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【noteで学ぶ腸内細菌学76:『SCWG:禁煙に伴う体重増加』】

 こんにちは(o・ω・o)カエルです。
 
 前回、『禁酒』についての腸内細菌noteを書いたのですが、「禁酒のデータがあるなら禁煙もあるだろう」ということで調べてみると、身近な話があったのでピックアップしてみます。

 
 ちなみに、飲酒による腸内フローラへのダメージは、

✅アルコールはグラム陰性菌(代表的なものだと大腸菌やサルモネラ菌)を増加させ腸内のアセトアルデヒド(二日酔いの原因)を増加させる
✅リーキーガット(腸漏れ)を引き起こす原因となる
✅リーキーガットが起こると老化が加速する/死亡リスクが増加する

 などのデメリットがある。
 という解説をしています。


□『SCWG』禁煙による悪玉菌・日和見菌の増加

※SCWG[smoking cessation and weight gain:禁煙と体重増加]

「禁煙をすると、平均5kg体重が増加する」

 これはスイスのチューリヒ大学病院の研究者が発表した論文内容です。
 
 いわゆる「タバコをやめたら太った」というやつ。
 

喫煙による体重増加を調査したマウス実験データ」コチラの論文では、喫煙状態のマウスを禁煙させた時、腸内細菌が変化しても体重は増加傾向にあった。
 と報告しています。
 

 コチラがスイスで行われた人を対象に行った禁煙による腸内細菌の変化についての観察研究ですが、禁煙者の腸内細菌では『バクテロイデス属』と『プロテオバクテリア』が増加。
 摂った食事の脂肪変換効率が上昇し、食事量の変化に関わらず体重増加が見られた
 と紹介しています。
 
 本来『バクテロイデス属』の細菌は『痩せ菌』と称されており、バクテロイデスが有意に働く人の場合、肥満の人は少ないとされています。
 
 一方で、『プロテオバクテリア』とは先述した『グラム陰性菌』のことを指しており、大腸菌、サルモネラ菌、ビブリオ、ヘリコバクターなど『悪玉菌』と呼ばれる病原菌を含む種類です。
 
 先に結論から書くと、

✅煙草は悪玉菌が増える環境を作る
 
 ということ。
 
 タバコには4000を超える化学物質と260を超える身体に有害な成分が含まれていることが解っています。
 ですので、ヒトの身体の細胞だけでなく腸内の住む細菌にとっても有害であり、細菌を殺す効果があります。
 この効果は悪玉菌も例外ではありません。
 煙草を吸い続けている限り、腸内細菌は減少していきます。
「悪玉菌も減るなら悪いことばかりじゃないんだな」というのは早計で、腸内細菌の絶対数が減少すると、以下のような変化が起こります。

喫煙者の腸内フローラでは
 
✅善玉菌、有益な日和見菌が減少
 
禁煙開始と同時に
 
✅腸内環境状態に左右される日和見菌の『バクテロイデス属』が増加
⇒バクテロイデス属やフィルミクテス属の日和見菌は、善玉菌であるビフィズス菌やラクトバチルス菌、乳酸菌よりも多くのエネルギーを代謝します(善玉菌のご飯を奪う)。その結果、善玉菌に必要なエネルギーが行き届かず、善玉菌が減った環境では日和見菌は身体に悪玉菌をもたらします。
その1つが、動物性の脂質を脂肪に変換すること。
要するに、肥満の原因になる
 
✅『プロテオバクテリア[悪玉菌]』が増殖。胃腸への悪影響をもたらす
・大腸菌:食中毒・下痢など
・サルモネラ菌:急性の発熱・嘔吐・下痢など
・ビブリオ:胃腸炎の原因[腸炎ビブリオ感染症]
・ヘリコバクター:胃がんの主原因

 
 煙草が健康を損なうリスクを抱えているのは周知の事実ですが、腸内フローラにとっても大きな害を及ぼすことが解っています。
 
 なお、喫煙によって変化した腸内フローラを改善するための方法はコチラにまとめてますので参考にどうぞ。

 
 
 煙草は喫煙者だけでなく副流煙でも害を撒き散らすから本当に嫌い(o・ω・o)麻薬よりも中毒性が高いのに禁止にしないのはなぜなんでしょうね(お察し)
 
 さておき、腸活を意識している人が喫煙していると台無しなので、腸活で身体全体を健康に保ちたい方は禁煙と腸活をセットで行うことをオススメいたします。(o・ω・o)


【参考記事】



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