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記念日

今日は12回目のうちの子記念日
1年前はあの子がいない記念日なんて考えてもいなかったな…

いつかは一緒に居られなくなることはわかっていた
そのいつかは10年以上後だなんて思っていたわけでもないけれど
まさか次の年のうちの子記念日が
2匹一緒じゃないなんて思ってもみなかった

相変わらず色のない世界で日々が流れていく
感情が麻痺したようにあまり物事を深く考えられず
ぼんやり時間が過ぎていくこともあれば
何を見ても何を聞いても涙が止まらなくなることもある

今でもどうして、という気持ちに囚われている
どうして私は気付けなかったんだろう
気付いたとしても
今ここにあの子はいないだろうということ
そのことだけはどうしても受け入れざるを得ないが
それでもせめて本当にあの子の命を奪った原因は
何だったのかは分かったんじゃないか
はっきりと
腫瘍があって残された時間があまりないと言われていたら
私は変な希望を持たずにただあの子が
痛くないように
苦しまないように
ケアを考えてあの子との時間をもっと大切にしたかった
あの子が私のことを好きでいてくれて
うちに来てベストではなかったかもしれないけれど
それなりに幸せそうだったから余計に
自分が許せない

なかなか良くならず腫瘍かどうかはっきりしなくて
セカンドオピニオンを考えたこともあったが
甲状腺とかこれまでの深刻ではない病状も
ずっと診てもらっているし
何より院長が腫瘍認定医なのによそに行くのは
あまり意味がないと思えた

麻酔なしでCTだけを撮ることも出来なくはないけれど
もしそれで腫瘍があるとわかればどこにあるのか
場所や大きさをしっかり見て組織を取るために
結局はどこかで麻酔が必要になる
そう言ってくれた先生にもあの子の進行の速さは
驚きだったようだ
だからこそもっと早くに私が絶対におかしいと気付いていたら
せめて逆くしゃみが出始めた時にレントゲンを撮っていたら
自分で全く食べなくなる前に腫瘍を疑えたんじゃないかと
たとえそれで腫瘍が確定して
外科手術で取ることも抗がん剤で良くなることも
見込めないと言われたとしても
今より納得できて受け入れられたろうと思わずにいられない
この気持ちはずっと消えない

それでも日々は過ぎる
あの子は相変わらずいまだに夢にも出てきてくれないけど
ちょっと痩せたけれど元気で
甘えん坊だけどやっぱり抱っこは苦手な相棒猫
この子のために今日は
出会ってくれて、うちに来てくれてありがとう
あの子も好きだったおやつをあげるね





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