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最後の猫

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今日は初めての月命日
あの子がいない世界にわたしは1か月も生きている
まだ夢でさえ会えていない

いつかあの子のやわらかい毛並みのさわり心地も
あの子のにおいや舐められた時のざらざらした痛みも
私は全部忘れてしまうかもしれない
あの子がいない寂しさや苦しそうな様子を見た時の辛さも
忘れてしまう時が来るかもしれない
自分の感情だって変化してゆくだろう
だから今覚えていること
感じていることを残しておこうと
備忘録として日記のように書いてきた

初めにも書いたがこれは誰かに発信するためのものじゃ無い
ただの私の感情の垂れ流しに過ぎない
それでも読んでくださった方がいるようだ
ほんの少しであっても誰かのお役に立てたのであればいいのだけれど

同じ一族出身の相棒猫は
毛色も性格も違うが顔つきはやはり何となく似ている
この子はあの子じゃない
でも可愛いうちの子で
一緒に暮らす最後の猫だ
私が寝ていると自分だけ取り残されると思うのか
朝起きるのを確かめるようにみょんみょん鳴き続ける
いつも一緒に居たあの子がいないことに
まだ慣れていないらしい
この子はちゃんと老衰と言えるまで元気でいてほしい
その願いが今の自分を支えている

いつかまたあの子のことを書きたくなったら
書くかもしれないし
全然違うことを書くことがあるかもしれないけど
とりあえず、ここまで

追記
あの子が病院で逝ってしまった時
私は茫然としていて先生に
結局何が原因であの子が死ななければならなかったのかを
訊くのを忘れた
改めて訊くことも考えたけれど
それであの子が帰ってくるわけじゃない
あまりにも急激に悪くなっていったから
腫瘍は間違いないと思うし
どの腫瘍だったのかは先生にだってわからないだろう
もしかしたら鼻腔内から始まったものでさえないかもしれない
何であってもあの子の現身はもうない
もう痛くないよね
苦しくないね
うちに来てくれてありがとう
大好き、愛してるよ
あいたい







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