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マムシに噛まれて死んだ人のこと

 蛇は速い。

 手足がないからと、こちらが甘く見ているきらいはあるが、それでも速い、速すぎる、頭をぐっともたげたまま、長い腹をくねらせ、サササと消える、その力強さと言ったら、これもこちらがその形から、ミミズなど軟体動物と同じように見ているきらいはあれど、その強さには瞠目する、アナコンダなど大きな蛇が、獲物を締め付け、殺すというのも、さもありなんと思わされる。

 よく見る種類は、アオダイショウ、長い蛇の小さいのから大きいのから、シマヘビの黒かったり茶色かったり、マムシも何度か見かけ、潰したが、そう多くはないようだ。

 このマムシ、あるおんちゃんおじさんの、飲みの帰りに尿意を催し、野で立ちションベンするのに噛みつき、しまったと思ったものの、噛まれた場所の恥ずかしさ、病院へも行かなければ、毒が元で死んでしまった、昔話のような話が、生きる山の人である。

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