【随筆／まくらのそうし】　蛹

　畑に金色のサナギを見つけた。

　金色とは言っても、それは全体ではなく、全体的には薄茶色のトゲトゲとしたサナギの背に、まるで砂金のような金色の粒が、並んでくっついているのである。

　その姿は、特撮ヒーロー（あるいはヒールか？）の鎧のように格好良く、サナギデザイン賞なるものがあれば、かなりの上位に入るだろう。

　あるいは、いまからでもこのサナギのデザインを盗み、ロボットやらバイクやら、そんなものに使ってみれば、素晴らしいものになるに違いない。

　この金色の粒を付けたサナギは、タテハチョウ類に見られるらしいが、きっとこの金を砂金と思い、サナギを剥いた人もあることだろうと、自らにも湧き上がる興味を押さえるために、いまは想像の歴史を思うのだった。