通勤電車の想い出
毎朝、思うんですよね
私は、毎日地下鉄に乗ります。
方向はオフィス街方面に向かう電車。
割と混んでます。
座れる事は、ほぼ無いです。
ま、当然です。
ここからは、です、ます、やめます。
私の住んでる場所は割と街中
なので、自転車でもオフィス街に行けなくはない距離、いや行かないなぁ
どう考えても自転車で行くメリットがない。
まず自転車で行けたとしても、自転車置き場がない、遠くに置くくらいなら、地下鉄の駅から上がった方が歩く距離は短い。
朝から自転車置き場の心配とかしたくないし、
雨とか降ったら最悪だし、パンクしたら?
など考えるのも時間の無駄かなとも思う。
ここまで書いてるが、
私の行き先は、実はオフィス街ではない。
途中から乗り換えでオフィス街とは逆方向に向かう
この乗換えの時に毎日思う事がある。
私を乗せた電車が乗換えの駅に到着
乗換える人達の大移動が始まる
ドア付近に出やすいように徐々に集まる
と、同時に
ドアの外にも人が待ち構えている
いざ!
押し寄せる人の波へ向かって進まん
ドアが開く
両隣に、この電車を待ち構えていた人が並ぶ
その真ん中をどんどん人が降りていく
さぁ、ここからは道なき道を突き進む
溢れる人混みがどっと押し寄せてくる
これが波乗りサーフィンなら
波に向かって行って、波に乗って帰ってくるのだが、仕事なんで遊んではいられない
行かねば、
と、意を決して立ち向かう
ドアから出たら、改札口へ向かう
今、私が降りた電車に乗ろうとする人が
勢いよく走ってくる
ぶつからないように
向かってくる人の動きをよむ
そして、ぶつかりそうになったら
ヒラリとかわす
ここで、たまに同じ方向に避けてもまたぶつかりそうになる時がある
こうならない為にも、相手の眼は見ない
何故か相手の眼を見ると避けたはずなのに、
相手も同じ方向にくるからだ
これは不思議だけど、
相手の眼を見なければ思った方向に進める
相手も私の動きを見て避けているからである
私はこの道を突き進むという意思が伝わる、
と、言うか
私が歩いているんだから避けてね
のオーラで突き進むとこうなる
そして、
あと2、3歩で改札
このあと2、3歩の時
既に改札口の戦いが始まっている
無勢に多勢
こちらはオフィス街とは逆方向
当然、オフィス街方面が大多数
10個ほどある改札口が1個または2個だけになってしまう
いや、こちらに勢いのある人がいれば
間口は広がる
そう、ここで大阪のおばちゃん発動!
できる人がいたらいいんだけど、
この時間帯に大阪のおばちゃんはなかなかいない。
朝の通勤時間には見かけた事があんまりない
でも、私はおばちゃん
だからといって、
グイグイは私には無理
タイミングよく先手を打って
改札口2個が解放された!!
今日はラッキー
いつもは1個なので肩身の狭い思いで
順番に並んで出るしかない
乗り換えの時間は約5分
電車の遅延がなければ余裕なのだが
JRはよく遅延する
(これは余談だが、なぜ私鉄よりJRに遅延が多いのかというと
車体の幅が違う=線路の幅がJRは狭いらしい。
なので強風でもトラブルが起きやすい、と聞いたことがある)
乗り換えの時間が3分になったとしても
この改札をスムーズに通り抜け、
その後、人混みを逆行しながらダッシュですり抜ければ
なんとか間に合う。
かもしれない可能性はある。
私のコンディションにもよる。
息切れは年々キツくなるけれど
まだ死なない
大丈夫、まだ走れる
(たまに何もない平坦なところでつまづくけど、まだいける)
そう言い聞かせながら、次の改札口に向かう。
そう言えば、
以前、この改札口の戦いで私は勝ったことがある
この時は、相手は子供だったが
私は、容赦しない
その時、こちらからは残りの改札口は一つしかなかった
が、その小学生は強引に私たちの改札口を占拠してきたのだ
おめー周り見ろよ
見えてんのか?
見えてねーよな、
ここ占拠したら、こっちからは誰も出れないよな
状況見ろよ
と、私は思ったが
私は見た目、とっても綺麗な優しいお姉さん
(さっきはおばちゃんだったけど)
そこは、余裕で心の優しい大人を演じて
坊や、仕方ないわね
3秒だけ待ってあげる
と、足を止めた
と、その時
【ピンポーーーーン】
チャージしてください
にやり( ̄▽ ̄)ふふっ
残念だったね、坊や
天は私に味方した
すかさず、私は止めていた足を前に出しICタッチにタッチ
ふふっ、勝った( ̄▽ ̄)
私がこちらの改札口を一つ獲得できたのだ
こうなると、流れは一気にこちらに加速され、
突破口となった改札口からどんどん人が出て行く
相手が小学生だろうが容赦しないよ
この子もきっと、いい勉強になっただろうよ
と、捨て台詞的なことを思いながら
次の電車へ向かう
今度は、地下道のせめぎあい
幅は決まっている
これこそ多勢に無勢だ
オフィス街と逆行は、こんなにも
肩身が狭いのかと思うほど
あちらからは、
私たちはオフィス街へ仕事に行くのよ
そこをどきなさい
と、言わんばかりに横に並んだ大群が
一気に押し寄せてくる
こちらの道幅は1人分
この一人分の道幅で、ゆっくり歩いている人を抜きたい
が、なかなか抜けない
隙間がないのだ
早くしないと乗り遅れてしまう
焦る
ガンガンに攻めてくる大群の
わずかな隙間を狙って素早く追い越す
このすり抜けの術は、若い頃百貨店の仕事をしていて身につけた術だ
百貨店の食品売り場は、縦横無尽に人がひしめいている
天気地図の気圧の矢印のように、
あっち向きの塊
こっち向きの塊
足止めの塊(これは人気店の前に並ぶ人達)
それをよけて、僅かな隙間を掻い潜って目的地へ素早く行く
百貨店での修行は、今この乗換えに役立っている
何でも一生懸命頑張れば、
いつか役立つ事がきっとくる
それが今だ
美しく素早く進む
蝶のように舞、蜂のように刺す
鮮やかに華やかにすり抜ける
私の今まで頑張ってきたことは無駄じゃなかった、と思う瞬間だ
さぁ、今日も華やかに美しくすり抜けて行こう
次の改札口は、そう混んでいない
何故なら、ここから私が向かう場所は
のどかな住宅街が多くなるからだ
ただ、やっぱり座れる事は無い。
ここからは学生が増える
学生達を見て皆んな偉いなぁーと思う
テスト前には電車の中で勉強している
座れなくてもだ
素晴らしい
親に教えてあげたい
こんな子に育てたあんたは偉い!
と言ってあげたい
だけど、座ってお勉強している学生は
周りが見えない
なので年配の方が座れなくても気がつかない
年配の方も、微笑ましく見ている
、、と、思う。
学生と言っても
色んな学校の生徒がいる
学校の教育方針でこうも違うかと思うほど、
学校のカラーが出ている
春に見かける新入生は
高校デビュー?制服を着て、鏡を持って、なんだか頑張って化粧をしている
でも、学校に間に合う様に
ちゃんと朝起きてるんだー
このお年頃は、何でも楽しいよねー
でも、その内この子も見なくなる
不登校になったのか
はたまた真面目な風貌になって分からないだけなのか
やっぱり朝起きれなくなったのか
など、色んな妄想をしながら目的の駅に着く
この目的の駅は、今までの駅とはちょっと違う
なんと、なかなか出口を開けてくれない
乗車口に並んでる?
人達は我先にと言わんばかりに入ってくる
いや、私はここで降りたい
降りなきゃいけないの、
降りる人が先に降りなきゃ、て教えて貰わなくても分かりそうだけど、アナウンスもされているけど、攻めてくる
そう降りる人が少ない駅なんです
普通電車しか停まらないし
とにかく駅に着いた。
家から出て約30分のルーティン
実は、このルーティンも後数ヶ月
10年、11年通ったかな
実は、会社が移転するんですよね
だから、この通勤電車もあと数ヶ月で乗らなくなります。
なので、少し想い出にふけってみました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
数ヶ月後、私は別の場所に通勤する事になるのですが、次は波に乗る側です。
そして更に遠くへ、
また、何が思う事があると思いますが、
それは、また別のお話で。