感情的になりそうな時はその場から離れて

 自分のちょっとした行動にイライラしているのだろう。ここでイライラするなと言っても、相手がその言葉を受け入れる状況になっていないから、火に油を注ぐようなものだな。逆効果でしかない。
「僕ちょっと休憩がてら給湯室でコーヒー入れてくるけど、コーヒー入れてこようか?」
 別の人に声を掛けながら用事をつくる。
「あっ、ありがとう。でもコーヒーよりお茶にしてもらって良い?」
「分かった。」
「ありがとう。」
 給湯室に行ってから、さっきの時間を振り返る。
 用事なんてなんでも良かったんだな。コーヒーを飲んでひと息ついてから戻ったら、その頃には気分も多少なりとも落ち着いているだろうし、戻ったら何にイライラしていたのか聞いてみるか。
「ごめん、ちょっとコーヒー飲んでひと息ついていたら戻ってくるのが遅くなった。」
「いやそれは良いけど。」
 そんな会話をしつつ、別のイライラしていた同僚をチラリと見たら気分は落ち着いていた。
「ねえさっきちょっと感情的になっていたように思えたんだけど、なんかあった?」
「ごめん、タイピングでミスをしていてちょっと自分にイライラしていたんだよね。ついイライラしてしまうから。空気悪くしてごめんね。」
「いや良いよ。俺もけっこうタイピングでミスをして、ついイラってくるときもあるからさ。」
 言わなくても分かっているようだった。それだったら今は追い討ちをかけなくて良い。その場を離れるっていうのも正解だったな。

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