プロットの読み方とは?
プロットという言葉を知ったのはいつだっただろう。
アマチュアのときはそれほど意識しなかったが、プロになってからやたらプロットというワードを聞いた。そのうち常にそばにいるようになる。
「企画書のプロットお願いできる?」
たいてい、これが脚本家への入口の仕事になる。
そしてプロデューサーと打ち合わせを重ねてプロットにしていく。
プロット段階で何稿も重ねるなんて当然ある。
企画が通れば、シナリオが書けると意気込んで始めるも、リライトが難航し、さらにギャラの支払いが不明になると、だんだん意欲を削がれていく。
不平不満愚痴不信が募って、結局書けなくなるというのが新人のパターンだ。
ぼくも何度もそれで失敗し、チャンスを逸した。
しかし時を経て思うのは、あとちょっとの我慢だったりする。
プロットの直しのヘルプに入ることが今もある。そのたびに、どうしてここまで書けて最後まで書けなかったのだろう、と前任者が誰か知らないがもったいないと感じることが多々ある。
でもプロットを読んで書けなかっただろうなとも思う。なぜならプロデューサーの直しの意向と、ライターが譲れなかった数行に気づくことがあるからだ。そこが書けなくなってしまった分岐点になっている。
シナリオ講座の研修科は、まずプロットを経て、ハコ書き、シナリオ制作に進む。
授業は、提出された作品に対し、先生と生徒が講評する合評がメインになる。
趣旨は、リライトの制作現場を想定してとのこと。
たしかに打たれ強くはなりそうだ。
だが一つ問題がある。
プロの現場で寄せられる意見は、作品に対する感想ではない。
発注者がいて、受注者の脚本家という立場がある。
脚本家が好き勝手に書いたものではなく、発注者の意向や望みを正確に汲み取って書かれたものかどうか、また決定稿にできるレベルかが論点で、そのための直しの作業の意見が寄せられる。
一方、アマチュアには発注者がいない。究極好き勝手に書いていいので、どうしても作品への意見となると、他者からは感想しかあがってこなくなる。
その感想を聞いて、直すというのは実はとても危険だと思う。
なぜなら、読み取り方に差が出るからだ。経験値の差、知識や知性の差、年齢差、また日々の忙しさや感情に左右される恐れだってある。
だから、プロットの最低限の読み方を知ってほしいと考えた。
『ストーリーアナリスト』という本に読み方のポイントが書かれている。
つまり、主人公に何も問題が起きていなかったり、何について書かれた話かわからないと、それはダメなプロットということだ。
次に、もっと具体的にプロはどこを見るのか。
これはぼくの経験や多くの参考図書を学んでわかってきたことだ。
設定についてもう少し詳しく説明すると、
この設定が、第1幕の冒頭部分、セットアップで明確に語られているか。
問題が提示されていないと、物語を始められません。
状況設定を必ず提示し、スタートしましょうねということ。
まとめると、キャラクター、設定、題材、展開がプロットに必要になる。
プロットを読む際も、この点があるか、ちゃんと書かれているかを注意深く確認する。
裏を返せば、自分がプロットを書くときもこの4つがあるか確認することである。
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