ミスをポジティブに

「ごめん本当ミス多いね。」
「またなにかやらかしてましたか?」
「うんまあ。どうにかならないかな?」
「気をつけているんですけど、正直ミスを全てなくすっていうのは難しいです。」
 確かにこれだけミスをしている人なら、ミスを完全になくすって無理に近いだろうな。それに完全にミスをしないっていうのであれば、それは俺自身も出来ないことだと思う。
 この人は不注意ことが多い。それは生まれ持った性格だから、それを精神論でミスをなくせ、注意しろと言っても変わるのは一時だけだ。根本的な解決には至らない。どれは今までのところでよく分かった。
 でもちょっと待て、だとするならこの人のような不注意な性格な人でも確実に業務を追行出来るようなシステム作り、マニュアルを考えたら今よりずっと組織全体のミスが減って、それを提案した自分の評価も上がるんじゃないか。
 それならミスをしてもイライラもしないし、良いことづくしじゃないか。
「じゃあ今回のミスをどうしたらしなくて済むようになるか、もう少しじっくり考えてみたいんだけど、俺と一緒に考えてくれる?」
「それはもちろんです。僕1人ではどうも考えられないので先輩が一緒に考えてくれるなら心強いです。」
「OK、じゃあミスする度に一緒に考えるか。それをこの部署全体で改善案として打ち出したいんだけど構わないかな?」
「僕は構わないです。」
「ありがとう。」
 これで自分のこの後輩への見方も変わってきたし、ミスに対するイライラも減ったし、これが改善されれば自分の会社からの評価も変わる。最初はマイナスばかりに考えていたけど、これからはそうではないかもしれない。

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