超個人的・2023年坂道グループMV大賞

乃木坂46、櫻坂46、日向坂46のミュージックビデオは全て良いのだけど、その中でも好きなやつを決めちゃおうということで
あほみたいに偉そうだけど、許してください。とにかくどのグループも大好きということで。

まずはノミネート作品。

Cool/櫻坂46

ゾノ(大園玲さん)のセンターを生かし、独自の世界観を提示しつつ、文字通りcoolな櫻坂を見せてくれるMV。
楽曲としては振りもかっこよく、3rd TOURではセトリの最初の曲として、overtureからの一連の演出が痺れた。ライブでやるたびにcoolさを感じることができ、それによりこのMVも味を増してる気がする。
アニメーションも世界観作りに効果的にはたらいてると思う。何度も見てしまうMV。

Start over!/櫻坂46

とにかく圧倒的インパクト。イントロから血が掻き立てられるような素晴らしい楽曲に、夏鈴ちゃん(藤吉夏鈴さん)の気迫のこもったパフォーマンスが見事に乗っていて、ぶちのめされる。
作曲ナスカ×振付TAKAHIRO×MV監督加藤ヒデジンという絶対最強のモノができるに決まっているトリオだけれども、その期待さえも超えてくる。
感情を爆発させるような楽曲・ダンスに加え、ヒデジン監督の得意な手法でメンバーのキメ顔アップがバチコーンと決まりまくっていて良すぎる。
今年の櫻坂の表題曲MVは常に過去(特に「欅坂46」というもの)に向き合い続けていたと思うのだが、その面がスタオバのMVにも色濃く出ているように思う。
特に夏鈴ちゃんがゆいぽん(小林由依さん)の手を引いて壁をぶち破り、二人で踊るシーン。乱暴に比喩として見れば、夏鈴ちゃん=櫻坂、ゆいぽん=欅坂、として捉えることができると思う。
夏鈴ちゃんとゆいぽんのダンスといえば、欅坂のTHE LAST LIVE(2020年)での黒い羊を思い出す。2023年になり、スタオバMVでは夏鈴ちゃん(櫻坂)はゆいぽん(=欅坂)を躊躇いなく抱きしめる。一度離れてもやはり抱きしめる。そして二人が見つめ合う表情に、二人の良さが凝縮されたようだ。
そしてもはや有名になったラスサビ前の歌詞、「君は僕の過去みたいだな 僕は君の未来になるよ」(作詞:秋元康)が出てくる。
今年一枚目のシングルである『桜月』で新境地を開いた櫻坂が、その次のシングルのスタオバでここまで圧倒的優勝を見せつけたのは、この力強さがあるからだろうと思う。
楽曲についていえば、初披露となった6月1日の3rd TOUR最終日大阪城ホール公演や、11月25日・26日の3rd YEAR ANNIVERSARY LIVEなど、いつ観ても進化していて、夏鈴ちゃんがいつも完全に入っているのがすごい。会場全部を藤吉夏鈴に、そして巨大な心臓に変えてしまうまさにモンスター曲。これは入れないわけにはいかない。

マグカップとシンク/乃木坂46(賀喜遥香&遠藤さくら)

かっきー(賀喜遥香さん)とさくちゃん(遠藤さくらさん)のかきさくコンビの表現力は、今年ますますすごくなってきたと感じる。
『人は夢を二度見る』『おひとりさま天国』と連続でフロントシンメを務めてきた二人。その次の『Monopoly』のMVではその表現力をいかんなく発揮しているが、時系列的にその前の『おひとりさま天国』収録のユニット曲である『マグカップとシンク』と地下水脈で繋がっているような気がする。
個人的には、さくちゃんの凄さを人に説明するときは「さくちゃんは睫毛で表現できる」と言っている。実際その細やかではあるが確実にこちらの心を捉えてくる演技は、このMVでもとてつもなく発揮されている。
それに加え、ストーリー部分から時折白黒のダンスシーンに切り替わるのが絶妙で、登場人物である二人の心情、そしてMV全体の世界観がうまく表現されていると思う。何より曲とのマッチがすごい。
正直3坂の中で乃木坂はあまり普段見ないのだけど、このMVはあまりに強烈なインパクトがあり、何度も繰り返し観ている。

隙間風よ/櫻坂46

個人的には、このMVは「過去の自分を葬る」という話として観た。そしてもちろん、過去の自分とは欅坂とダブる。だからこそ、一期生であり欅坂の当初からの色々なことを乗り越えてきたゆいぽんがここにきてセンターであることに強い意味を感じる。
痛みすら感じなくなってしまった自分を描きながら、「死」をかなり匂わせているところが心に来る。
舞台としても、何もない大地に微風が吹いているところはうまく世界観を出していてすごく好き。
ラスサビの炎の中のシーンからは、THE LAST LIVEを連想した。燃やして、灰にして、そして生きていく。
観る側としては、自分のこととして感じることも、櫻坂46というグループのこととして感じることもできる。それは火だけど、静かな火だという感じがして、とても好き。

以上、ノミネート4作品です。

そして栄えある大賞は……

櫻坂46の『隙間風よ』です!!!!

おめでとうございます🎉

死と生、絶望と希望、過去と未来、感情と無感情…説明ではなく感じるしかないその微妙なところの表現が大好きで、やっぱり一番はこれでした。

そして、惜しくもノミネートはされていないけどもすごく好きな作品たち。

桜月/櫻坂46
今年は櫻坂にとって勝負の年、というのは年の初めからBuddies(櫻坂のファン)の間でも共有された認識だったと思うけど、そこで最初にきたシングルとして桜月を観た時に「意外…!!」というのがまず大きかった。だけれども作品の世界に入れば入るほど、櫻坂の得意な部分であるこころを表現することが生かされているし、れなぁ(守屋麗奈さん)のセンターがマッチしてとても良いと思った。れなぁのポテンシャルがかなり解放されたと思う。
それにグループとしての表現の幅が広がった。
映像としては、明暗によって世界観をうまく表現しているように思ってグッときた。

静寂の暴力/櫻坂46(三期生)
三期生の二曲目、加入して半年も経たないうちに公開された驚異のMV。
熱量、感情表現、パフォーマンス力、全てがすごい。
これもライブでさらに育った曲で、それをこの生々しいMVで、この時期この瞬間だけの三期生を映しているのが本当に貴重。

Am I ready?/日向坂46
ひなのワールドに張り切っていて、その世界に浸ることで楽しめるMVだと思う。日向坂の強みは、あらゆる世界観に振り切れることだと思う。
それに、シンプルに可愛らしさと楽しさを味わうことができる。

Monopoly/乃木坂46
かきさく。それに尽きる。そして色彩豊かな世界観が美しい。
ダブルセンターがお互いを見つめながらも、その目線は対等ではなく非対称である。さくちゃんの目の表現が光る。

ガラス窓が汚れてる/日向坂46
監督が『車間距離』と同じ森義仁さんだそうで、納得。
絶妙な色彩感、現実と微妙にずれたような独特の世界観、多くを語らず想像に任されている感じ、全てとても好み。

そして最後に、超個人的2023年MV個人賞の発表です。
つまり最もMVで活躍されていたと思う方です。

MV個人賞は……

櫻坂46小林由依さんです!!!!

小林さん、いえ、ゆいぽんはMV大賞の『隙間風よ』のセンターでもあるので実質2冠です。
おめでとうございます。

授賞理由としては、今年の櫻坂の重要なMVのほぼ全てで重要な役を演じていること。そしてその表現力がすごいこと。とにかくひたすらかっこいいこと。
これは別で書こうと思ってるけど、櫻坂のMVのストーリーにおけるゆいぽんは「欅坂」を象徴させられることが多いと思っている。少なくとも、そのように「読める」。
『隙間風よ』はまさにそうだけど、MVで振り返ってみると、欅坂46も櫻坂46もすなわち小林由依だった、という気がする。それだけ偉大な存在が卒業をするという事実。正直、まだずっといてほしい、という気持ちはある。でも逆に、もっと自由に自分を表現していってほしいという思いが自然と強く湧いてくる。それこそゆいぽんの凄さだと思う。
とにかくおめでとうございます。

個人賞の次点は、乃木坂46遠藤さくらさんと、櫻坂46小池美波さんです。
さくちゃんは、もう書いてきたように、表現力のポテンシャルが解放されてきている。みいちゃん(小池さん)は、髪色が華やか(『承認欲求』のピンク髪は神)だったり、なんかMV内で見つけて嬉しい、という感じがある。無理せず、元気になってほしい。

以上で終了です!

来年も最高なミュージックビデオたちが待っていてくれるでしょう。制作の方々、メンバーの皆さん、いつも本当にありがとうございます。これからも応援しています。

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