【noteで学ぶ腸内細菌45:ママから赤ちゃんへの贈り物『母乳に影響する腸内細菌』】
こんにちは(o・ω・o)カエルです。
1分では読めない少し長めのnoteです。
とは言え3分くらい。
今回はコチラのニュースの内容に触れて、2つの細菌を紹介します。
(蛙・ω・)<ゆっくりしていってね。
■先ずはニュースの内容を紹介
ヒトが罹患する病の7割以上に腸内細菌が関与していて、9割以上の病に対する免疫遺伝子を腸内細菌は保有しています。
つまり、
✅ヒトは腸内細菌無しでは安全に生きていけない
というのは既に科学的に結論付けられています。
そして今回のニュースの内容。
2021/9/7に『Cell Reports』に掲載された論文
□東北大学による研究論文『腸内細菌叢はパイエル板に依存した母体IgAの母乳への分泌を誘発する』において、
赤ちゃんがママからもらう『母乳』には病気への免疫機能を持つ『IgA抗体』が含まれており、腸内で生成された免疫細胞が乳腺へと運ばれると『IgA抗体』を生成される。
生後間もない、免疫力が弱い赤ちゃんは母乳を飲むことで多くの病に対する免疫能力を獲得することが解った。
また、IgA抗体を生成するのに必要な免疫細胞を生み出している腸内細菌には大きく2種類があり、『B アシディファシエンス』『P ブッカリス』であることもゲノム解析によって判明した。
という内容が書かれています。
赤ちゃんは胎内では無菌環境で育ちますが、出産時に産道を通ることでママが保有する多くの細菌を受け取ります。
前述したように、細菌は多くの病気から赤ちゃんを守る働きがあるため、腸内細菌は『最初の贈り物』と呼ばれています。
また、帝王切開で生まれた赤ちゃんは保有する細菌が少なくなるため、アレルギー性アトピー皮膚炎などになりやすいことが解っています。
しかし、ママの母乳を飲むことで抗体と細菌を受け取ることで細菌の保有量は平均化されていきます。
(蛙・ω・)<病原菌から赤ちゃんを守るのと同じくらい、赤ちゃんに多様な細菌に触れる機会を作ってあげることが重要なのです。
■2種の腸内細菌
□『Bacteroides acidifaciens:バクテロイデス アシディファシエンス』
(蛙・ω・)<バクテロイデス属は腸内細菌の最優勢菌であり、乳酸菌であるラクトバチルス属よりも『Iga抗体』の産生誘導能が高いことが解っています。
残念ながら『バクテロイデス アシディファシエンス』単体の情報は検索しても見付けることが出来ませんでしたが、今後の研究で解析・アップデートされていくでしょう。
バクテロイデス属の細菌は日和見菌と呼ばれており、腸内環境が良好であれば善玉菌と共に身体に多くのメリットをもたらしますが、腸内環境が悪化すると悪玉菌と共に腸壁を食い荒らしたりすることも解っています。
バクテロイデス属の好物は『フラクトオリゴ糖』や『イヌリン』『難消化性デキストリン』などの『難消化性食物繊維』です。
野菜・果物・サプリメントなどで摂取すると身体の調子を整えることができます。
赤ちゃんの腸内細菌は、離乳食が始まるまでは『ビフィドバクテリウム属』いわゆるビフィズス菌がほとんどを占めています。
離乳食が始まるも共にバクテロイデス属など、普通の細菌が増加。
10歳頃までには大人と変わらない腸内細菌叢になっていきます。
ですので離乳食をスタートさせてからは、イモ類・海藻類・ほうれん草など、難消化性食物繊維を含む食材を使うと赤ちゃんの腸内細菌叢を豊かにしていけます。
食材によっては、食べ物アレルギーなどのリスクもあるかと思いますが、アレルギーは腸内細菌の状態によって軽減ができるので、お父さんお母さんが知識として持っていると良いと思います。
□『Prevotella buccalis:プレボテラ ブッカリス』
プレボテラ属とバクテロイデス属は元々同じ祖先を持つ細菌と考えられています。
1990年にバクテロイデス属とバクテロイデス属に分類分けされました。
日本人の腸内細菌叢は『バクテロイデス属』VS『フィルミクテス属』が最優勢菌のシェア争いをしていますが(と言うか宿主であるヒトがどんな生活をしているかに左右されますが)、
アフリカでは『プレボテラ属』VS『バクテロイデス属』となっており、プレボテラ属の方が優勢菌なのだそう。
残念ながら『プレボテラ ブッカリス』に関する情報も見付けることができませんでした。
プレボテラ属の中でもかなりニッチな細菌のよう。
プレボテラ属では『Prevottella copri:プレボテラ コプリ』が1番メジャーらしい。
ただしこのプレボテラ コプリはリウマチ患者に多くみられる細菌らしく、コハク酸や酢酸を代謝により生成するというメリットを持つ一方、関節炎の発症に関与しているどちらかと言うと迷惑な細菌とされているようです。
今回『IgA抗体』との関係があると特定された『プレボテラ ブッカリス』がデメリット無しの有益菌であれば良いですね。研究の追加に期待しましょう。
今回は以上となります(o・ω・o)
腸内細菌や皮膚の常在菌、口腔内の常在菌は親子のスキンシップで共有・移るものですが、授乳という形で『免疫力』の共有までしているんですね。
連綿とした生命の神秘を感じます。
また面白い腸内細菌学の情報を見つけたらご紹介します。
最後に良かったら♡スキをお願いします。
それではまた明日〜(o・ω・o)ノシ
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