kuronekoLou

猫が好きなお独りさまおばさん

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  • 最後の猫

    愛猫を失って自分を見失いそうなおばさんの備忘録

最近の記事

記念日

今日は12回目のうちの子記念日 1年前はあの子がいない記念日なんて考えてもいなかったな… いつかは一緒に居られなくなることはわかっていた そのいつかは10年以上後だなんて思っていたわけでもないけれど まさか次の年のうちの子記念日が 2匹一緒じゃないなんて思ってもみなかった 相変わらず色のない世界で日々が流れていく 感情が麻痺したようにあまり物事を深く考えられず ぼんやり時間が過ぎていくこともあれば 何を見ても何を聞いても涙が止まらなくなることもある 今でもどうして、とい

    • 百箇日

      あの子が逝ってしまってから今日で百日 あの子のいない世界に私は百日も生きている 「百箇日」は泣き暮らす日を終えようという日らしい そんなこと言われてもそう簡単に気持ちは切り替えられない 涙が出ない日なんてない 泣いている時間が多いか少ないかの違いだけで 何がきっかけになったか自分でもわからないうちに 涙が出ていることも多い 夏の空が青くて入道雲が下方に広がっているから あの子とは何の関係もなさそうなことなのに そんな景色がたまらなく辛いと思えて涙が止まらなくなる それで

      • 最後の猫~49日

        今日はあの子の49日 あの子がいない世界に7週間生きている 特に仏教を信仰しているわけではないが あの子の葬儀を頼んだところでは 浄土真宗?と思われるお経をあげてもらったので 納骨の予定もないけれどなんとなく区切りのような日 区切りといったところで何も変わりはしない 相変わらずあの子がいないという事実に打ちのめされて 耐えがたくなる時間を過ごしている 表向きは普通に過ごしているようには見えるだろうけど どうして私はお腹が空いて どうして私はお菓子をおいしいと思って どうし

        • 最後の猫

          page21 今日は初めての月命日 あの子がいない世界にわたしは1か月も生きている まだ夢でさえ会えていない いつかあの子のやわらかい毛並みのさわり心地も あの子のにおいや舐められた時のざらざらした痛みも 私は全部忘れてしまうかもしれない あの子がいない寂しさや苦しそうな様子を見た時の辛さも 忘れてしまう時が来るかもしれない 自分の感情だって変化してゆくだろう だから今覚えていること 感じていることを残しておこうと 備忘録として日記のように書いてきた 初めにも書いたがこ

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        • 最後の猫
          24本

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          最後の猫

          page20 あの子の体はなくなってしまった もう2度とあの柔らかいフワフワの毛並みを 撫でることは出来ない 朝早くに冷たい鼻先を押し付けて起こしに来ることもない 寝る時に枕を横取りしようと私の顔にぴったりくっついて 舐めてくることもない 顔に似合わないちょっとかすれた低い声で ごはんこれじゃないのが欲しいと文句を言うこともない 大好きなティッシュペーパーを探して ゴミ箱を漁るのを見つけることもない 仕事から帰って 玄関ドアを開けるとお迎えに2階からリズミカルに トコトコ

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          page19 一瞬何が起こったのか受け入れられなかった だって今までうなり声をあげていたのに ちょっと前には口を開けて辛そうにではあるけど ちゃんと呼吸をしていたのに 痩せてしまった体でもゆっくりと上下に動いていたのに 少し開いた口からは息が出ていない 体を撫でてもまるっきり動きは感じられない 信じられなかったがあの子は逝ってしまったんだ あっけなく 私のたった1日だけの休日に合わせるように 痩せただけで変形もせず可愛いままの顔で 私に安楽死の選択をさせることを拒否するか

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          page18 立ち上がっては転びを繰り返しながらも あの子は少しでも楽になれそうな場所を求めて ふらふらと動いていたが 階段の2段目に寝転んでいた時に様子がおかしくなった 手足を伸ばしたいような 走り出したいような 空を切るように動かしている もしかしたらいわゆる痙攣じゃないのかとようやく理解すると あの子は唸るような声をあげてからゆっくりと落ち着いてきて また寝場所を求めてうろうろし始めた 本当に本当にもうその時が近いのだ 決めてはいてもやはり病院へ行くことに少し迷いは

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          page17 薬は吐き出しそうになりながらもなんとか飲んだ 水分が多いと誤嚥しそうで怖かったから ペースト状にしたミルクパウダーを 食べさせようと 寝転がったままのあの子を抱き上げてバスタオルでくるむ 体は冷えているし手足も固まっている感じがする うまく曲げ伸ばしが出来ない 口も開けようとしないがどうにか犬歯の後ろにシリンジを差し込んで なるべく頭をあげないように少し押さえてから ペーストを口に入れた 途端に激しく抵抗して口から出そうとして頭を動かし 吐くような声を出して咳

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          page16 13日の朝 ますます状態が悪くなっているように見えた 薬を何とか飲ませてしばらく時間をおいてから 給餌を始めてみたが口を開けようとしない 今までも嫌がることはあったが シリンジを入れることさえできないほど 激しい拒否は初めてだった 何とかねじ込ませてゆっくりシリンジを押したが ほとんどが外に流れ出てしまう これが辞め時ということなのか? こんなに嫌がっているのにやっぱり食べてほしいというのは 私の勝手な願いなのだろう 水を飲みに行こうとして何度も倒れ 水入れ

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          page15 今日が何日で何曜日なのかわからなくなることがある 何月何日何曜日だろうとどうだっていい あの子がいた時に戻りたい でもどうしても戻ることが出来ないから 頭が、時間が過ぎることを拒否している なんとなく生活が続いている でも不意にあの子がもういないという現実に引き戻されて 頭の中に手を入れてかき回されたような ぐちゃぐちゃな気分になる あの子が自分で食べなくなってから 相棒猫はちょっと様子が変わってきていた 時々横取りされながらごはんやおやつを食べていたのに

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          page14 階段の上り下りなんてしたことがなさそうな 覚束ない足取りと冷えた体 ふらふらしながらもなんとか水入れの前に座り あの子はゆっくりと水を飲んでいた 水を飲むのも鼻が詰まっていると大変で 鼻詰まりがひどくなったばかりの頃は 水を飲むことも嫌がっているようだったが そのうちあまり苦しくならない飲み方のコツをつかんだのか 食べることは拒否していたけれど 水はちゃんと自分で飲んでいた 仕事中に急変したらどうしよう? 心配でおかしくなりそうだったが 相棒猫にあの子を見

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          page13 11日の夜 帰宅した時は相変わらず具合は悪そうで よろよろふらふらしているけれど 目を瞑ることも出来ないほど痛いのか苦しいのか おしっこはまたトイレの横にしてあったが 昨日ほど水っぽくはなく色もついているし 弱いが匂いもちゃんとしている 腎臓も良くはないだろうけれど しっかり歩けないのは尿毒症でなく 脳とか神経の問題なのかもしれない 医学の知識はないけれどぼんやりとそんなことを思っていた かなり嫌がる強制給餌を何とか済ませて そろそろ寝ようと2階に上がろうと

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          page12 急激に悪くなっているような気がする 7月10日の通院時 体重は2.4キロで体温は37.6度 低体温というほどではないけれどいつも 38.5度前後が多いからやはり体調は悪そう このところ病院から帰宅するときの車中では キャリーをがりがりひっかいて 出してくれアピールしていたのが この日の帰りはおとなしくしている そのことがかえって不安な気持ちを増大させる がりがりする元気ももうないのかな… こんな状態なのにと随分悩んだけれど 2日おきに使っていた食欲増進剤を少

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          page11 理科があまり得意な方ではなかったし 顕微鏡で見た染色された細胞の画像を見ても 先生の言っていることが正しいとかわかるわけではないが ネットで見た悪性リンパ腫疑いの場合の画像とは違うように見える ちらっと見ただけだがじっくり見たところでやっぱりわからないだろう これでもし疑われるようなものが見つかっても 結局は麻酔をかけて組織を取って検査しないと確定はできない 許可が出たので食欲増進剤を使ってみる この薬の主成分は抗うつ剤だが副作用として食欲増進がある 日本で

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          page10 先代の猫の命日は7月2日 前月末からあまり調子が良さそうではなく 2階から降りてこなくなっていたのが この日は朝から降りてきて甘えるような様子を見せた 先代が手助けしてくれているのかなんて思えてきた 12年前のこの同じ7月に あの子たちは多頭飼育崩壊の現場から保護されていた 先代がなくなった頃に保護されたというのも なんとなく運命的なものを感じていた 買ってみた食欲増進剤は届いていたが 何となく調子が悪くなってきていて効果が出るか どうにも不安だったのでまだ

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          page9 小柄なのに丸っこくて 1番ぽっちゃりしていた時は4.6キロもあった さすがにこれはまずいと少々ダイエットをしたことと 甲状腺の影響もあったかもしれないが ここ2年くらいは3.8キロ前後だった体重が 6月下旬には2.7キロを切っていた がっちりしていた背骨周りが骨を感じられるようになり 後ろ脚の筋肉が削がれたかのようになくなっていた 大好きだよと言いながら撫でているときの 手の感触のあまりの違いがつらい それなのにお腹周りだけやけに大きく見える もともとお腹にガ