見出し画像

【noteで学ぶ腸内細菌学79:『乳酸菌シロタ株』を学ぶ】

 久しぶりの腸内細菌note!

(蛙・ω・)<最近、話題の乳酸菌飲料がありますよね。そう、「ヤクルト1000」です。

 売り切れ続出で、新規のヤクルトの契約が中止になるほど。
 
 昔流行った「納豆ブーム」を思い出します。

 で、なぜヤクルト1000が超話題かって言うと、

・1本のヤクルトに乳酸菌が1000億個入ってる
・11週間の実験において、「ストレス緩和」「睡眠の質の向上」が認められた

 といった感じ。
 
 カエル的には納得です(o・ω・o)乳酸菌が1000億個入ってる飲み物を8週間飲めば、体調は改善するでしょう。間違いありません。

 で、実際にヤクルト1000を11週間飲めば効果が得られるのか、は置いといて(実験で用いられたのは「乳酸菌を1000億個含む飲み物」であってヤクルト1000ではない)、

(蛙・ω・)<ヤクルト1000に入ってる乳酸菌って何ぞ?

 ってところ。
 乳酸菌を毎日大量に摂取してれば体調改善するのは自明の理なので、「ヤクルト1000には何が入ってんの?」の方が気になる。

 で調べてみた(公式に載ってる)。


□乳酸菌『ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株』

 ヤクルトと言えばシロタ株ですよ!(o・ω・o)


■歴史

1930年(昭和5年)、医学博士代田稔(しろたみのる、後のヤクルト創始者)が、京都帝国大学(現 京都大学)医学部微生物学教室にて、強い酸性培地で乳酸菌を培養し、さらに耐酸性の高い株を選抜した結果得られた。その結果「ラクトバチルス・アシドフィルス・シロタ株」と命名された。
 
1967年までは「Lactobacillus acidophilus シロタ株」を称していたが、その後「Lactobacillus casei シロタ株」と改められた。ただし、現在の分類では「Lactobacillus casei」ではなく、厳密には近縁な「Lactobacillus paracasei」に所属する見解がある。

Wikipediaより引用

「ヤクルト」と名の付く製品には、この「シロタ株」が入っているとのこと。
 
 市販されている「普通のヤクルト」にも同じシロタ株は200億個入っております。
 たぶんヤクルト1000をわざわざ探し回らなくても良いと思う……(詳しい乳酸菌の配合は分からないので絶対とは言えませんが)

□特性とヤクルトによる研究

耐酸性であることから、胃液や胆汁中でもほとんど死滅することなく、最終的に排便まで生き続けられる。そのため、経口摂取しても生きたまま腸に届く(主に小腸で働く)。
 
ちなみに、「ヤクルト400」や「Yakult1000」などヤクルト製品の末尾に付されている数字(「ヤクルト80Ace」などを除く)は、その製品に含有されている、この株の億単位での個数のことである(例えば「ヤクルト400」の場合は400億個の株が含有されていることを意味する)。また、現行の「Newヤクルト」(通常のヤクルト)には容器に「200」と大書きされており、200億個の株が含有されていることを示している。

Wikipediaより引用

 上記はヤクルトによる「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」の特性と研究論文です。

■ストレスホルモン「コルチゾール」の低減効果

「乳酸菌を1000億個含む飲料」を飲むグループと、「乳酸菌飲料と見た目と味は同じだが乳酸菌を含まない疑似液体」を飲むグループに分け、唾液中に含まれるストレスホルモン「コルチゾール」の分泌量を比較したものです。
 医学部の学生を対象に行った実験で、ストレスの発生源は「進級を左右する学科試験」、つまりシンプルに「緊張する環境下において、乳酸菌飲料はストレスを軽減するか?」を調べた訳です。
 結果は上図の通り。 

✅乳酸菌飲料グループは試験直前の「ストレスのピークタイム」にコルチゾールの分泌量が低下した
 
 ことが解ります。
 なおこの実験は3回行われており、進級前の多忙な医学生を捕まえて、11週間に渡り唾液採取を行うという、それだけでストレスがかかりそうな実験を3年に渡り140名の男女に行っております。


■睡眠の質の向上

 もう1つの実験では、同じく学科試験前の医学生を対象に11週間の睡眠の質計測を実施。
 こちらは2年間で94名の男女の脳波を計測しています。
 77日間(☓2回)もの間、脳波計を付けて睡眠を取らせたのでしょうか……笑
 
 とにかく、こちらも上図のように、

✅乳酸菌飲料グループは「睡眠の深さ」「熟睡度」「目覚めの良さ」において疑似飲料グループを上回った

 ことが解ります。
 
 
 ヤクルトの研究チームが行った実験により、乳酸菌「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」はストレス緩和と睡眠の質向上の面において、有益な結果を示した訳です。

 みたいなことをヤクルト公式様が動画に分かりやすくまとめてくれてるのでコチラもどうぞ。

 

□乳酸菌『ラクトバチルス属』をはじめとする細菌の有益性

 これまでにもカエルのnoteでは、乳酸菌『ラクトバチルス属』について紹介してきました。

 例えば「胃癌の原因」であるヘリコバクター・ピロリ菌を死滅させる力を持った『ラクトバチルス・ロイテリ』

 日本に在住する「長寿者」の腸内に大量に存在する長寿菌と呼ばれる『ラクトバチルス・ヘルベカティス』

 キムチやザワークラウト、生のキャベツに存在する「アンチエイジング効果」を持つ(肌の毛穴が目立たなくなるという研究論文がある)『ラクチプランチバチルス・プランタラム』

 
 などなど。
 今回紹介した『カゼイ・シロタ株』以外にも、様々なラクトバチルス属、そして乳酸菌が存在しています。


□最後に

(蛙・ω・)<ヤクルト1000がちゃんと効果があることは解った。あとヤクルトの創始者の田代博士がすごいこと、現在も乳酸菌の研究を続けるヤクルト研究チームが素晴らしいことも解った。
 
 ただ、カエルが思うのは、

(蛙・ω・)<もっと色んな種類の細菌を摂ろうよ!


 ってこと。
 善玉菌をたくさん摂ることはすごく良い事ですが、腸内細菌は「多様性」も非常に重要。

 まして、経口摂取した(外部から摂った)細菌は、基本的に腸内に定着しません。
 超長期間に渡って継続接種することが大事なワケです。
 
(蛙・ω・)<これから一生毎日ヤクルト1000飲めんのか?

 って話。
 いや、それができるなら是非やるべきなんですけどね。
 でもそれができるのはほんの一部の人でしょう。ヤクルト1000がいつ生産終了になるとも分かりません(その時はもっと高い効果を持つ乳酸菌飲料ができているでしょうけれど)。
 
 なので、普段から色んな細菌を口にして、色んな細菌に触れることが大事なんです。

 ちなみにカエルが推奨する細菌との付き合い方は以下

✅食事から『菌』を摂る
✅食事から『腸内細菌の栄養』を摂る
✅サプリメントで『菌』『菌の栄養』を摂る
✅自然環境に触れる機会を増やす
✅睡眠の質を上げる
✅運動習慣で腸内細菌を増やす
✅人や動物と触れあう(細菌を移しあう)
✅ストレス対策
 

 詳しくはコチラに詰め込んでまとめたので参照のこと。

 
 せっかく、ヤクルト1000がバズって「乳酸菌」が注目されてますし、優れた水溶性食物繊維イヌリンを布教してるいぬいりんのすけも「イヌリンの精霊王」にジョブチェンジしたことだし。

 もっと「腸活」「腸内細菌学」が世に認知されたらええなぁ。

 って思ってます。
 今後もカエルは腸内細菌について色んなトピックを紹介していきますので(o・ω・o)どうぞよしなに。

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,387件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?