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生活に関わるお金の知識を学ぶにはFP資格がおススメです

生活に関わるお金のことについて、情報をお伝えしたり、相談をお受けしたりするのがファイナンシャルプランナーです。ただ、お金の必要性やお金に対する向き合い方には様々な考え方があるため、多くの項目には「唯一の正解」がありません。
「絶対に正しい保険の加入方法」もなければ、「絶対に正しい資産運用手法」もないのです。

ただ、「これだけは押さえておきたい基礎知識」や、「騙されないために知っておきたい情報」は存在します。そして私は、これらを身につける一番わかりやすい方法が、FP資格の学習だと思っています。

■FP(ファイナンシャルプランナー)資格とは

FPをひと言で説明すると、「生活に関わるお金の計画を立てる専門家」です。実際には、「必要な情報提供」だけで終わるケースも少なくありませんし、金融商品を扱う人が、スキルアップ等のために資格を取得しているケースもよくあるため、FP資格者=専門家とは言い難い現実もあります。
FP資格には、厚生労働省が認定する「ファイナンシャルプランニング技能士(1級~3級)」と、日本FP協会が認定する「AFP((Affrieited Finanncial Plannner)、CFP(Certifid Finanncial Planner)」の2種類があります。そして、これらの資格を認定する検定試験は、日本FP協会金融財政事情研究会が実施しています。
試験は年3回、1月と5月と9月に実施されていますが、2020年5月の試験は新型コロナウイルスの影響により中止となりました。

試験実施団体が2つあり、それぞれの名称が違うため、制度がわかりにくいという声を聞くことは多いのですが、今回ご紹介するお話は、自分のためのお金の基礎知識を身につけることが前提なので、「ファイナンシャルプランニング技能士3級」に絞ってお伝えします。

■3級FP技能士の試験内容と難易度

まず試験は「学科」と「実技」に分かれていて、別々に申し込みができ、合否判定も別々に出ます。学科試験は三択問題と正誤式(〇×)問題が各30問の計60問。日本FP協会も金融財政事情研究会も問題内容は同じです。一方の実技試験は三択問題のみで、こちらは試験実施団体によって問題数も内容も異なります。学科実技ともに6割の正答率で合格となります。

直近(2020年1月実施)の試験の結果を見ると、日本FP協会実施の試験合格率は、学科が85.34%、実技が79.45%でした。一方の金融財政事情研究会実施の試験合格率は、学科が65.43%、実技は2つのコースから1つを選ぶのですが、平均で49.17%でした。
学科に至っては問題内容が同じにもかかわらず、随分と合格率に差がありますよね。
明確な理由はわかりませんが、FP協会の試験は自主的に受検する人が多い一方、金融財政事情研究会の試験は、業務上必要な人が本人は気が進まないのに受検しているケースが一定数あるからかもしれません(あくまでも個人的な見解です)。悩むのだったら日本FP協会で受検するのがいいでしょう。

5月試験が行われなかったことで、9月試験や来年1月試験の受検者数は増える可能性があります。そうなると「合格しにくくなるのですか?」という不安の声を聞くこともあるのですが、その心配はありません。FP技能検定試験は、合格基準点が決まっているため、どれだけ受検者数が増えたとしても、合否の判定はあくまでも「合格点を取れるかどうか」で決まるからです。
(注)9月13日実施の試験は、既に申し込みが終了しています

■合格に必要な勉強時間

FP試験(特に3級)は、独学で十分に合格が狙える試験です。

ただし、独学の場合「不必要に多くの時間を掛けてしまう」という可能性があります。これは「大事な項目と捨てていい項目」の取捨選択ができないから、というのが大きな理由で、簡単に言うと、100時間の勉強で合格できたところを150時間かけてしまうということです。もちろん、独学とはいえ、「書店にあるFP資格試験のための参考書や問題集を利用して勉強する」わけですから、見当はずれのことを勉強する可能性は低く、この点はあまり心配しなくていいでしょう。使用する教材選びも含め、無駄な時間を使いたくない!と思われる方は、最初から資格スクールの試験対策講座の活用を検討しましょう。

では、合格レベルに達するまでに必要な勉強時間はどのくらいでしょうか?
実際のところ、これは「人によって違う」としか言いようがありません。そもそもFPで学習するような内容に全く触れたことがない人と、仕事などである程度の基礎知識を持っている人では、スタート時点の条件が全然違います。ただ、それでは答えにならないので、今までの経験と勘からあえて目安を伝えると、3級FP技能士であれば60時間~100時間の勉強で合格レベルに達するのではないかと思います。1日1.5時間程度の勉強で1ヶ月ちょっと~2ヶ月って感じですね。
ついでにお話すると、2級FPの合格に必要な時間数は約200時間と考えていますが、3級を受検した直後であれば、そこから100時間引いて大丈夫です。なので、9月に3級に合格した勢いで2級を受検することが、最も効率よくなります。1級になると個人差が大きすぎるのですが、2級レベルの知識があることを前提に、100~150時間を追加するイメージです。これはあくまでも参考ということで。

3級に話を戻しますと、まずは先ほどご紹介した試験実施団体のサイトから過去の本試験問題をダウンロードして解いてみてください。その時点で「チンプンカンプンで何もわからない…」のであれば、おそらく100時間でも足りないでしょうし、「だいたいの問題はわかりそう」であれば、60時間も必要ないでしょう。ですから、ご自身の学習計画を立てる第一歩として、まずは過去の本試験問題を見るようにしましょう。

ちなみに、「ファイナンス(=金融とか財政)」という言葉から、数字に弱いと厳しいと感じる方もいらっしゃるようですが、これはほとんど気にしなくて大丈夫です。
FPの学習には数字の出てくる場面が多くありますし、覚えなければいけない公式もあります。しかし、そのすべては、「小学校で習う範囲の算数のレベル」ですから、足し算、引き算、掛け算、割り算(=加減乗除)ができれば全く問題ありません。

■合格のために必要な勉強方法

では、確実に合格を勝ち取るにはどうすればいいでしょうか?
これは答えが明確に決まっていて、「過去3回分の過去問をやりきる」ことにつきます。

もちろん、初めてFPの学習に触れる人が、基本事項も学ばないまま過去問を解いても、意味すら分からないことが多いかもしれません。ですから、一通りのテキストを読む必要はあるのですが、学習の中心は過去問に置くことが最も効率の良い学習法でしょう。

ただし間違えてはいけないのは、「問題を解く」のではなく「やりきる」という点。やりきるということは、「わからない問題は1つも無い状態」にすることです。
現実にはそこまで完璧に理解することは難しいものの、少なくとも「すべての問題を自分なりに説明できる」状態を作れれば、合格水準はクリアしています。これは、1級や2級の学習でも同じです。
もちろん、試験である以上、合格を100%保証することは誰にもできませんが、「合格水準をクリアしている」という自信を持つことはとても大切です。

あとは、過去問3回分を3回ずつやりきるだけの時間をしっかり確保しましょう。時間がたっぷりあると思っている時ほど、大事なことを先送りしてしまうものです。
ご自身が受検するタイミングの本試験日からの逆算で、是非ご自身の合格への道を完成させてください。

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