#126 学び直しの前に、やれること
「学び直し」や「リカレント教育」という言葉が話題です。
でも、「学び直す」前に、今、しっかり「学び」しているかな?というメモ。
1、今まで。
私が社会人になった20数年前、「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」どちらを目指すか、という話がありました。
☑️「ゼネラリスト」:数年ごとの異動によって、様々な部署(仕事)を経験し、会社を全体から見る目を養い、やがては管理職に、経営陣に、というキャリア。
☑️「スペシャリスト」:どこかのタイミングで、この仕事を極めたい、というものを見つけたら、その部署で専門性を磨いていくキャリア。
キャリアプラン、というのは、基本的に会社(人事部)がその職員の経歴や評価、適性をみて、計画的にローテーションにより形成していくものでした(だから半沢直樹の働く銀行では「人事が全て」とかいうセリフがあるのです)。
中途採用とか転職などは考慮に入れていないことが分かります。
逆にいうと、それで回っていたのです。
「学び」、も会社からメニューが示され、それをクリアしていくと評定でプラスになる、というところが多かったように思います。
また、仕事が定期的に変わることで、強制的に学ばないといけない状況に置かれるという面もありました。
いずれにしても、受け身、ですね。
でも、それで最後(定年を最後とすれば、ですが)まで問題なく務めることができたのです。
簡単にいうと、勤務している年月<企業の寿命、だったのです。
2、今は?
今は、前述のような体制を維持できる前提であった、
☑️ 経済全体の成長
☑️ 比較的明確に定まっている市場セグメント
☑️ その市場内での決まったプレイヤーによる閉じられた競争
が、
☑️ デフレ経済
☑️ 市場セグメントの流動化
☑️ 異市場からのプレイヤーの参入による競争の激化
へと正反対に変化し、さらに、
☑️ 技術革新のスピード加速
も加わったことにより、見事に崩れました。
それによって、従来のキャリア形成では、途中で勤務先の企業自体が市場から退出を余儀なくされるような状況になりました。
つまり、勤務している年月>企業の寿命、になったわけです。
もちろん、企業は生き残りのために手を打ちます。その手は事業モデルの転換です。となると、企業は生き残るけれども、従業員は入れ替える必要があるかもしれません。
いずれにしても、企業も、従業員も、学び直し、が必須になりました。
3、だから?
だから、会社に頼らず、独立しよう、副業しよう、というのもあり、でしょう。
また、今の仕事とは全く関係ない、例えばプログラミングを学ぼう、というのもありでしょう。
私は個人的には、1日のかなりの時間を過ごすので、できれば本業の関係で学びたい、という考えです。
会社にしがみつこう、ということではなく、本業で学べば、ケーススタディが山のようにあります。生きた教材です。お金をもらって学ぶのです。
ただ、本業で学ぶにあたっては、「汎用化」を心掛けています。
どっぷりと仕事に浸かっていると、自分の仕事は特殊だと思いがちです。
例)コンサルやベンダーの他社での成功事例などを聞いたとき、「よく分かった」「参考になった」と言いながら、実際に導入を進めるか、という段階になると、「でも、うちは違うから」「普通の会社ならいいだろうけどね」、なんていう反応。
もし本当にそうならば、今の勤務先でいくら仕事ができるようになっても、一歩外に出ると全く通用しない、ということになります。
そんなことはないはずです。
ですから、「学び」を、実際の仕事に当てはめていく。
そこから得られた結果を、「汎用化」を意識して学びます。
つまり、学んだ理論を、実際の仕事で実践、計測します。
その結果を理論と比較、検証して、何が違っていたのか、その理由はなんだったのかを考える、というのを繰り返すのです。
そうすると、学んだ理論の段階では単なる「机上の空論」、だったものが、実際のケースに当てはめることで肉付けされ、使いこなせるようになります。
使いこなせる、という意味は、他の仕事にも適用できる、ということ、つまり「汎用性がある」ということです。
こうなると、会社を変えても、業界を変えても、活躍できるでしょう。
これだけのことを、本業とは別の時間でコツコツ学んでいくとしたら、かなりの時間がかかると思います。
4、まとめ
「学ぶ」というのは、理論をテキストで学ぶ、ということと、実際に使ってみて試行錯誤しながら「学ぶ」というものと2つあります。どちらがより深く学べるかといえば、後者でしょう。
今、目の前にある「学び」のチャンスをみすみす生かさないのはもったいないと思います。
そして、本業の「仕事ができている」という状態が、
☑️ 汎用性があって、他の会社に行ってもできることなのか
☑️ 汎用性はなく、他の会社や部署に移ったらできないことなのか
は常に自問自答すべきでしょう。
「学び直し」、の前に、そもそも今の仕事で「学び」できていますか?ということだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
単なる自分への戒め、でしたが、何か参考にしていただけるところがあれば嬉しいです。
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