マガジンのカバー画像

まくらのそうし

210
日々の風景、周りの自然などを綴ったエッセイです。毎日更新。1話は原稿用紙1枚ほどです。田舎暮らしの風景をお届けします。
運営しているクリエイター

2022年7月の記事一覧

そっぽを向いたヒマワリ

 ミツバチを呼ぶには、花もあればあるだけいいということで、花壇など作り、種を蒔き、球根を…

銀の梅

 もいだばかりの梅を、水を張った大きな鍋に入れ、その産毛が空気を孕んで銀なるを、小さき人…

売らないスモモ

 七月に入り、入道雲も現れるような空の下、実ったスモモを取りに行く。  これが梅雨なら放…

山の蛸

 今年は来るのが遅かったか、ようやく網戸に巣を張ったコガネグモ、朝からどうやら様子がおか…

尺取り虫

 子供たちを魅了したのは、尺取り虫で、これが名前通りに尺を採り、正確に進む様子を楽しんだ…

 ひと月も早く、夏が来る。  遅い梅雨入りはいままでもあるが、それはそれ、入りが遅ければ…

シャワーホースの美しいカビ

 苔が美しいというのは、日本文化に基づいた感覚であり、所変われば、苔は手入れの行き届いていない証拠、ただの汚れという、正反対の感覚を持つ人々がいるわけで、人の信じる価値とは、そういう意味では下らない、軽いようなものである。  とはいえ、こちらも人であり、意思の疎通ができるというのも、人と人ならでは、美しい、汚いという感覚も、人が感じることであって、人に近しく害するもの、これに人は良いという価値を付けはしない。  それが例えば、カビである。  カビというのは人を害し、直接

ホタルブクロとホタル

 ホタルブクロの白い花が咲く頃、黒に胸の赤い虫がつーと、低く飛んでいる。  これが飛ぶと…

卵の黄身があまりにも黄色くて

 ニワトリという、人に改造された産卵マシーンも、未だ生き物の形は留めており、自然の餌を与…

夕立と、ゲリラ豪雨と

 空梅雨に夏の空、午後に雷雲、夕立の来る。  この夕立、都市にはもう来ないという、代わり…

水に親しむ

 川や海に遊び、水に親しい子らである。  特に青い水壺のような深い川に潜り、浮かび、流れ…

河原の色と、山の色

 河原の生き物は、河原の色をしている。  小石と藻の色、模様で隠れるオタマジャクシ、水辺…

儚き命のヘビトンボ

 見たことのない虫は、恐ろしいものである。特にそれが大きく、大量発生しているときなど、こ…

マムシに噛まれて死んだ人のこと

 蛇は速い。  手足がないからと、こちらが甘く見ているきらいはあるが、それでも速い、速すぎる、頭をぐっともたげたまま、長い腹をくねらせ、サササと消える、その力強さと言ったら、これもこちらがその形から、ミミズなど軟体動物と同じように見ているきらいはあれど、その強さには瞠目する、アナコンダなど大きな蛇が、獲物を締め付け、殺すというのも、さもありなんと思わされる。  よく見る種類は、アオダイショウ、長い蛇の小さいのから大きいのから、シマヘビの黒かったり茶色かったり、マムシも何度