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田所敦嗣/Atsushi Tadokoro
2023年3月17日 17:11
看板を掲げているわけでも無いのに、人生相談に近い話をされることがある。それがなぜ何度も続くのか不思議に思ったことはあったが、ある日、友人からお前は話を聞く割合の方が多い人間なのだと言われた。ただ、自分が若い頃はそんなこと無かったはずで、自分の話をしたくて、聞いて欲しくて相手に訊かれてもいないことを話していた気がするが、歳を重ねるにつれ、そういうものに疲れてくる。疲れるというのも、体力や精
2023年2月17日 20:44
出張という旅は、会うべき人や行くべき場所がほぼ決まっている。アテのない旅に憧れはあれど、アテもない出張というのは聞いたことがない。以前、ゲートで飛行機を待っているとき、行き先不明のフライトがあったら流行るかもしれないと思ったが、今も見たことが無いので、残念ながらそんなに流行ってはいないのだろう。出張は目的も最初から決まっていて、自由奔放な旅はおそらく存在しない。とはいえ、今は仕事でも誰
2023年2月10日 08:24
心の中に、帰る場所をもっているだろうか。たとえ身体は戻れなくとも、記憶の中に帰る場所がある人は、どこかにしなやかな強さを持っている様な気がする。______________中国・瀋陽市は遼寧省の省都で、東北地方の大都市である。瀋陽へは夏場に幾度か訪ねたことはあるが、仕事の関係上、秋から冬にかけての滞在が多かった。成田から大連周水子国際空港に着陸すると、エージェントの小李(シャウリ
2021年9月3日 17:42
ここ数年、体験したこともない出来事が起きている。右往左往する人々を嘲笑うかの様にウイルスが世界中を支配し、蔓延する。今ではすっかり明るいニュースだけを意図的に掘り出すような毎日で、少しでも楽しいニュースを拾っては、何とかそれを飲み込んでいる。最終目的はこいつを終息させたいというただ1点なのに、人が争う。ウイルスと、ずっと闘い続けている人達がいる。幾年も積み重ねられた経験と知識を使い