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ピエロがお前を嘲笑う

 youtubeの広告でこの映画を知った時、「どんでん返し」映画がたまらなく好きな私は、「絶対見なければ!」と思った。「マインドファックムービー」と評される本作品はその言葉通りに、作中の登場人物とこの作品を見ているこっち側の固定概念を覆す。ハリウッドでリメイク権争奪戦が起こったことにも納得できる!

 ネットによく精通した冴えない主人公のベンヤミン・エンゲルは、想いを寄せる元同級生マリのために、試験問題をハッキングにより盗み出したが、あえなく捕まってしまう。償いとして課せられた社会奉仕活動の最中、ベンヤミンはマックスという刺激的な男に出会う。そしてマックスの友人二人とともに、ハッキング集団[CLAY]を結成し、次々に派手なサイバー攻撃を仕掛けていく。瞬く間に知名度を高めていくCLAYはついにドイツ連邦局の職員リストを盗み出し、それをライバルのハッカー集団に送りつけてしまう。しかしこれにより、ある殺人事件が発生してしまい、CLAYは命を狙われる存在となってしまう。

と、大体のストーリーこんな感じだ。これでは一見普通の映画のようだが、実はこの映画の初めは、ベンヤミンが自身の命を保護してもらう代わりに警察に全てを自供する場面から始まる。ベンヤミンの供述が物語のベースとなるのだが、それがこの映画を二転も三転もさせることとなる。

全体として盛り上がりには欠けるが、よくできてるな〜と思うのは、一回「あーー!分かった!」となってからまた「!?」となるところだ。
完全にベンヤミンを捜査している捜査官と同じ立場に立たされてしまう。これが観てる方としては楽しい。

ドイツ映画である為、ハリウッドスターなど世界的に有名な映画スターが出ていないからこそ、俳優に変に感情移入することなく作品の肝を堪能できる。また、ネットの仮想空間を地下鉄の電車空間で表現したところも中々斬新である。音楽もダークユーモアな雰囲気にピッタリなEDMが使用されており、作品の世界観に容易にのめり込める。

ネタバレせずに紹介することが非常に難しかったが是非観てほしい!



 


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