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【随筆/まくらのそうし】 雨戸

 たまたま、友達の家に雨戸があり、お化け屋敷ごっこをして楽しんでいた。

 しかし、その雨戸というものが、東では珍しく、西では当たり前のようにあるのだと知ったのは、こちらに越してからである。

 何でも西は台風が多いからと言うのだが、東育ちの我々も台風を経験してきたのだから、と憮然としたのも束の間、雨戸なしには恐ろしい、確かに西の台風は凄かった。

 これを経験しては、いままでの台風は台風とは言えまい。

 これも恐らく、さらに西、九州などへ行ってみれば、もっと凄まじいのだろう。

 以前、雪国へ行った際、公衆電話の屋根などが四角錐、雪の落ちやすいようになっているのだと感心したものだが、西の工夫は雨戸ともう一つ、長く突き出た軒にもある。

 この軒は台風のためでもあるが、太陽の高い夏は日差しを防ぎ、冬は日光を部屋へ入れる、知恵のあるものになっている。

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