに「30℃を越すような環境では菌糸は劣化するので冷蔵庫などで保管しましょう」とか仰っておるわけですが、このように、それは菌種(菌株)によりますよ、ということです。  同じボトルの同じ面を撮影しているのですが、変化の様子がお判りでしょうか? 種

本年度♂蛹化第1号

 2023ラインの♂個体も1頭めが蛹化しました。小さいです。羽化後体長はおそらく50mm代でしょうか。我が家では珍しい中歯型のようです。まあ、今となっては仕方がないですね。 失敗原因  思い返すと、昨年は市販菌糸ブロックを使用し、脱リグニンのための再発菌操作を繰り返すというオリジナルな手法のみ手を入れたコンサバティブな飼育に切り替えたのが仇になったかたちです。  何故、そうしたのかと申しますと、夏場のオリジナル菌糸瓶製作の最大の懸念、害菌コンタミによる失敗リスクを回避せん

非加水培地培養実験 - 1

菌床培養の手法  今回は(今回も?)少々専門的な内容になり、先ずは基本的な情報を列記しておかないと平易な解説にならないので、そこから始めることとしますね。オオクワガタ本体は関係ないので、一般的なオオクワガタ・ブリーダーにはスルーな話だと思うのです。だから、無知だということなんですが、オオクワガタ飼育は腐朽菌(菌糸)について詳しく熟知していないとお話にならないんですよ。  さて、菌床・菌糸瓶の拡大培養の手法は幾つもありまして、基本的には、主に下記のポイントが重要となります:

実験済み添加剤一覧

 今現在は飼育幼虫の餌材への添加剤は不使用ですが(天然共生酵母菌のみ使用)、これまでにわたしが独自に実験導入した添加剤について公開します。  専門店で販売されているような定番添加剤については無効果と認識していましたのでわたしは試用していません。 「おすすめ度」は、五段階★評価です。が、決して実使用を推奨しているわけではなく、あくまでわかりやすい指標としての評価設定ですので、実使用は自己責任でお願いします。 グリシン  アミノ酸の一種です。タンパク質はどんなものであろうとも

エビデンスざんす

 以前に、菌糸ブロックを崩して菌糸瓶に自詰めするとき、「白い菌体膜(厚いものでも)は一緒に崩して培地に混ぜておけばよい」、また、子実体が発生したときは、「摘み取って崩して培地に穴を掘って混ぜておけば再分解吸収される」と以前からわたしは申しておるのですけれども、そのエビデンスとなる報文を見つけましたので、以下に引用し、改めてご紹介しておきます。  要するに、腐朽菌は自己細胞壁分解酵素を持っていて、謂わば自己リサイクル再生する機能があるという話。  わざわざ手間の掛かる菌床ブロッ

加水不要な件

 このボトル、2024ラインの初令幼虫を投入済みの1500ccウスヒラタケ菌糸瓶なのですが、通気穴はこのようにガムテープで目張りして塞いであります。  幼虫投入後に気づいたことで、前投稿に詳しく書きました、ボトル上部のスペースを無くすべく早速処置したのがコレでして……コーンフレークじゃないですよ。  思いつきで、常備してあったパルプ材(只の紙屑)を培地上面の空きスペースに蓋すれすれまで打ち込みまして、蓋をしてそのまま数日放置してみました。このパルプ材は非加水です。すると、

2023 KYOGOKUライン 今年初蛹化確認

 やっと蛹化を確認しました。やはり先発は♀でした。ただ、この個体、殆ど菌糸を食べてないんですよね。しかも、このボトルのみの1本還しなのです。この個体を投入したボトルに使用した種菌ブロックは、昨年新規に取り寄せたメーカーのもので、これが期待外れの明らかに品質が良くない代物だったのです。なので、この菌糸を使った個体は軒並み拒食傾向で生育不良、しかも、最後の最後に落ちた個体が多数。大きめの♂ばかりがアウトでした。なので、2023ラインはほぼ壊滅です。  もう一種類使用した方の種菌の

孵化幼虫管理その後

 2024年KYOGOKUラインの幼虫たち、一部は菌糸瓶に投入済みなのですが、未だ未投入組が居ます。  このような採集幼虫持ち帰り用のケースに小分けして管理中。2令に加齢した個体も現れ出しましたが大半は未だ初令です。流石に3令はこのケースの仕切り内には収まりきりませんから、雌雄判別可能な2令になれば順次菌糸瓶に投入する予定です。  定説では——大型化には、初令幼虫の段階でできるだけ早期に菌糸を食わせるべし——ということですが、わたしはそれはまったく大型化に寄与することはなく

幼虫の加齢による代謝変化

 菌糸瓶飼育では、3令幼虫の食痕(糞)が何故に褐色化してしまうのか。その原因を今一度考察し直してみました。 加齢による変化  これはですね、今後の飼育方針と言いますか、改善点を考えていたときにふと思いついたのです。3令に加齢するまでの初令から2令までの幼虫の食痕が褐色化したことって今までにないな……と。これは何を意味するのかというシンプルな疑問。  ただ、これまでは孵化初令幼虫は3令に加齢するまで200cc cupの菌糸で管理していたんですよね。その空気穴無しのcupでの

菌糸瓶のリグニン分解には1年必要

 タイトル画は、実験用に保管していたウスヒラタケ菌糸200 cc cupで、このcupに充填して後、常温管理の1年ものです。Cup容器には一切空気穴は設けず、蓋と培地上面は密着させた状態で充填密閉しておりました。これを崩して状態を調べてみました。  培地はクヌギの生オガ使用です。そのオガ色は元々は茶色でしたが、現状では生の白木が少し水を吸ったくらいの木肌色にまで薄まっていました。判断基準としては理想的な色調で、リグニンが大方分解された状態と判断して良いかと思います。これくらい

京都市台場クヌギ・アーカイヴ - 2

 わたしは基本的に夏場の山行きは純粋な山活優先で、オオクワガタは二の次です。それは、樹液木採集の成虫はダニが100%付着していますので、持ち帰ると他の個体に感染してしまうリスクが高いからです。以前は樹液木採集成虫は隔離飼育していて他個体への感染は大丈夫ではあったのですが、わたしの飼育目的と採集スタイル的には、樹液滲出木での成虫採集は暫し観察後にその場でリリースで良いかなと思っています。オオクワガタ以外の他種クワガタについてもダニ着き・無しに関わらず同様の扱いですね。ですので、