黒川かおる

黒川かおる

最近の記事

ひとりエモ

人の世に結婚があるのが憎い。 恋愛があるのが憎い。 友達が結婚して、予約の取れない店になった。別にこちらは恋愛感情とかではないのに、結婚、それだけで、友達、なだけでフラれている。きづいてる? かつて同居した友達が正月の度に「帰っていく」、そのたびに月並みに淋しくなっていた、それと同じようにみんな帰っていく。同じように家族から来た僕は、中産階級育ちの無責任さを温存したままどこに着地すればいいのか、毎日が修学旅行みたいと言っているあいだに。 ある友達はあの頃、恋愛って気持ち悪い、

    • 思いつき

      たまに嘘に近いことを言う。 「お酒飲めないんです」と言うけど、それは体が受けつけないからどうしても飲むことができないのではなくて、「一応飲めはするし昔は飲んでたけど、飲み始めると毎日飲まないとやっていけなくなるしそうしたらそうしたでずっと体も心も不調になって苦しいので、そうなる前に一滴も飲まないようにしてる」をつづめて「お酒飲めない」と言っている。ちなみに人生で4回目の断酒をはじめてもう少しで2年になる。 他にも嘘っぽいことを言うときがあって、たとえば「泣きそう」「うるうる

      • 勝手に短歌認定

        小田倉麗奈さんのブログの書き出しがいつも良いのは有名だけど、3月10日のは特に好きで、それについてずっと考えてる。 (注・櫻坂46には守屋麗奈(もりや・れな)さんもいるけど、僕が「麗奈ちゃん」と書くときは常に小田倉麗奈(おだくら・れいな)さんのことなので必ず「れいなちゃん」と読むこと。) 小田倉 麗奈公式ブログ | 櫻坂46公式サイト (sakurazaka46.com) この部分、短歌と捉えることもできると思う。もちろん短歌じゃなくてもすごくよくて。 1行目で気持ちが

        • 岡本恵さん「盲霧」(第六回笹井宏之賞・山崎聡子賞受賞作)の感想と選考座談会への批判

          「盲霧」の感想これから、第六回笹井宏之賞で山崎聡子賞を受賞された岡本恵さんの作品「盲霧」(書肆侃侃房『ねむらない樹』vol.11掲載)の感想を書いていく。 はじめに(韻律など) 「盲霧」は読み返せば読み返すほど恐ろしい連作だと思っている。 あたらしい言葉を読むのは怖い。だから言葉の意味を読んで、理解して、支配できたらいいなと思う。 それなのに言葉は音を持っていて、独自のリズムと論理で動きだしてしまう。 一首目 「みどり」→「みづ」→「ミンク」と、ミ音で次々に言葉がつ

          昔部屋を探していたとき、家賃保証会社の審査に提出する緊急連絡先に友達の名前を書かせてもらおうと思っていたのだけど、不動産屋の人に「親族じゃないと厳しい」みたいなことを言われたので、「緊急連絡先なのになぜ…?」と思いつつも、一応友達ではなく姉にお願いした。 後日保証会社から電話がかかってきて、「なぜ緊急連絡先が親御さんではないのですか?」と訊かれた。 意味がわからなかったので、「なぜ、とはなぜですか?」と訊き返した。 そのままなんでなんでとお互いにラリーを続けた末に、「えっと、

          15年前に鉛筆が刺さった跡がまだ消えない

          どの一人称もしっくり来たことがない。 仕事では俺と言う。元請とか客とかには僕とか私とか自分と言う。中学高校の頃からの友達には俺と言う。大学の頃からの友達には俺と言ったり僕と言ったりする。もっと後に知り合った人にはほとんど僕と言う。特に仲良い人の一部にはわしと言う。 小さい頃は自分の名前を言ってた。家族に対しては、小学校出るくらいまではそうだったかもしれない。その後は家族に対しては一人称がなくなった。 その小さい頃、姉が「うち」と名乗ってた影響でうちと言ってた頃もあったけど、

          15年前に鉛筆が刺さった跡がまだ消えない

          超個人的・2023年坂道グループMV大賞

          乃木坂46、櫻坂46、日向坂46のミュージックビデオは全て良いのだけど、その中でも好きなやつを決めちゃおうということで あほみたいに偉そうだけど、許してください。とにかくどのグループも大好きということで。 まずはノミネート作品。 Cool/櫻坂46ゾノ(大園玲さん)のセンターを生かし、独自の世界観を提示しつつ、文字通りcoolな櫻坂を見せてくれるMV。 楽曲としては振りもかっこよく、3rd TOURではセトリの最初の曲として、overtureからの一連の演出が痺れた。ライ

          超個人的・2023年坂道グループMV大賞

          サンシャイン

          西巣鴨に住んでいた頃、アパートのすぐ脇を都電荒川線が通っていた。 内見の時、不動産屋さんは都電の騒音を気にしていたけど、「いや、むしろ風情があって好きです。」と言って契約した。 それはともかく、よく通る踏切があった。近所のコモディイイダに買い物に行くときや、地蔵通り商店街を散歩するときに通った、小さな小さな踏切。 しばらく住んだあと、仕事や色々なことに追われて、すごく死にたい時期がきた。その死にたさがどれほどのものか、検証はできないけど、ずっと頭の中のノートが死にたいという

          サンシャイン

          右脳水星短歌会『光るかもね』へのらぶ

          11月11日の文学フリマで買った本の感想を魂の続く限りなるべく書いていきたくて、遅くなったけどその一冊目として、自分も参加させていただいた右脳水星短歌会の『光るかもね』の感想、というのはおこがましいので、好きという気持ちを書きます。 ※当然ですがめっちゃネタバレを含みます。最高な本なので、読んでない方で読める方はぜひまず読んでください。 ※歌の解釈含め、あくまで僕が感じたことであり、とんちんかんなことを言っていることもあると思いますがご了承ください。 ※以下の感想(というより

          右脳水星短歌会『光るかもね』へのらぶ

          きれい

          カードローンの残高がじわじわと増えていて、いつから自分はこうなってしまったのだろうと京急の車窓から淡い空を見ている。 元々まとまって借金を作った時は、引越しや無職期間の生活費といったきっかけがあった。でも今増えているのは、単にアイドル等に散財していることによる借金だ。 生活がきつくてひーひー言っていた頃は、こうではなかった。ギリギリのところで、本を買うか酒を買うか食料を買うかを自分なりに判断できていた。自分でも堅実な性格だと思っていたから、あるだけ使って足りなくなったら借金、

          ず嫌い

          昨日の文フリの人混みで体力を使い果たし、今日はびっくりするくらい何もしないまま、気づいたら外が真っ暗になっていた。 布団の上でうあー、とうなりながらぼーっと壁を見ると、櫻坂の6枚目シングル「Start over!」のポスターの「2023.6.28 OUT」の字が目に入って、なんかその瞬間に「時間」というものがあることを強烈に思い出して怖くなって、ガバッと起きて今コインランドリーにいる。 だんだん頭が冴えてくると、昨日初めて会った人たちに嫌われてないだろうか、といつもの自分反

          渋谷こわい

          今日は夕方から渋谷でお笑いライブを見てから、神保町に移動して木下龍也さん・鈴木晴香さんのトークイベントに参加してきた。 人混みでめちゃくちゃ疲れるタイプだから、心身のバランスを若干崩しつつ、帰りの電車の中、LINKIN PARKで耳だけでも落ち着かせてぼーっとしている。 先月、友達と旅行に行った。 こっちとしては親友と思っていたけど、数年前からLINEの返事も遅くなってたし、向こうはそうでもないのかなとか、色々と忙しいだろうなと思って、勝手に連絡も控えめにしていた友達だっ

          三十路までにしたいこと

          「読んだ本の感想をnoteに書いてみませんか?」とnoteに煽られている。 書きたい。書きたいさ。 でも僕は本の感想とか書こうとすると何時間も平気で潰れるし、集中力を必要以上に使ってしまい自律神経がぶっ壊れるので元気なときでないとできない。 という自分への言い訳だけれど。 この夏はなんだかいつもの年よりもジリジリと体力を削られて、最近まではずっと頭の中を蛇が這いずり回ってるような感覚だった。 十日前ぐらい、はじめて仕事で早退というものをした。 わりとやばいくらい気持ち悪さと

          三十路までにしたいこと

          てか暑くね?

          泣くことがない。 高校時代以来、ほとんど涙が出ることがない。 それに伴い、なのか、感情も、普段ほとんど感じることがない。 だから少しでも自分の中の感情に出くわすと嬉しくなるという、ちょっとよくわからないところがあり、それがネガティブなものであっても、「やった!感情だ!」と思ってしまう。 人類の上位0.1%レベルの人見知りで緊張しいで三人以上での会話が苦手なので、初対面の人たちとの会食となると、うまく話せなかったなぁ。。。絶対変なやつと思われたなぁ。。。とか落ち込んでしまう

          てか暑くね?

          なっちゃんとカルピスは別格

          今日は雨で仕事が休みになった。 朝、電車で中止連絡を見てから家に引き返し、「欅坂46 THE LAST LIVE」のブルーレイを観て(通算4回目くらい)、じゃがりこを食べて、昼寝して、夕飯を食べて、いつものスパ銭に行ってきた。 サウナのあと、露天風呂の隣にあるお湯が流れる椅子みたいなやつに座って、しばらくぼーっとしてた。 足元、両足の間に丸い排水溝があって、お湯が左回りに渦を巻いていた。左足を上げてみると、右回りになった。逆に左足を置いて右足だけ上げてみると、また左回りに

          なっちゃんとカルピスは別格

          真っ白

          時間は残酷だと思う。 ずっとそうだ。小さい子供が親に手を引かれて歩いていたりするのを見ると、なぜか見えない涙が出てくる。 なるべく表情を変えないようにするが、とにかく泣きたくなる。 公園で。休日のショッピングモールで。 スーパーのレジ係をやっていたとき、小さい子が駄々をこねているのを母親らしき人が必死になだめていた。それだけなのに、商品を打刻しながら、僕の手は震えてしまった。かすかに、でも敏感な子供にはしっかり伝わる温度で。 その子は瞬間ギョッとして、すぐに数メートル後ろ