15年前に鉛筆が刺さった跡がまだ消えない

どの一人称もしっくり来たことがない。

仕事では俺と言う。元請とか客とかには僕とか私とか自分と言う。中学高校の頃からの友達には俺と言う。大学の頃からの友達には俺と言ったり僕と言ったりする。もっと後に知り合った人にはほとんど僕と言う。特に仲良い人の一部にはわしと言う。
小さい頃は自分の名前を言ってた。家族に対しては、小学校出るくらいまではそうだったかもしれない。その後は家族に対しては一人称がなくなった。
その小さい頃、姉が「うち」と名乗ってた影響でうちと言ってた頃もあったけど、ちょうどそのとき(小学校低学年くらいまで)親から「女言葉をやめなさい」と矯正されていた影響でそれもなくなった。(そもそも母親が「〜なのよ」「〜だわ」とかの「女言葉」を使う人で、僕はそれによって言葉を覚えていたのだから矛盾した時間だったけれど)
小学校中学年頃、見ていたアニメで男のキャラ(というか人間ではないからオス?)が「わたし」と言っていたから、これか、と思って学校で「わたし」と名乗ってたらみんなに笑われた。
5年生から6年生になるぐらいで、「俺」という一人称を手に入れた。最初は「なんかいきなり俺って言い出したよね」とか笑われたけど、その後は何も言われなかったから、正解なんだと思った。
でも今でも思うけど、僕と言うのも俺と言うのも嘘っぽい。かと言って、そういう一人称が存在している社会では「私」でさえ自由な一人称ではない。Iとか我とかですむ国は何と良いか、とずっと思ってきた。
全部が嘘。一人称が嘘なら、何を喋っても嘘になってしまう気がする。ずっとふわふわしてる。

みんなそうなのかな。

他の人がわかること、もっとわかりたいけど、きっとずっとわからないからしょうがないのだとも思う。

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