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畑に金色のサナギを見つけた。 金色とは言っても、それは全体ではなく、全体的には薄茶色…
スーパーの品揃えが変わらない奇妙さを実感する、山の暮らしである。 要するに、季節のも…
子供の頃、ドブという名の用水路で、十五センチほどの鯉を捕まえた。 平生から、家のベラ…
たまたま、友達の家に雨戸があり、お化け屋敷ごっこをして楽しんでいた。 しかし、その雨…
通常よりも、大きなものが好きな性質らしい。 それで例えばイモムシで言えば、スズメガの…
捕まえるには捕まえたものだが、バッタの類いはあまり好きにはなれなかった。 その第一は…
口伝えだからこそ、何という歌なのかもまったく知らない。けれど、いまも好きな歌がある。 音は譜面でも付けるより他はないが、とにかく歌詞はこうである。 ──鳩と、鳶と、山鳥と雉と、雁がねと鶯が一緒に鳴けば、くくぴん、くくぴん、ぴんからしょっけん、そーら、けんけん、けんちゃかちゃんの、ちんちろりんの、ほーほけきょ。 いわゆる日本の律音階というやつで、どこか物悲しいような、懐かしいような、何とも言えない風情である。 歌は数多、母からテレビから学校から教わりはしたが、
いまも子供は作るだろうか。ナズナ太鼓を、道端のナズナを摘んで。 ハート型に、茎に伸び…
ノリウツギ、というらしい白い花である。 このアジサイに似た花は何だろうと思いつつ、季…
土地に馴染むもの、馴染まないもの、というのがある。 例えば、アジサイ。これがナンバー…
棚田には膨大な法面──この辺りではネキという──がつきもので、けれど、ただ雑草を生やす…
梅は成るが、赤じそは植えていないので、白梅干しを作る。 七月下旬、匂い出す前の青梅を…
卯の花が咲いている。 野バラ、エゴノキ、スイカズラの類いにドクダミ、シロツメグサなど…
祖父に連れられ、踏み込んだ山は、どこか甘酸っぱいような、黒い腐葉土の匂いがした。 その腐葉土の元となる落ち葉を集めるために、私たちは駆り出され、手伝いとは名ばかりの、枯れ葉と戯れたのだった。 そして、また別の季節、別の山へと連れられて、今度はカブトムシの幼虫を掘った。やはり甘酸っぱいような匂いの中で、その白く大きな幼虫を見つけては、まるで宝石を見つけたような歓声を上げ、次々飼育箱へと放り込んだ。 時に、幼い私のスコップは、その宝石を真っ二つに駄目にした。 孫