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鬱陶しい山の生きもの

 アブの盛り、外へ出れば、すかさずブンブン、鬱陶しいこと限りなく、蚊のように麻酔をしてくれるのならともかく、そのままがぶりと噛みついて、流れる血を舐めようというのだから、追い払う方にも力が入る。

 とはいえ、家の周りはそれほどでもない、問題は車が引き連れてくるアブ共で、これは暗い林の湿った場所から、二酸化炭素を追いかけて、何十匹とやってくるので、しばらく車からも降りられない、まったく迷惑なことである。

 大きいアブも嫌なものだが、それほど群れはなさないもので、小さなアブ、テジロというのが厄介者のその正体、名前の通り、手が白く、ハエほどの大きさで、いつまでも人の回りを飛び回る、しかし、これも清い水の生き物だと言われれば、なんともはや自然とは、まこと人の住みにくいものである。

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