クロノケイ

映画、漫画、音楽、ドラマ、社会問題について考察します。@kuronokei_write

クロノケイ

映画、漫画、音楽、ドラマ、社会問題について考察します。@kuronokei_write

記事一覧

「潰瘍性大腸炎」になるということ。

 「潰瘍性大腸炎」という病名に馴染みがない人がほとんどだと思う。この文章を通じて「潰瘍性大腸炎」という病気と、これによって劇的に変化した自分の人生と価値観につい…

2

イングロリアスバスターズ 〜名誉なき野郎ども〜

ブラッドピッドの格好良さはとてつもない。ブラッドピッドのかっこよさの前では全てが悪者になる。 第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランスに送り込まれたアメリカのユ…

映画版『火花』

「仇とったるわ」。海沿いでの漫才営業に来ていた芸人徳永は、神谷という漫才師のその一言になぞの求心力を感じた。神谷は暴走族の品のない罵声に妨害される徳永の漫才を見…

2

『ダウンレンジ』〜血しぶき、弾け飛ぶ脳みそは単なる調味料だ〜

タイトルにもある通り、グロテスクというものは手段であり目的ではないと私は思う。 この物語を端的に説明すると、6人の男女が一台の車に乗り山道を走っている途中、姿の…

ピエロがお前を嘲笑う

 youtubeの広告でこの映画を知った時、「どんでん返し」映画がたまらなく好きな私は、「絶対見なければ!」と思った。「マインドファックムービー」と評される本作品はそ…

1

哀愁漂う空気感と、その時外に出ている人に感じる謎の「仲間感」が年末の醍醐味。

1

ナイトクローラー

メディアによる報道はどこまで過激化するのだろうか。そこにモラルは存在するのだろうか。 今回の作品「ナイトクローラー」は、報道する側のモラルの欠如を痛烈に批判して…

2

パターンで見るジャパニーズホラー

日本のホラー映画は宗教的な理由などから、外国のものとは違った雰囲気を醸し出しています。 そこで、私自身が通っている大学の授業の内容に基づいて、ジャパニーズホラー…

2

ウォーキングデッド

今回紹介するのは、少し前に話題となった「ウォキーングデッド」!。 「どうせゾンビ系のワンパターンでしょ?」。おそらくこのような意見で、観ない人がたくさんいると…

3

「ラ・ラ・ランド」

今更ながら、ララランドについてのレビューを書いてみることにした。というのも、話題にはなったが観なかったという人が多いと思ったからだ。 正直に言うと、ララランド…

4

検察側の罪人

「検察側の罪人」レビュー (酷評) 「説明不足」、この映画を観た率直な感想だ。まるでドラマの二、三話目のような唐突な始まりにまず動揺する。大体の映画では、このよ…

1

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」 考察

異常な世界観 まず最初に私がこの作品に抱いた感想は「異常」であった。この「異常」とは何も悪い意味ではない。というのも作者が読者に「面白い!」であるとか「楽しい!…

6
「潰瘍性大腸炎」になるということ。

「潰瘍性大腸炎」になるということ。

 「潰瘍性大腸炎」という病名に馴染みがない人がほとんどだと思う。この文章を通じて「潰瘍性大腸炎」という病気と、これによって劇的に変化した自分の人生と価値観について伝えたいと思う。
 
 何その病気。大腸炎?胃潰瘍?

 大体の人がこういう類の質問をしてくる。潰瘍性大腸炎とは現代の医療では原因が分からず完治させることのできない超絶にお腹が痛くなる病気のことである。

 主な症状は腹痛、下血、下痢であ

もっとみる
イングロリアスバスターズ 〜名誉なき野郎ども〜

イングロリアスバスターズ 〜名誉なき野郎ども〜

ブラッドピッドの格好良さはとてつもない。ブラッドピッドのかっこよさの前では全てが悪者になる。

第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランスに送り込まれたアメリカのユダヤ系特殊部隊、人呼んで「バスターズ」はナチスドイツの暴走を止めるべく動き出す。
彼らのやり方は非情だ。「一人100枚、相手兵士の頭皮を持ってこい」。ブラッドピッド演じるアメリカのレイン中尉が部隊に言い放った言葉だ。
それから彼らはナチス

もっとみる
映画版『火花』

映画版『火花』

「仇とったるわ」。海沿いでの漫才営業に来ていた芸人徳永は、神谷という漫才師のその一言になぞの求心力を感じた。神谷は暴走族の品のない罵声に妨害される徳永の漫才を見かねて、仇打ちとして自らの出番でその暴走族らに「地獄、地獄、地獄、地獄」と繰り返し言い放ったのだ。
日に日に惹かれあっていく二人。 そして徳永は神谷の伝記をつくり始める。

「この人に認められたい。」と思えるような人間と少しずつすれ違って

もっとみる
『ダウンレンジ』〜血しぶき、弾け飛ぶ脳みそは単なる調味料だ〜

『ダウンレンジ』〜血しぶき、弾け飛ぶ脳みそは単なる調味料だ〜

タイトルにもある通り、グロテスクというものは手段であり目的ではないと私は思う。

この物語を端的に説明すると、6人の男女が一台の車に乗り山道を走っている途中、姿の見えない謎のスナイパーに襲撃されるという話だ。
この突拍子も無い設定に惹かれて観始めたのだが、一向に変化のない、ノッペリとした展開のままラストをむかえてしまった。
6人を狙うスナイパー、必死に車を盾に生き延びる男女達。話が進むにつれてど

もっとみる
ピエロがお前を嘲笑う

ピエロがお前を嘲笑う

 youtubeの広告でこの映画を知った時、「どんでん返し」映画がたまらなく好きな私は、「絶対見なければ!」と思った。「マインドファックムービー」と評される本作品はその言葉通りに、作中の登場人物とこの作品を見ているこっち側の固定概念を覆す。ハリウッドでリメイク権争奪戦が起こったことにも納得できる!

 ネットによく精通した冴えない主人公のベンヤミン・エンゲルは、想いを寄せる元同級生マリのために、試

もっとみる

哀愁漂う空気感と、その時外に出ている人に感じる謎の「仲間感」が年末の醍醐味。

ナイトクローラー

ナイトクローラー

メディアによる報道はどこまで過激化するのだろうか。そこにモラルは存在するのだろうか。

今回の作品「ナイトクローラー」は、報道する側のモラルの欠如を痛烈に批判していると感じた。
無職の主人公ルイス・ブルームは、職を求めさまよう中で、事件などのスクープを主に扱う映像パパラッチ(=ナイトクローラー)という仕事に出会う。最初は全くの素人で、熟練の同業者にバカにされるブルームだが、経験を積むにつれてその

もっとみる
パターンで見るジャパニーズホラー

パターンで見るジャパニーズホラー

日本のホラー映画は宗教的な理由などから、外国のものとは違った雰囲気を醸し出しています。
そこで、私自身が通っている大学の授業の内容に基づいて、ジャパニーズホラーの展開パターンをご紹介して、皆さんにもっとジャパーズホラーを楽しんで頂けたらと思います。

ジャパニーズホラーに欠かせないチャラ男とチャラ女これはホラー通でなくとも、なんとなく気付いている方も多いと思うのですが、ホラー映画中のチャラ男とチャ

もっとみる
ウォーキングデッド

ウォーキングデッド

今回紹介するのは、少し前に話題となった「ウォキーングデッド」!。

「どうせゾンビ系のワンパターンでしょ?」。おそらくこのような意見で、観ない人がたくさんいると思います。

否!!!笑。 ウォーキングデッドは違います。
これからこの作品が単なるゾンビドラマじゃないという事を説明していきます。
(本当に観てくれることを期待してネタバレは控えます。というより、レビュー内でネタバレできる程単純なドラ

もっとみる
「ラ・ラ・ランド」

「ラ・ラ・ランド」

今更ながら、ララランドについてのレビューを書いてみることにした。というのも、話題にはなったが観なかったという人が多いと思ったからだ。

正直に言うと、ララランドは芸術的な映画だが、内容も加味すると非常に薄味で、映画通の方には少し物足りなく感じる作品かもしれない。
まず最初に、高速道路での印象的なダンスパートが流れる、これはこれから始まる物語に期待感を持たせるという意味では非常にいい効果を発揮し

もっとみる
検察側の罪人

検察側の罪人

「検察側の罪人」レビュー (酷評)

「説明不足」、この映画を観た率直な感想だ。まるでドラマの二、三話目のような唐突な始まりにまず動揺する。大体の映画では、このような始まり方をすると後々そのフラグが回収されて納得がいくように構成が練られているものだが、この映画はそのフラグが未回収のまま終わってしまう。(そもそもフラグすら立っていなかったが。)
しかし俳優陣の演技には、その場と同じ空気を吸っているか

もっとみる
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」 考察

「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」 考察

異常な世界観
まず最初に私がこの作品に抱いた感想は「異常」であった。この「異常」とは何も悪い意味ではない。というのも作者が読者に「面白い!」であるとか「楽しい!」といった、普通の漫画家が目指すような作品を、そもそも目指していないように思わせるからだ。次々に現れる普通ではない状況設定に戸惑いながらついていく読者を嘲笑うかのように思えるのである。また本作の「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクショ

もっとみる