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(無料公開中)<第50回> 「早期離職」の場合、面接ではどのように経験をアピールしますか?

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こんにちは、安斎響市です。


今日いただいた質問は、

いつも楽しく拝見してます! 安斎さんは1年単位の転職経験があると思いますが、転職面接で1年間の経験をどのように話してましたか? 1年間で得られる実績は大したことないケースが多いと思いますが、どのように説明されていたのか教えて頂けると嬉しいです。

 というものです。

※この週刊連載:安斎響市の「転職相談室」(毎週土曜日更新)は、マシュマロというツールで募集した匿名の質問に対して、安斎響市が、徹底的に真面目に答えていくという企画です。

かなり込み入った質問や、人生相談のような投稿も多く、Twitterで140文字だけの回答だと私の意見を説明しきれないため、毎週1問、このnote記事で徹底解説していきます。

質問の投稿は、こちらから


いや~、良い質問ですね。

そうなんですよ。私、なんだかんだ偉そうなこと言ってますけど、ジョブホッパーなんですよ。


2社目の会社、たった1年で辞めてますし、実は3社目の会社も1年くらいで辞めています。普通に考えたら、相当ヤベぇ奴です(笑)。


「1年間で得られる実績は大したことない」

その通りです。何の「売り」にもなりません。


たった1年の経歴は、「経験者採用」の武器としては、弱すぎます。

そんな厳しい状況の中で、私がどうやって「早期離職」のハードルを乗り越えて転職を成功させたのか、そこんところ、どうなの? という話を、今日は少し語りたいと思います。


「早期離職」は、転職活動には圧倒的に不利!


まず、大前提からお話ししておくと、「早期離職」は、転職活動において、考え得る限り、ほぼ最悪のステータス異常です。


「もうどく」&「ねむり」みたいなものです。
※ドラクエをよく知らない方、ごめんなさい。


とにかく、「早期離職」は、企業側からは「ヤベぇ奴」扱いです。

ほとんどの会社は、書類選考で「不合格」でしょう。それが当たり前です。


そのくらい、入社して1年くらいで会社を辞めるというのは、「異常者」みたいな目で見られるものです。まぁ、仕方がないです。



とはいえ、現実的に「入社1年未満だけど、もう辞めたい。死にそう…」って人もいるでしょう。かつての私もそうです。


そういう状況に陥ってしまう人が多くいるのは理解できます。

しかし…

基本的に、社会人の職務経歴は、3年以上のものでないと「経験者」とは見なされません。

たった1~2年で辞めた仕事というのは、あまりにも経験年数が浅いため、「経験がある」とは評価してもらえないものです。この場合、自己PRの際に現実的に取れる手段としては、主に、以下の2つです。

  1. 短期間だけ在籍した会社の仕事についてはあまり話さず、それ以前の職歴をメインにアピールする

  2. 直近の職歴だけだと短すぎるため、「1社目での営業経験4年、2社目での営業経験1年の合計5年間経験があります」など、複数の社歴をつなげてアピールする


この方法であれば、何とか「早期離職」のマイナスをカバーする形で自分の職務経歴をPRすることも可能です。


以前の職歴をメインにアピールする


まず、「以前の職歴をメインにアピールする」ということについて。

当然ですが、過去のキャリアが「金融業界6年」「IT業界1年」であれば、この人が「IT業界の経験者だ」とは誰も思いませんが、「金融業界のことなら多少は知っているな」という評価にはなります。

つまり、1年間、時間を無駄にしたことは置いておいて、元いた業界に戻ったり、前職の経験を武器にして転職したりすることはできます。

これは結構メジャーなテクニックで、多くの人がやっていることです。過去に5年~10年同じ業界(職種)での経験があり、その知見・ノウハウが錆びついていない(その仕事を離れてから3年以内など)状況であれば、一旦、現在の会社での1年程度の短い職歴は「なかったこと」にして、元いた業界(職種)に戻ることはできます。

転職に失敗した人の中で、「再転職」の成功例として最も多いのがこのパターンだと思います。


ぶっちゃけ、私もそうです。

27歳の時、初めての転職で入社した会社があまりにもヤバい職場だったため、あっという間に、元いた業界の、元いた企業の競合他社に移りました。結果、私のキャリアは、それ以前と比べても大きく花開きました。

やっぱり、人それぞれ、「合う業界」「合わない業界」があるので、失敗した!!と思ったら、元の業界・元の職種に戻る道を考えるのも一案だと思います。

私は、救われました。


複数の社歴をつなげてアピールする


もう一つ、現実的な手段が、「過去の複数の職歴を上手くつなげてアピールする」ということです。

例えば、過去の職歴が、1社目勤続「3年」、2社目勤続「1年半」だったとしても、同じB2B営業職であれば、「法人営業の経験が5年近くあります!」と言って、「必須条件:法人営業経験5年」などの求人に応募して内定をもらえる可能性は、実はまあまあ、あります。

キャリアがブツ切りになっていたとしても、過去の複数の会社でのキャリアを何とかつなぎ合わせて、そこに「一貫性」を持たせることができないか? という問いです。


これは、かなり重要な考え方です。

これさえ上手くやれれば、転職活動は結構、楽勝だったりします。

自分のキャリアを一貫して語るストーリーさえあれば、例えば、「たった1年の早期離職」を、「過去5年の一貫した経験のうち1年」という扱いに生まれ変わらせることができるからです。

つまり、この「短期間の経験」も自分のキャリアの積み上げの一部としてアピールできる、ということです。


もちろん、本当にそれがアピールになるかどうかは、その人の「プレゼン能力」と「面接対策レベル」次第ですけどね。



新卒1年目の「早期離職」は、絶望的


ここまで読んで、気が付きましたか?

これらの方法は、「前職」の経験と組み合わせる前提なので、社会人として初めて入社した会社の新卒1~2年目で辞めてしまった場合には、使えません。


では、新卒1~2年目の退職の場合は、どうやって自己PRをすればいいのか?


これは、非常に難しい問題です。私からのアドバイスは「新卒入社3年以内は、できるだけ辞めないのがベスト」ということです。

新卒入社した1社目の会社を早期離職してしまうと、「資格」「学歴」「語学力」等しかPRできる内容がなく、職歴が浅すぎて「第二新卒」枠の採用などになってしまうため、良い環境・待遇の会社に転職するのは非常に難しいです。

9割方、キャリアが大きくマイナスになります。

これは、ガチです。



おわりに


以上、「早期離職」の場合、面接ではどのように経験をアピールしますか? というお話でした。

何だよ! 新卒1年目の場合は、結局どうしようもないじゃないか!! と思う人もいるかもしれませんが…… 新卒1年目の「早期離職」対策について書き始めるとあまりにも長くなるので、今日は、詳しくは書きません。

新卒の早期離職になってしまうけれど、どうしても転職したいという人は、こちらの記事を読んでください。



今日のお話は、あくまで、過去に社会人として一定の職務経歴を積んできた人たちの転職後の「早期離職」に対するアドバイスです。

逆にいうと、一度、同じ業界・職種で5年以上の確固たる業務経験を積んでいれば、仮にその後どこかでキャリアを間違えたとしても、いつでも戻ることができます。少なくとも、食いっぱぐれはありません。

やはり、一度、自分の「専門分野」で「武器」を作っておくと、将来的に何かあっても挽回が可能で、キャリアは安定してくると思います。


以上、お相手は、安斎響市でした。



転職攻略noteや書籍も、よろしくお願いいたします!!


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