栗本大介(ファイナンシャルプランナー)

独立20年目のファイナンシャルプランナー。相続手続カウンセラー。金融知力インストラクタ…

栗本大介(ファイナンシャルプランナー)

独立20年目のファイナンシャルプランナー。相続手続カウンセラー。金融知力インストラクター。3人の娘が成人し、2020年4月から人生の新たなステージに挑戦中。

最近の記事

相談業務が「知識の披露」にならないために

2024年6月。 約2年ぶりのnoteです。 月日が流れるのは早いものですね(苦笑) 日ごろの日記は「FP栗本の幸せ日記」で週1回の更新を続けているのですが、なんとなくnoteからは遠ざかっておりました(深い意味はありません)。 私の中では「ブログ=日記」の位置づけなので、その中でも読む方にとっての学びがありそうな文章を、改めて月1~2回の頻度でこちらのnoteに綴っていこうと思います。 再開一発目のテーマは「相談業務」です。 1.知識の披露になっていませんか?

    • 家計簿のお話

      2022年も3週間が過ぎました。 新しい年を迎えた時に「今年の目標」を掲げる人もいらっしゃるかと思いますが、その1つとして耳にするお金の目標。 節約の目標からキャリアアップして収入を上げる目標、貯蓄額の目標など様々なお金に関する目標を実現するために大切なのは、やはり記録を付けることでしょう。 ◆紙かアプリかお金の記録といえば、真っ先に思い浮かぶのが「家計簿」です。 最近は家計簿アプリが多くなっているものの、いまでも紙の家計簿は根強い人気があるようです。 家計簿に関する調査

      • お金に関する悩みを和らげるための3つのコースと直感の活かし方

        自由が増えるのは良いことだけど、自分で判断しなければいけないので悩みが増えます。 情報が増えるのは良いことだけど、情報が多いほど選択肢が増えるので悩みが増えます。 そんなわけで、自由で情報の多い今の時代、おそらく多くの人はいつも何かに悩んでいる気がします。そして、僕が関わるお金周りの話は、その象徴のように思います。 たくさんの選択肢を前に、いったいどれがいいのでしょうか?という疑問があふれ、それに対応するように「こうすればいい!」という情報があふれているので、今度は「誰の

        • 人生の優先順位と教育費負担のお話

          こちらでは随分と久しぶりの投稿になります。 大学4年生である三女の後期分学費振り込みを終え、これにて三人娘のすべての教育費の支払いが終了しました。卒業式に着る袴のレンタル料数万円もすでに支払済みなので、いわゆる「子育て費用」がめでたくエンディングを迎えたので、振り返りを兼ねてまとめました。 3人の子どもに掛かった教育費の総額全ての記録が残っているわけではありませんが、長女が3歳のころからFPとして活動し始めていた僕は、教育費に関する記録を割と細かくつけてきました。 それを

        相談業務が「知識の披露」にならないために

          海洋散骨のお話

          葬儀の形の多様化とともに、納骨にも様々な形態が登場しています。 今回は少し趣を変えて、今年4月に私の家族が行った海洋散骨について綴ります。 ■2020年4月5日(晴れ)時を少し戻して、2020年4月5日。 1月31日に永眠した父親が、生前から「私の遺骨は海に撒いてほしい」と話していた希望に従い、私たち家族は神戸のメリケン波止場に行きました。 遺骨を海に撒くことを望んだのは、父が外国航路の船乗りだったからです。 外国航路の船員として、そして東京湾のパイロット(水先案内人)と

          相続財産は誰がどれだけ受け取るのか?

          お盆休みが近づいてきました。 先祖や亡くなった方の精霊を祀る行事とされるお盆は、カレンダー上の祝日ではありません。正式には「盂蘭盆(うらぼん)」と呼ばれ、旧暦7月15日を中心にした前後4日間ということで、一般的には8月13日から16日までの4日間とされています。 ■相続の話を切り出すきっかけ「相続」と聞いて思い浮かぶのは、「資産家の遺産分割を巡る争い」や「税金対策」のように、ある程度資産を持っている家だけに関係しそうな話題です。実際、「うちにはそんな財産がないから関係ない

          相続財産は誰がどれだけ受け取るのか?

          生活に関わるお金の知識を学ぶにはFP資格がおススメです

          生活に関わるお金のことについて、情報をお伝えしたり、相談をお受けしたりするのがファイナンシャルプランナーです。ただ、お金の必要性やお金に対する向き合い方には様々な考え方があるため、多くの項目には「唯一の正解」がありません。 「絶対に正しい保険の加入方法」もなければ、「絶対に正しい資産運用手法」もないのです。 ただ、「これだけは押さえておきたい基礎知識」や、「騙されないために知っておきたい情報」は存在します。そして私は、これらを身につける一番わかりやすい方法が、FP資格の学習

          生活に関わるお金の知識を学ぶにはFP資格がおススメです

          誰にでも発生する相続に際して、考えておきたいこと

          人が亡くなると発生する相続は、いつ自分の周りで発生してもおかしくありません。 そして、相続が発生すると、財産の多い少ないや、親族間での揉め事があるかないかに関係なく、一定の手続きが発生します。 今回は相続発生後の手続きについてお伝えします。 ■相続の発生件数厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、2019年(令和元年)の死亡数は138万1,098人でした。高齢者の増加を受けてでしょうか、死亡原因の3位はこれまでの「脳血管疾患」や「肺炎」ではなく、「老衰」となっています。

          誰にでも発生する相続に際して、考えておきたいこと

          生命保険に入った方がいいかな?と思ったときに考える手順

          「生命保険に入ろうと思うんだけど、どれがいいのでしょうか?」 私がFP資格を取得した25年前から変わらずに寄せられる定番の質問です。今回の記事では、この場合に考えるべき手順をお伝えします。 ■最初に考えるべきは「保険に加入する目的」そもそも、なぜ保険に加入しようと考えたのでしょう? この質問をすると多くの方は、「不測の事態が起こった時に備えるため(=イザという時に備えて)」と答えます。では不測の事態とは何でしょう? それは、思いがけない早い死であったり、長期の入院であっ

          生命保険に入った方がいいかな?と思ったときに考える手順

          GoToキャンペーンの概要と注意点

          注目度の高かった「Go Toキャンペーン」のトラベル事業が7月22日から始まることになりましたので、いつもとは趣を変えて、現時点でわかっている情報をまとめました。 ■キャンペーンのポイントGo Toキャンペーンは、新型コロナウイルスによって甚大な影響を受けている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などを対象とした需要喚起キャンペーンで、1兆6,794億円の予算が計上されています。 今回スタートするのは「トラベル事業」で、キャンペーンのポイントは次の通りで

          GoToキャンペーンの概要と注意点

          つみたてNISAとiDeCoの違い

          iDeCo(イデコ)とNISA(ニーサ)。 よく耳にするこの2つは、何が違うのでしょうか?そして、どちらを選べばよいのでしょうか? 最初に結論を言うと、この2つの制度は、資産運用を行う際に活用すると税金面でお得になる点が共通しています。そして、いつでも解約できるという点で比較的自由度が高いのが「NISA」、原則として60歳まで引き出すことができないという点で目的が老後資金準備に限定されるのが「iDeCo」です。 ですから、「どちらを選ぶか?」というものではなく、「目的に応じ

          自分ごとにある家族や仲間の存在について

          普段は毎週月曜日に更新しているnoteですが、今日は臨時投稿ということで、極めてパーソナルな話を綴ります。 2020年7月1日。49歳の誕生日を迎えました。 SNSを通じて多くの方からお祝いのメッセージをいただき、この場を借りて改めて感謝申し上げます。 ■家族や仲間は誰にでもいる(ある)Facebookでも投稿したのですが、私の人生における最大の価値基準は「家族や仲間」です。 ただ、この「家族や仲間」という言葉には、私なりに特別な解釈があります。それは、必ずしも「ヒト」で

          自分ごとにある家族や仲間の存在について

          賃貸と持ち家の総支払額から見る住宅の資産価値のお話

          住まいに関わるお金の話と言えば、住宅購入を前提とした「頭金の貯め方」や「住宅ローンの組み方」や「住宅ローンの見直し」の話を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。 子どもという立場で実家暮らしをしている人でも、親に家賃を払うケースはあるでしょうが、それでも多くの場合、実家を出て自分の住まいを確保する時に、初めて「住まいに掛かるコスト」を意識するようになります。 そしていつしか、買う方がいいのか?と賃貸のままの方がいいのか?という命題にぶつかります(ちょっと大げさですが・・

          賃貸と持ち家の総支払額から見る住宅の資産価値のお話

          学資保険は加入するべきなのか?

          子どもが誕生すると、「学資保険に入った方がいいのかな?」と悩む方は少なくありません。 以前に比べて貯蓄性が悪くなった(=お得ではなくなった)と言われる学資保険ですが、実際のところはどうなのでしょう? ■学資保険は「保険」である保険会社によって「子ども保険」と呼ばれることもある学資保険は、将来子どもに掛かるであろう教育費の準備手段として検討する人が大半でしょう。 もちろん、その考えは間違っていませんが、そもそも「保険」だということを忘れてはいけません。 そこで、最初に同じ仕

          学資保険は加入するべきなのか?

          投資信託の選び方

          iDeCo(イデコ)やつみたてNISAなど、将来に向けた資産形成を後押しする制度が充実してきました。このような環境の中、投資を始めてみようと考えている方から受ける質問の1つが「どの商品を買えばいいのでしょうか?」というものです。 元本保証の貯蓄型商品と違い、投資したお金が増減する投資型商品の場合、何を選ぶかによって結果が大きく違ってきますから、慎重になるのは当然でしょう。ただ、どれだけ注意深く商品を選んでも、結果がどうなるかは誰にもわからないため、先の質問に対する「正解」は

          ライフプランの作り方

          ライフプラン(=生活設計)という言葉もずいぶん一般的になってきました。 金融広報中央委員会が毎年行っている「家計の金融行動に関する世論調査」を見ますと、「生活設計を立てている」世帯は35.1%で、全体の3分の1程度という状況がずっと続いているのですが、「現在は立てていないが今後立てるつもり」という世帯が41.1%あり、4世帯のうち3世帯は生活設計を意識している様子がうかがえます。 ■ライフプランとは何か?ファイナンシャルプランナーがお金に関する様々なご相談をお受けするとき、