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ブルーベリーがたわわになって、一度に色づくわけでもないのを、黒くなった実だけを取って、…
ヘクソカズラという、身も蓋もない名のツル植物がつける花、小指の先ほどの大きさに、ラッパ…
年齢を聞かれて狼狽える、日付を問われて思考が停止する、いつ山へ住んだのか、あれは何年前…
アブの盛り、外へ出れば、すかさずブンブン、鬱陶しいこと限りなく、蚊のように麻酔をしてく…
夏前まではアジサイであったはずなのに、花が終わった今ではそれは、白く小さき花の咲き誇る…
順序としては、その高い木の幹に巻き付き、樹冠へ到達したものが、さらにその葉を茂らせるべ…
真夏に百合の咲き乱れる山である。 大きく白いのに、毒々しい緋色のもの、桃色のものと様々に、そのひとときを咲き誇る。 幼い頃は、この百合の花粉と、桃の汁だけは洋服に付けるなと厳しく言われ、なぜなら洗えど落とせぬ染みとなるゆえ、しかし子供が言うことを聞くはずもなく、それだけならば良いのだが、染みがついた服を着ようが、恥ずかしくないという性質、そう開き直るのだからたちが悪い、子供自身は困らない、親の方が何かと言われるのだから、申し訳ないことをしたとも思いつつ、落ちないと言
色、模様の違うトンボが仲良く止まっているのを奇妙に思えば、オスメスで色違い、虫の世界は…
ミョウガを食べると物忘れする、という話を、昔話で読みながら、昔話というのは不思議なもの…
朝早くから鳴くセミ、虫の類いに、鳥は皆々つがいとなったのか、存在を知らせず、低く聞こえ…
茅のたわんだ葉の裏に、セミの抜け殻がついている。 抜け殻というのは面白い、人は脱皮を…
蜜色のアブが、夏を飛ぶ。 アブと言っても、血を吸うものと、蜜を吸うものでは、姿形にも…
屋根に肥料に、家畜の飼料など、茅は人の生活を助けるもので、昔は、集落の近くの茅場から、…
キリギリスが縁側を歩いている──と書き出し、念のためと調べれば、同じキリギリス科でありながらも、クダマキモドキという名の虫で、モドキというのだから、そのクダマキとやらに似た虫だということである。 では、そのクダマキとは何かと思えば、機織りで使う紡車のこと、その紡車を巻くような音で鳴く虫というわけで、それがクツワムシやウマオイのことだという。 ならば、クダマキモドキはクツワムシやウマオイに似ている虫というわけで、その虫を見てみると、成程似ていて、特に聞かぬ名前のウマオ